■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所
■Introduction
新製品が次々と登場するデジカメ市場で自信を持ってオススメできる製品はなかなかお目にかかれないというのが本音である。しかし、今回は確信を持って言える『OM-D E-M10 Mark II』は買いである。私も買ったのだから間違いない。速攻で『M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO』も入手する予定だ。その次は『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO』も欲しい。最後の仕上げに『M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO』で枕を高くして眠れると思う。
なぜ『E-M5 Mark II』ではなく『E-M10 Mark II』なのか。まず、私はバリアングル液晶よりチルト式液晶の方が好きという理由がある。ペンタプリズム風の頭頂部は『E-M5 Mark II』の方が断然カッコイイのだが、『E-M10 Mark II』はフラッシュ内蔵なので仕方ない。それより何よりAFターゲットパッドが便利! これはタッチパネルになった液晶モニターを指で触れると、そこにAFターゲットが持ってこられる機能をEVFをのぞいたままで実現した。EVFを見ながら、右手の親指で液晶モニターの右半分に触れるとターゲットエリアが動かせる。Panasonic『LUMIX GX7』、Nikon『D5500』にも同様の機能があり、これはもっと普及して欲しい機能だ。それからダイヤル配置が『E-M5 Mark II』より使いやすい。差があるのは連写速度、最高シャッター速度、ハイレゾショットのあるなし、PCからのカメラコントロール機能、重さが約469gと約390gの違い。そしてボディが防塵防滴、耐寒(-10度)かどうかである。確かに防塵防滴は大事だが、私は今までカメラを濡らして壊したことはないので、問題ない。それよりも軽い方を選びたい。両者を比較して分かることは『OM-D E-M10 Mark II』が、センサー、画像処理エンジン、EVF(ファインダー倍率は違う)、5軸手ブレ補正、液晶モニターなどを上級機と共用した入門機であることだ。これはすごくお得である。2015年10月上旬の『E-M5 Mark II』の実勢価格約9万2000円、『OM-D E-M10 Mark II』は約7万8000円となる。