2026年1月29日の日野自動車から始まった国内自動車メーカーの2025年4~12月期決算発表。今回は2月5日にスズキと三菱自動車、6日はトヨタとスバル、10日はマツダとホンダ、経営再建に揺れる日産は12日という日程だった。
そんな自動車業界の決算が重要視される理由としては、同業界が関連産業を含めると全産業の約1割の就業者を抱えており、経済波及効果が極めて高いことが挙げられる。さらに主要な外貨獲得産業であることや、販売台数や受注状況は景気動向を直接的に反映するものと考えられているからだ。
そんな自動車業界の2025年度4-12月期決算に関する分析リポートが三井住友DSアセットマネジメントから届いているので、概要をお伝えする。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
【ポイント1】政策影響で営業減益も収益はボトムアウトへ
自動車大手の25年度4-12月期決算では、全社営業減益となった。ハイブリッドを中心に、PHEV(プラグインハイブリッド)、BEV(バッテリー式電気自動車)など電動車の販売を伸ばしたトヨタと、インド市場が急回復したスズキは販売台数が増加。日本、中国を含むアジアの販売台数減少の影響が大きいホンダ、日産の販売台数は減少した。
営業損益面では、
(1)米国関税引き上げの影響、
(2)円高、部品や資材コストの上昇、
(3)品質費用、EV事業の事業再編コストのような一過性費用の発生、
(4)中国半導体輸出規制に伴う生産台数減少、
などから全社減益となった。
インドでは、9月22日から物品・サービス税が引き下げられることが決まり、4-9月期中に自動車の買い控えが発生していたようだ。引き下げ後の販売台数は急回復し、スズキの10-12月期の販売台数はプラスに転じた。
ベトナムでは、ハノイの大気汚染対策としてガソリン二輪車の乗り入れを禁止する規制が導入されることとなり、ガソリン二輪車の販売台数が急減した。ただし、規制の輪郭が明らかになると、安心感から販売台数の減少に歯止めがかかった。
規制に対して、ホンダはEV二輪車のラインアップを拡充して対応している。輸出規制の解除後も半導体の調達や自動車の増産には、各社、苦労しているようだ。
■ホンダ、日産は生産拠点の再編やEV販売戦略の見直しを実施
米国政府の関税や環境政策変更の影響を受け、ホンダ、日産は生産拠点の再編やEV販売戦略の見直しを行なっている。
日産は工場の再編に伴い、減損損失や従業員の特別退職加算金などの一過性の費用が発生することを公表した。現金支出は伴わないが、第4四半期にも特別損失として数千億円単位での費用を見込む。
ホンダは、4-12月期にEV関連の一過性費用として2671億円を計上。第4四半期にも追加の費用が発生する模様だ。ただし、2社ともに関税の引き上げの悪影響は、新車価格の引き上げや原価の削減などにより徐々に吸収されつつあり、一過性費用を除くと収益は底入れしたようだ。
一過性費用の発生が比較的少なかったトヨタの第3四半期の営業利益はほぼ横ばい。インド市場の急回復により、スズキは営業増益となった。来季、巨額の一過性費用がなくなれば、日産、ホンダの利益も急回復が見込まれる。

【ポイント2】グループ各社の業績は一過性の費用を除くと順調
トヨタグループ各社の25年度4-12月期決算では、
(1)トヨタの生産・販売台数が増加、
(2)ハイブリッド向けを中心に採算の良い製品の売上高構成の上昇、
(3)原材料コストの低下、
などを主要因に増益となる会社が大半だった。
ただし、品質費用、エンジン認証関連費用、新車立ち上げ費用が、想定以上に膨らんだ2社が営業利益減となっている。米国の追加関税に関しては、自動車メーカーに対する値上げが進展している。
期初の想定以上に原価改善の進展や円安の恩恵から、ジェイテクトと豊田合成が営業利益予想を引き上げた。デンソーは、売上高は予想以上に拡大する見込みだが、想定していなかった品質費用が発生。営業利益を下方修正した。
他のグループ会社は、4-12月期は順調としながらも、営業利益予想を据え置いている。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
構成/清水眞希







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