2005年、裏社会を軸に〝男の生き様〟を描いた稀有なゲームが発売された。「本当にいいの?」と戸惑いながら、多くの人が手に取ったあの時から20年。アンタッチャブルな世界をエンタメに変え続けてきたクリエイターや関係者などに話を聞いた。そこで見えたのは、ファンに仁義を切ったを真摯なモノづくりの姿勢だった。
ネオン輝く夜の神室町と同じか、それ以上に『龍が如く』の周辺が盛り上がりを見せている。一風変わったグッズが大ヒットを記録し、イベントには多くのファンが詰めかける。その理由は担当者のこだわりにあった。
なお、現在発売中のDIME4月号では人気ゲームシリーズ「龍が如く」を大特集している。こちらも必見だ!
普通のグッズだけ作ることは求められていない
『龍が如く』はゲームの枠組みを飛び出し、グッズの世界でも人気となっている。その理由は桐生一馬や真島吾朗ら魅力的なキャラクターはもちろんのこと、これまでにないユニークさにもある。
一風変わったグッズを世に送り出してきた担当者のお二人に話を伺った。
宮﨑 商品開発は1年先までロードマップを作り、それを元に商品を企画していきます。一方でノリと勢いで商品化したというモノもないわけではありません。
今野 上司の思いつきで、というのもありますし(笑)。
宮﨑 『龍が如く』というブランドとして、普通のグッズだけ作ることは期待されていないと感じています。お客様は『龍が如く』らしい面白い商品も求めていて、商品企画を攻めれば攻めるほど話題になります。スタジオ代表の横山昌義の方針で、ゲームが攻めているのでグッズもそうしようと。ありきたりな思考をどれだけ捨てられるか、も重要な観点かなと思います。
今野 ユーザーの皆様の意見も尊重しています。喫煙者の割合が多く、喫煙グッズを作ってほしいという要望があったので、携帯灰皿を出したこともありました。
攻めた企画をしているが、やりすぎという理由で中止になったことはほとんどないという。
今野 不謹慎に思えるグッズでも、不謹慎という理由でNGになったことはありません。以前『龍が如く 散った男たち展』で位牌アクスタなどを販売したこともあり、『冠婚葬祭展』の墓石アクスタも企画が通りました。
宮﨑 刺青が描かれているアームカバーも「ファッションの範囲であれば受け入れてもらえるだろう」と。『婚姻届離婚届セット』は部内の会議で「そんなのほしい人いない」とすごく反対されて。それでもそのまま進めてお客様からネタアイテムとしてご購入頂けました。
一方で定番商品とのバランスを取る難しさを感じている。
宮﨑 部署として売り上げを立てないといけないので、アクスタなどの売れ筋は欠かせません。ですが、『龍が如く』というIPを育てていく意味で『龍が如く』らしいぶっ飛んだグッズも必要です。どちらか片方だけではここまで市場が広がらなかったと思います。
今野 こうしたグッズを手にすることによって、よりゲームを好きになってくれればうれしいですね。
商品開発は苦労の連続。それだけに思い入れはある。多くの中から選んでもらった「忘れられないグッズ」はこの6つ。どれも攻めに攻めた、それでいて愛のこもった商品である。

セガ
トランスメディア事業本部
クリエイティブフランチャイズ部
PDチーム
今野南帆さん(右)
企画と製造管理を担当。最初の好きになったキャラは『0』の尾田純。その後『7』の趙天佑と『8』の山井豊もお気に入りに。
セガ
トランスメディア事業本部
クリエイティブフランチャイズ部
クリエイティブチーム
宮﨑杏奈さん(左)
『龍が如く』専任で企画を担当。長く桐生一馬一筋だったが、『3 外伝』の登場で峯義孝もタイプだと発覚。早く新作をプレイしたい!
限定版「真島吾朗コンプリートボックス」

オモチャまで同封した超豪華な限定版!
「外箱にこだわり、イラストを描き下ろしてもらって、メタリック紙を使いました。限定版はグッズとは進行が違って大変でした」
アクリルスタンドコースター付レッドブル・エナジードリンク

自販機から自販機型のものが出てきたら面白いかなって(笑)
「『レッドブル』と缶を飾るアクスタをセットに。パッケージを自販機のデザインにしたら好評で、弊社の社長も褒めてくれました」
婚姻届離婚届セット

反対意見も多かったけど予想以上の売れ行きに!
「ユーザーが喜んでくれると思って離婚届をつけたのですが、『セットにする意味がわからない』と大反対。結果、大人気商品に!」
セリフアクリルスタンド

たくさんの俳優さんにもご協力いただきました!
佐川や立華などのアクスタがなかったので作りました。俳優好きの人も買ってくれたのがうれしかったですね」
桐生一馬 ガン見フェイスクッション

何度も企画を練り直した努力の結晶です!
上半身裸のイラストが使いたかったんですが、いろいろあってこの絵に。今もデスクに置いています」
『龍が如く』×『牛沢』コラボサコッシュ

形のデザインから自分でやりました!
「細部までこだわって、使いやすいバッグができました。今も会社で使っています。大好きな実況者さんなので頑張っちゃいました」
リアルイベントも大盛り上がり!
推しキャラと結婚も、追悼もできる「冠婚葬祭展」に潜入!
『龍が如く』のシリーズ20周年を記念して『龍が如く 冠婚葬祭展』が大阪で2月6日から24日まで開催されている。昨年には同じ内容で東京でも開催されており、多くのファンが会場に詰めかけた。この展覧会のために描き下ろした、ウェディング衣装のキャラクターの等身大パネルが設置され、好きなキャラとウェディングフォトを撮ることができる。葬儀会場には芳名帳と献花台が置かれ、作中で散ったキャラを追悼することもできる。イベント限定のスペシャルボイスは必聴だ。ほかにも東城会本部や、『0』に登場したカラの一坪を再現したフォトブースがあり、作品の中に入り込んだ気分が味わえる。『極3』をプレイすれば、より一層楽しめるはずだ。
披露宴さながらの写真撮影も

パネルは桐生一馬や春日一番、真島吾朗のほか、ハン・ジュンギやソンヒ、狭山薫も用意。擬似体験スペシャルパッケージは予約抽選式。
命を落としたキャラの葬儀場まで!

東京会場では期間ごとに錦山彰、郷田龍司、峯義孝の葬儀が行なわれた。大阪会場での予定は公式サイトで確認してほしい。
取材・文/金子長武 撮影/杉原賢紀 編集/轡田緒早
ⒸSEGA







DIME MAGAZINE












