発売中のDIME4月号では「テスタ×ChatGPT AI投資入門2026」と題して、AIを投資に今、注目のAIを投資活用するノウハウを徹底特集!
利益100億円超の投資家・テスタさんは、本誌の連載でたびたび「AI」について触れてきた。普通の人なら「AIが人間の生活を脅かすかもしれない」と考えるだろう。だが、テスタさんは違う。
「僕のAIができたら、僕と2馬力で2倍稼げるようになりますね」惜しくも2026年1月現在で「AIテスタ」はまだできていない。だが、天才投資家から思考を学び、AIを使って活用・実践することは今からでもできる。
テスタさんだけでなく、AI専門家や、実際にAIを活用する投資家らに取材した〝最先端の投資〟をお見せしよう。
今回は、東京大学で金融×AIを研究する和泉教授との対談が実現。目覚ましい進化を遂げるAIは「天才投資家」を超えるのか。投資とAIの未来を語る2人のレアな対談をお届けする。
テスタ × 金融AI研究者の対談が実現!

100億円投資家
テスタ(左)
2005年、300万円を元手にデイトレを中心に株式投資を開始、6年目で億トレーダーに。2015年からは中長期投資も始める。収支は19年連続プラスで、生涯獲得利益は100億円を超える。監修本『マンガでわかるテスタの株式』(大和書房)が発売中。
東京大学大学院
工学系研究科教授
和泉 潔さん(右)
1993年、東京大学教養学部卒業、1998年、同大学院博士課程修了。2015年より東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授。AIを活用して、金融市場を含む社会経済現象のデータ分析およびシミュレーションを研究する。
7年前の予測は大外れ?AI進化の衝撃
和泉 実は私たち、2018年に経済番組の楽屋でお会いしたことがあるんですよね。
テスタ お久しぶりです。あれから7年、世の中もAIも大きく変わりました。当時はまだ、投資の世界にAIがここまで食い込むとは思っていませんでした。
和泉 正直に告白しますと、私も当時は「AIが人間の投資家に勝てるようになるまでには、あと40年くらいはかかるだろう」なんて言っていたんです。でも、その予測は外れるかもしれません。特にこの数年のAIの進化はすさまじい。今や特定の領域や単純な分析においては、AIはすでに人間の専門家を超えはじめています。
テスタ 僕も情報収集にはChatGPTを使っています。例えば「このテーマの関連銘柄は?」とか「この日の急騰理由は?」と聞くと、自分で調べるより圧倒的に早い。
和泉 それは非常に正しい使い方ですね。AIは膨大なデータから情報を要約して抽出するのが得意ですから。

和泉教授の研究室と東大発ベンチャー・Simulacra Inc.の共同研究では、投資家のコピーを構築している。
テスタ でも投資の世界って「もっともらしいこと」を言っているだけじゃ勝てないじゃないですか。みんなが「Aだ」と思っている時に、ひとりだけ「Bだ」と気づいた人が勝つ。

和泉 おっしゃるとおりです。私はよく「AIは秀才にはなれるが、天才にはなれない」と言っています。AIは過去のデータの集積から最も平均的で確率の高い〝正解〟を導き出すのが得意です。つまり「100回中99回起きること」を当てるのはうまいんです。
テスタ 投資のチャンスって、残りの「1回」にあるんですよね。
和泉 天才的なトレーダーはその「1回」が持つ意味や、今この瞬間の文脈から「今回は例外だ」と判断したりする。
テスタ 僕がこれまで勝ってこられたのも、AIが「効率的だ」と判断する数値の裏にある「歪み」を突いてきたからかもしれません。
和泉 AIがその「1回」のイレギュラーを学習して当てるのは、まだ10年は無理だと思いますね。ただ、世界的なヘッジファンドの創設者の思考パターンをAIにコピーさせようというプロジェクトも進んでいます。
テスタ 自分のコピーAIが勝手にトレードしてくれるなら、僕は引退して遊んで暮らせますね。でも、全員がその「最強のAI」を使ったらどうなるんでしょう?
和泉 そこが面白いところです。市場には流動性がありますから、全員が同じタイミングで同じ判断をすれば、利益は消失します。結局、AI同士の「スピード競争」になるか、あるいはAIの予測の裏をかく人間がまた現れるか。

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人間の「欲」と「恐怖」をAIは学べるか
テスタ AIには「欲」がないですよね。そこが強みでもあり、弱みでもある気がします。株価が暴落している時、人間は恐怖で投げ売りしてしまう。僕はその恐怖を「データ」としてではなく、「肌感覚」で見て、買ったり売ったりしています。市場の向こう側にいるのが人間である以上、そこには必ず感情の揺れがある。それを読み切るのが僕らの仕事です。
和泉 AIに最も教えるのが難しいのが、まさにその「感情」や「身体性」です。AIは「痛い」も「怖い」も知りません。「この決算内容なら20%上がるはず」という理論株価は一瞬で出せます。でもその銘柄が不人気株で、いくら数字がよくても誰も見向きもしないという市場の冷ややかさまでは完全には計算しきれない。
テスタ AIに「これまでの市場の反応のクセ」まで学習させたらどうですか? 「割安なのは事実だけど放置されやすい」みたいな。
和泉 まさにそれは現在進行形で学習が進んでいます。ただ、AIが学習すればするほど市場の「前提」が書き換わり、AIが「不人気だから買わない」と判断すると、それが「新たな前提」となる。すると今度は、その新たな前提の隙を突く、より高度なアルゴリズムや、テスタさんのような直感型の投資家が有利になる局面も出てくるでしょう。さらにその「天才的な直感」をもAIがデータ化して取り込もうとしても、きっとその瞬間、テスタさんはまた一歩先へ行くんでしょうね。
テスタ そうなれるように頑張ります(笑)。先生、また数年後に答え合わせをしましょう。
和泉 今日の予想が外れるほど、AIがこれから驚異的な進化をするかもしれませんね(笑)。
画像提供/Simulacra Inc., & 和泉研究室
取材・文/向井翔太 撮影/須田卓馬
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