2005年、裏社会を軸に〝男の生き様〟を描いた稀有なゲームが発売された。「本当にいいの?」と戸惑いながら、多くの人が手に取ったあの時から20年。アンタッチャブルな世界をエンタメに変え続けてきたクリエイターや関係者などに話を聞いた。そこで見えたのは、ファンに仁義を切ったを真摯なモノづくりの姿勢だった。
現在発売中のDIME4月号では人気ゲームシリーズ「龍が如く」を大特集している。
Amazonで購入 楽天ブックスで購入 7netで購入今回紹介するのは、最新作に同時収録された完全オリジナルストーリーのタイトル『龍が如く3外伝 Dark Ties』について。本作の主人公となるのが峯義孝だ。本編では桐生一馬の強敵として登場する峯。にもかかわらずフォーカスされる男の素顔に迫る。

セガ
第1事業部 第1開発部 部長/
プロデューサー/ディレクター
堀井亮佑さん
2006年、セガ入社。『2』から制作に携わり、その後、歴代を担当。人気ミニゲーム「カラオケ」立案者。バンド『BUCK-TICK』好き。
クールで知性的な表情の裏には凶暴性を秘めている

峯 義孝
東城会若頭補佐、東城会の二次団体・白峯会会長。元はベンチャー企業のビジネスパーソンだったが兄貴分・神田強の仲介で極道の道へ。頭脳と資金力を武器に若くして頭角を現わした。冷静沈着な頭脳派の極道だが内なる狂気を秘めている。
峯義孝の経歴は異色だ。東城会の幹部という組織の人間だが、元はベンチャー企業の会長を務めていたビジネスパーソン。表の世界で成功を収めながらも、信じていた仲間の裏切りにより全てを失い、極道の道へと足を踏み入れる。
「峯は、劣等感をすごく持っているクールなキャラクターです。傍から見ると、頭が良くて、会社のトップにもなって、お金も持っていて、イケメンでっていう、誰もが羨むパーフェクトな人間ですが、子供時代の環境は極貧で過酷。お金のために生きて成功をつかみましたが、孤独からは抜け出せず、ずっと満たされない。成り上がった末の虚しさ、みたいなものを抱えて生きているんです」
峯が極道の世界に心奪われた理由、それは〝絶対的な絆〟だ。子分が親分をかばい命をかける。その友情をも超えるような本物の絆こそ峯が渇望するものだった。
「『龍が如く』に登場するキャラクターは、『金じゃ! ドンパチじゃ!』みたいなわかりやすい連中が多いですが、峯の場合、孤独や悲しさ、闇を抱えて いるので、すごく新鮮に映ります。進んだ道は間違っているけど、その抱えた感情は多くの人が共感しやすいのがポイントではないでしょうか」
峯が抱える内なる感情は、本作のバトルシステムにも反映されている。溜めた「闇ハート」ゲージを解放して暴れ回る「闇覚醒」モードを採用しており、普段冷静な人がキレると怖い、という峯の狂気性が表現されている。
内なる闇を解放する闇覚醒でアクションが変貌

「闇覚醒」を解放することで、ボクシングベースのスマートな戦い方が一変。敵の顔面を引きずるなど、非道なアクションへと様変わり。
兄貴分の評判を上げる「神田カリスマプロジェクト」

女と酒に目がない兄貴分・神田強の評判を上げるゲーム内コンテンツ。街中のトラブルを解決することで神田との絆ドラマに発展。
トップ・オブ・クズな兄貴分との関係性にも注目!
また、峯を語る上で欠かせないのが、極道の世界へと引き入れた兄貴分の存在。ファンの間でクズと称される神田強だ。神田は、暴力的で卑劣で本当にどうしようもない人間だが、峯は神田を利用して裏社会に入ることができた。本作では、このふたりの関係性を本編以上に深掘りしている。
「峯の魅力は、神田との対比で一層際立つので、神田を軸にしたコンテンツ『神田カリスマプロジェクト』を導入しています。神田の評判を上げるために峯が裏で良い行ないをしていく要素になります。困っている人を自発的に助ける人間ではない峯が、無理矢理人助けをする中で、どんな正義感や信念を持っているかを描いています。どこか憎めないクズな神田にも愛着が湧くと思いますよ。クズに変わりないですが(笑)」
もし峯が実在するなら かかわりたくない存在
ちなみに今回、話を聞いた堀井さんは、登場人物が熱唱したり、奇抜な合いの手を入れたりすることで有名な人気ミニゲーム「カラオケ」を導入した張本人。しかもオリジナルの人気楽曲「ばかみたい」をはじめ、ほぼ全楽曲の作詞も担当している。本作では、峯の熱唱する姿も見られるという。
「峯、つまり声を担当した俳優・中村獅童さんに『ばかみたい』を歌っていただきました。しかも本編の『極3』では、歌手・和田アキ子さんにも歌っていただいています。カラオケは『3』から導入したのですが、企画立案当初は、桐生がこんなことするわけないと非難轟々でした。のらりくらりかわしながら勝手に導入して本当に良かったです(笑)」
最後に、もし峯が上司、同期、部下のいずれかならどれを選ぶのか、堀井さんに聞いてみた。
「上司にいたら超厳しそう。下にいたらいたで扱いづらそうですし。基本、一緒にいたくないですね(笑)。闇を抱えているし、キレたら止められなさそうだし。まぁ、自分と接点のない、違う部署の同期とかがいいですかね(笑)」
峯もアッコさんもカラオケで、あの名曲を熱唱!


ミニゲーム「カラオケ」は最新作でも健在。峯の声優・中村獅童さんや歌手・和田アキ子さんがオリジナル楽曲『ばかみたい』を熱唱!
取材・文/小櫃 謙 撮影/干川 修 編集/寺田剛治
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