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無音の加速がクセになる!日産の3代目「リーフB7 G」に垣間見るEVの新基準

2026.02.21

日本の道路でわかる新型リーフの扱いやすさ

市街地では一段と自然な作動=減速Gが得られるワンペダル機能がより使いやすくなった印象で、狭くクネクネした田舎道ではパドルシフトによるスピードコントロールのしやすさ、視界の良さと合わせ、全長4360×全幅1810mmの日本の道で大きすぎないボディサイズと最小回転半径5.3mの小回り性の良さによる走りやすさ、Uターンのしやすさをも実感することになった。当然、駐車のしやすさにもつながるわけだ。

低速域での車内の静かさは、エンジンがなくモーターで走る電気自動車だから当たり前と思うかも知れないが、パワーユニットからのノイズがない分、ロードノイズや風切り音がことさら気になるのが電気自動車。しかし低中速域での新型リーフはロードノイズが見事に抑えられ、モーターの存在さえも感じさせない車内の静かさを実現していたのである。

そして交差点やカーブでの、テーラーフィット仕様の太めのステアリング操作に対する反応もリニアで姿勢変化は最小限。左右方向の剛性を上げつつ、前後方向の剛性をあえて落としている匙加減も、そうした印象、気持ちのいい運転感覚に寄与しているはずである。

一般道で感心したのは、リーフ初採用の「インテリジェントディスタンスコントロール」だ。

トヨタのプロアクティブドライビングアシストのような、アクセルオフ時に、前車に追いついたときに自動減速制御してくれる、高速道路・自動車専用道路用のACC(アダプティブクルーズコントロール)の一部のような機能なのだが(こちらは一般道用)、その作動タイミングの適切さ、減速Gのスムーズさが優秀で、前車が停止すればこちらも回生ブレーキによって完全停止。

一般道走行中の走りやすさ、安全性をさらに高めてくれるのだ。新型リーフを購入したら、安全・安心ドライブのためにも、ぜひとも常時ONで使ってほしい先進機能である。

制限速度120km/h区間もある高速道路に新型リーフB7 Gグレードを滑り込ませれば、直進性の良さもさることながら、ハイスピード領域でも車内の静かさは、CD値0.26の空地抵抗値の小ささ、ロードノイズの小ささもあって、依然、全体的には静かなままだ。しかも、80km/hの巡航から制限速度の120km/hまで一気に加速するためアクセルペダルを深く踏み込むようなシーンでも、新型リーフの3in1パワートレインのモーターのノイズ、振動(先代比-10dBとか)は皆無。加速Gの不快なショックなしに、みるみるスピードを上げていくという、ある意味「不思議な」感覚を覚えることになる。

ただし、プロトタイプの高速走行で気になった、フロントサイドウインドー前端部分のモール材が原因とされる、前席乗員の耳に近い場所で発生する風切り音は速度を高めるとこの市販車でも、完璧とは言えなかった。これは、せっかくのパワーユニットの静かさとロードノイズの遮断の見事さが、かえって気にさせるということだろう。先ほど、高速域でも「全体的には静かなまま」と表現を濁したのはそのせいだが、今後、改善をしてほしいところだ(ゴムモールのフィット精度のようだ)。

プロトタイプの試乗で気になった風切り音の原因はこのあたり

そうそう、車内の静かさを高めるために用意されたアイテムとして「フレキシブルラゲッジボード」が新採用されている。日産が素材メーカーと共同開発した、特許取得のハニカム素材の薄く軽いボードで、ラゲッジルームに装着することで、リヤから入ってくるロードノイズを吸音してくれるというもの。ラゲッジボードになると中味は見られないのだが、カットモデルで複雑なハニカム構造を確認することができた。

高速走行ではオプションの最新版プロパイロット2.0も体験。その進化のポイントは、プロパイロット2.0ならではの全車速域ハンズオフドライブで明らかになった。

つまり、ハンズオフドライブ時にはステアリングから手を放しているため、ステアリングによって運転姿勢を支えられないことになるのだが、より安定したレーンキープ性能と、車体の横揺れを抑えるチューニングによって、ハンズオフドライブの場面でも、ドライバーのさらなる快適感が保たれるという印象だった。なお、プロパイロット2.0装着車の全高はシャークフィンアンテナによって1565mmになる。

プロパイロット2.0作動中
プロパイロット2.0の証は2つのシャークフィンアンテナ

プロパイロット2.0には自動レーンチェンジやカーブ、料金所前減速制御なども盛り込まれ、オプション価格は40万9000円(税別)と決して安くはないものの、新型リーフの電気自動車としての劇的進化、先進性を100%味わうには、注文しないわけにはいかない装備と言えそうだ。

高速走行の途中では、急速充電も体験。この日は外気温10度を下回る寒さだったが、バッテリーウォーマー機能によって50kWまで受け入れてくれる充電性能を持っているというから心強い。

ところで、前席の足元が、電気自動車専用プラットフォームによって広々としていることはすでに報告済だが、ファミリーユースとして後席の居住空間はどうだろう。先代になかった後席エアコン吹き出し口が備わったことは大歓迎。

後席のシートサイズは先代の座面長460×座面幅1240×背もたれ高610mmから、新型は座面長490×座面幅1290×背もたれ高660mmのたっぷりサイズに改められ、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で頭上に110mm、前席を立体成型して前席背面に凹みを持たせたことで膝周りに215mmの余裕があるからゆったりだ(数値はすべて実測値)。

ただし、フロアからシート座面先端までの高さが約330mmと低めで(理想は350mm以上)、着座、立ち上がりともに腰の移動量の大きさを意味する。また、つま先が前席下に入りにくいのも事実。これは、立体駐車場の入庫が容易になる1550mmの全高と、バッテリーを床下に突き詰めたことで高まるフロアの関係によって、室内高に大きな余裕が取れなかったことが理由のようだ。

とはいえ、膝回り空間はたっぷりあるから、よほどの高身長、足の長い人でない限り、窮屈さを感じにくい後席の居住空間と言えるだろう。

また、ラゲッジルームは1550mmの全高もあって先代より高さ方向こそ低まっているものの、実測値で奥行き790mm(先代740mm)、最小幅1100mm(先代1010mm)、高さ630mm(先代910mm)、容量420Lと十二分なスペースだ(後席格納時のフロア奥行き1430mm。

すべてカタログ値とは異なる)。日産リーフのユーザーは、愛犬家も多いそうだが、折り畳み式ペットカートやヘビーカートも、幅1100mmのフロアなら、真横に積むことができ、そのほかの荷物と合わせた積載効率性に優れるという事実もあったりする。

すでに説明した「フレキシブルラゲッジボード」は外して高さ方向を拡大することも、ラゲッジルームを前後にパーテーションすることもできるから、ロードノイズの吸音機能とともに、使い勝手に貢献してくれるアイテムとなるだろう。

最後に、プロトタイプの試乗時から気になっていた点を挙げると、ドライブモードのスイッチが小さく、操作しにくい点と、シフトスイッチを含む横並びの5つのスイッチのデザインが素っ気なく感じられることだ。で、AIでスイッチ周りにシルバーのフレームを追加してみた。見栄えが良くなったと思うのだが、いかがだろうか・・・。

オリジナルのスイッチ類
筆者がAIで加工したスイッチ類

さて、結論である。3代目となる日産リーフはそのスタイリッシュさ、室内の洗練度、そして15年に渡る1/2代目で磨いたEV性能を昇華させ電気自動車の最新モデルとして、最大702kmの一充電走行距離や寒冷環境での使いやすさ、圧巻の車内の静かさと乗り心地の良さ、「スーっと滑らかな」走りの実現、そして先進運転支援機能の充実度などを含め、劇的な進化を見せた新型と言っていいだろう。

進化を見届けたい先代ユーザーの乗り換えはもちろん、これまで電気自動車に躊躇していたユーザーも、129万円という国からの補助金(2026年1~3月。それ以降は未定)やロングレンジ性能の後押しもあり、電気自動車を手に入れる大きなきっかけを与えてくれる1台になりうるのではないだろうか。

電気自動車としてではなく、1台のクルマとしての完成度が高いと思わせてくれたのも本当だ。

今回試乗したフル装備の最上級グレードとなるB7 Gも魅力的だが、コストパフォーマンス抜群、普段使いなら十分な航続距離を持つB5 X、一充電走行距離702km(WLTCモード)という新型リーフ最大のロングレンジを誇るB7 Xも”買い”だから、グレード選びは大いに悩めそうだ・・・。国からの補助金を差し引いた車両本体の実質負担金額はB7 Xが約390万円、B5 Xが約345万円である。

なお、新型リーフの概要、詳細については、すでに公開しているコチラの記事を参照していただきたい。

日産リーフ

文/青山尚暉
写真/青山尚暉 日産

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プロミュージシャンからいきなり自動車専門誌の編集者を経験した後、モータージャーナリストに。新車試乗記や自動車関連コラム、防災記事などを幅広い媒体で執筆。クルマのパッケージング、洗車”オタク”でもある。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動。愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿厳選紹介、ドッグフレンドリーカー選びについて多方面で情報発信中。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」(リヨン社刊)、「すごい海外旅行術」(講談社刊)、「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)など。輸入車の純正ペットアクセサリーの開発にも携わっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~。現在は小学館DIME推薦)。

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