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21期連続で増収!スーパーの「ライフ」が売上を伸ばし続ける理由

2026.05.12

物価高でも好調な売上を持続するスーパーのライフコーポレーション。なぜこれほど強いのか。業績数字の背景にある戦略を食品スーパー業界における立ち位置とあわせて分析した。

物価高が続く中、日々の節約のために食料品の買い控えをしている人は多いだろう。消費者心理の冷え込みが業績を直撃するスーパー業界にあって、ライフの2025年2月期の売上高は8,504億円と、21期連続で増収(連結)を達成、純利益も過去最高を更新した。節約志向が高まる中でも好調な売上をキープしている背景にはどのような理由があるのか。

本記事では、身近な成長企業の一つであるライフコーポレーションに注目し、数字の裏側に見える企業の戦略と今後の伸びしろについて解説する。

※画像引用元:スーパーマーケット ライフ

21期連続の増収、ライフの売上が示す成長の過程

ライフは10年以上にわたって増収を続ける成長企業だ。決算数字の中身を見ると、単に値上がりの恩恵を受けただけではない企業の成長志向が見えてくる。

■ライフの2025年2月期決算を読み解くと?

ライフコーポレーションの2025年2月期(連結)は、売上高8,504億円(前期比5.0%増)で、21期連続の増収を達成した。また、経常利益も262億円(前期比5.0%増)、純利益は179億円で、連結ベースの過去最高益を更新している。

直近の2026年2月期(上期)に目を向けると、営業収益は4,401億円と半期過去最高を記録。上期経常利益も138億円に達し、増収増益は継続中だ。

※参考:2024年度通期 2025年2月期 決算説明会資料(株式会社ライフコーポレーション)【PDF】

※参考&画像引用元:2026年2月期 第2四半期 決算説明会資料(株式会社ライフコーポレーション)【PDF】

■月次売上の安定した推移

月次データにおいてもライフの安定感は際立っている。2025年3月から2026年1月にかけて、全店売上高は全月で前年比プラスを維持し、おおむね3〜5%の増加が続いた。最新の2026年1月は全店前年比が3.6%増、既存店前年比で3.4%増。これは、客数1.3%増・客単価2.1%増という中身を伴った成長だった。

エリア別では、2025年2月期の既存店売上が首都圏で前年比106.5%、近畿圏で103.4%と両エリアで前年を上回り、特に首都圏が近畿圏の伸びを初めて上回った。首都圏への出店と認知度向上が成果を上げている。

※参考:2025年2月期 決算・参考資料(株式会社ライフコーポレーション)【PDF】

食品スーパー業界におけるライフの立ち位置

スーパーの競争が激化する中でライフはどのポジションにいるのか。イオンや競合他社と比較しながら、売上高ランキングにおけるライフの存在感と経営の特徴を整理してみよう。

※画像引用元:企業情報 – ライフコーポレーション

■食品専業スーパーとしてのライフの規模感

国内スーパーを俯瞰すると、イオンやセブン&アイ・ホールディングスが売上高で群を抜く。ただし、両社はコンビニや総合スーパー、ディベロッパー事業なども含む複合業態だ。流通科学大学教授の白鳥和生氏の著書によれば、スーパーマーケット専業企業の中では、ライフコーポレーションが売上高で首位に立っており、2位にはイオン傘下のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)が続く。業界専門メディア「リテール・リーダーズ」においても、ライフは「売上高規模で日本一のスーパーマーケット(持ち株会社を形成した企業グループを除く)」と位置づけられる。

※参考:スーパーマーケットの売上高ランキング|教養|婦人公論.jp

■ライフとイトーヨーカ堂との対照的な歩み

同じ時期に、セブン&アイ・ホールディングスの祖業である食品スーパー・イトーヨーカ堂は業績低迷が続き、本体からの切り離しが進んだ。ライフとは対照的な軌跡だ。業態(地域密着型専業スーパーと大型総合スーパー)が異なるため単純な比較はできないものの、食品を核とした小売という土俵では、地域に根ざした専業型スーパーが存在感を増している、という見方もできるだろう。

※参考:当社子会社における会社分割(吸収分割)による子会社の異動に関するお知らせ(株式会社セブン&アイ・ホールディングス)【PDF】

物価高でも売上が伸びる理由——数字の裏にあるライフの戦略

食品の値上がりが家計を襲う中、ライフの売上はなぜ落ちないのか。決算説明資料から読み取れる「売れ方の変化」と、それに応じたライフの戦略を見てみよう。

■物価高でも客数が減らない構造

ライフの既存店データを見ると興味深い数字が見えてくる。2025年度上期(2025年3〜8月)の既存店実績では、買上点数が前年比97.2%と減少した一方、点単価は前年比104.6%に上昇し、売上高は前年比102.8%と伸びた。これらの数字のみでは物価上昇の影響を無視できないが、客数も前年比101.0%、客単価は101.7%と、ともにプラスを維持した。

客数については、うるう年の影響があった月を除き23カ月連続で前年比100%超を記録(決算説明資料)している。物価高でもライフに通う固定客が厚みを持って存在していることが、業績の底支えとなっているとわかる。

■惣菜とオーガニックPBが牽引する差別化

売上を引っ張るのは惣菜とプライベートブランド(PB)の二つだ。2025年度上期の部門別で見ると、惣菜の全店売上高は前年比107.5%と全部門中最高の伸び率を示した。家での調理を減らしたい生活者のニーズが惣菜需要の底上げにつながっている。

もう一方の柱がオーガニックPBの「ビオラル(BIO-RAL)」だ。有機食材・環境への配慮をコンセプトとしたブランドで、2025年度上期の売上高は前年比121.4%と急成長している。岩崎高治社長は「品質や健康、環境を意識するお客様は、必ずしも景気の波に左右されない」と語っており、価格競争から距離を置いた独自路線がここに来て大きな強みとなっていると言えそうだ。

※画像引用元:BIO-RAL(ビオラル)- ライフコーポレーションのプライベートブランド –

■チラシ削減・DX・直雇用化——コスト構造の改善

売上を伸ばしつつ利益も増加できている背景には、販売促進費の適正化に代表される「カイゼン活動」がある。たとえば、紙チラシの発行部数・エリアを見直し、デジタルチラシや専用アプリへの移行を進めた結果、チラシ関連費用を2024年度上期差で約1億円削減。

生産性向上の面では、電子棚札・フルセルフレジ・AI発注という3つのDX施策を組み合わせ、全社合計で年間約200万時間の労働時間削減を見込んでいる。

施設管理の自社化では、修繕費・外部委託費を2024年度差で年間約5.5億円削減(通期見込)、プロセスセンター従業員の直雇用化により、人件費と構内作業費の合計を2022年度差で年間約8億円削減している。

ライフでは賃上げを積極的に進めているため、人件費は増加しているが、このようなカイゼン活動により、物件費は計画を下回る水準に抑制されている。

※参考:2026年2月期 第2四半期 決算説明会資料(株式会社ライフコーポレーション)【PDF】

今後の伸びしろ——ライフが目指す2030年の姿

21期連続増収という実績の上にライフはさらなる高い目標を掲げている。決算説明資料やニュースリリースから伺える将来像を見てみよう。

■売上高1兆円・経常利益350億円の定量目標

ライフコーポレーションでは、2030年度の定量目標として売上高1兆円・経常利益350億円・純利益220億円を掲げている。現在の316店舗(2026年1月末時点)から着実に拡大を続け、ここ数年はM&Aも視野に入れた成長戦略へと軸足を移しつつある。2026年1月には経営企画部内にM&A対応チームを発足させており、既存の出店・改装投資のみに頼らない規模拡大の意図が明確になってきたと言えるだろう。

※参考:NEWS RELEASE(株式会社ライフコーポレーション)【PDF】

■ネットスーパーとビオラルが第2・第3の柱へ

売上高の観点で特に注目されるのがネットスーパー事業だ。2020年度に53億円だった売上高は2024年度に248億円と5年間で約4.7倍に拡大し、2030年度の目標は1,000億円に設定されている。現在は店舗から配送する「店舗型」を主体としているが、2027年秋には横浜市に大型フルフィルメントセンターを開設し、「センター出荷型ネットスーパー」への参入を予定。配送エリアと配送枠を大幅に拡大し、ネットスーパー事業を加速させる方針だ。

ビオラル事業も中長期の成長軸として期待がかかる。2024年度末時点では売上高約30.7億円・12店舗だが、2030年度には売上高400億円・50店舗という高い目標を掲げている。AmazonでのBIO-RALブランドの全国販売も開始するなど、店舗外でのチャネルも拡大予定だ。

※画像引用元:ライフネットスーパー

Author
ライター歴18年。2018年に独立し、フリーランスに。複数のWebメディアで記事を執筆中。育児・教育をはじめ、住宅ローン、保険、金融、エンタメなど幅広い分野の取材・執筆を手がける。【資格】消費生活アドバイザー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。子ども3人を育児中のママでもある。

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