デジタル旺盛時代には、その反動として「デジタル離れ」の潮流も生まれるもの。現に、毎日、膨大な情報があふれてくるスマホを「わずらわしい」と感じてしまうこともあるかもしれない。
「デジタル・デトックス」という言葉が流行って久しいが、今ではスマホだけでなく、SNS等を通じた日常的な人間関係からも脱せる「スマホなし旅行」に発展している。特にZ世代のトレンドになっているようだ。
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今回は、「スマホなし旅行」とは何か、その目的から実際の旅の仕方や過ごし方を探ってみた。「脱デジタル滞在」を推奨する「星のや富士」の担当者のインタビューは必見だ。
Z世代が選ぶ2026年のトレンド「スマホなし旅行」
SHIBUYA109 lab.が15~24歳の女性401名を対象に実施した2026年のトレンド予測の「モノ・コト部門」の上位には、「スマホなし旅行」がランクインしている。
同機関によれば、2026年は、情報・コミュニケーション量に対して疲れを感じる傾向が継続し、不特定多数からの目線から一時的に離脱できる「アテンション・デトックス」につながる消費動向がより一層高まる見込みだという。
その代表的なトレンドといえるのが「スマホなし旅行」だ。
SHIBUYA109 lab.所長、長田麻衣氏は次のように解説する。
「スマホなし旅行とは、スマホを持たずにお出かけをすることを指します。お出かけ先はまったく知らない場所ではなく、自身がある程度知っている場所にする傾向があり、『安全で失敗したくない』というZ世代の特徴が表れています。ただし記録したり、思い出を振り返ったりしたいニーズはあるため、撮影デバイスは持っていきます」
「スマホなし旅行」は、何を目的に行うのだろうか。
「目的は、情報やSNSでのコミュニケーション、通知などの不特定多数からの視線や反応から一時的に距離を置くことにあるようです。スマホを持たないことで目の前にある自然や出来事、体験に目を向けることができ、自分自身と向き合う機会や内省の機会を得ることができます。
スマホなし旅行のようなアテンション・デトックスをするための消費行動として、他にも『自然界隈(山や海などの自然に触れ、楽しむ人々)』『陶芸』『映画館での映画鑑賞』などもトレンドとなっています」
「スマホなし旅行」をより楽しむポイント
ところで、「スマホなし旅行」といっても、旅先でスマホを使わずに過ごすだけではもったいない。スマホなしだからこその楽しみ方を追求するのも良さそうだ。
どんな楽しみ方があるのだろうか。ヒントをくれそうなのが、大自然の中でデジタルから離れて滞在する「脱デジタル滞在」を推奨している「星のや富士」だ。
星のや富士は、山梨県の河口湖畔にあるラグジュアリーな日本初のグランピングリゾート。約6ヘクタールある広大な森の大自然の中に佇む全室テラス付きキャビンで贅沢な滞在を楽しめる。
チェックイン時には、富士山麓周辺の鹿革で作られたボックスでデジタル機器を預ける。「デジタル機器から離れた環境を作ることで、デジタルの存在から意識を反らし、より質の高い時間を過ごせるよう導く」のが同施設流。「スマホなし旅行」をそっと後押ししてくれる。
星のや富士の総支配人、片岡順平氏は、「スマホなし旅行」をより楽しむためのポイントについて、次のように語ってくれた。
「私たちは、目の前のアクティビティや自然の営みに没頭することが大切だと考えています。情報からあえて距離を置くことで、森の音や風の匂い、焚き火の揺らぎといった自然の中で感じることのできる変化に、より深く意識が向くようになります。常に情報に触れている状態では、自分の身体の変化に鈍くなりがちです。だからこそ、予定を詰め込みすぎず、あえて何もしない時間を設けることをおすすめしています。
星のや富士で通年開催の『脱デジタル滞在』では、デジタル機器から離れた環境を作ることで、自分と向き合う時間を過ごせるよう導きます。地域文化を深く知る体験や自然の中でのアクティビティを通して豊かな感性を取り戻す機会を提案します」
●旅先でのおすすめの過ごし方
「スマホなし旅行」を決め込んだら、旅先ではどんな風に過ごすのがおすすめだろうか。
「日常から少し距離を置き、自然を間近に感じながらも快適に過ごせる“グランピング”をおすすめします。自然の中に身を置きながらも、上質なベッドや温かな食事が整っているからこそ、心に余裕をもって景色や静けさを味わうことができます」
「星のや富士では、アカマツに囲まれたクラウドテラスでハンモックに身をゆだねるひとときや、夕暮れに焚き火を囲みながら語らう時間、夜には炎の揺らぎや生演奏に耳を傾けるなど、アウトドアならではのアクティビティをご用意しています」
「グランピングマスターとともに森を巡るアクティビティでは、季節の移ろいや普段なら見落としてしまう小動物の痕跡などを学びながら体感することができます。滞在中は予定を詰め込むのではなく、自然と共存する時間そのものを楽しむことをご提案しています」
スマホを手放すせっかくの機会には、大自然の恵みを全身に浴びて、存分に楽しむのが良さそうだ。スマホの電源はオフ、もしくは自宅に置きっぱなしにしてひとときの開放感を楽しんでみてはいかがだろうか。
取材・文/石原亜香利







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