近年、少子高齢化や核家族化の進行により、家族との距離感や葬儀のあり方は大きく変化している。さらに、突然の別れによって十分な心の準備ができないまま最後を迎えるケースも少なくない。
一方で、映画や書籍、ドラマなど「別れ」をテーマにした作品が注目されるなど、「最後に何を残すのか」「何を伝えるべきだったのか」を見つめ直す空気が社会に広がっている。
こうした背景を受けて燦ホールディングスはこのほど、30代から60代の男女500名を対象に、「人生の最後と別れの際の思い」に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。
心の準備ができていても「心残りゼロ」はわずか4.4%、突然の別れを経験した人の約8割が強い後悔を抱える現実
「もう二度と会うことが叶わない方(故人)の中で、特に印象に残っている方」を聞いたところ、「親(父・母)」が53.0%と半数を超え、圧倒的に多い結果となった。以下「祖父母(20.4%)」、「友人(6.2%)」と続いた。
「その方との別れはどのような形でしたか」という問いに対し、「ある程度心の準備をしていたができていた」と回答した人は43.8%となった。一方で「ある程度想定はしていたが、突然だった(31.8%)」と「まったく予期していない別れだった(24.4%)」を合わせると、56.2%が、心の準備が整わないまま急な別れを迎えていることがわかった。
「その方との別れについて、心残りはありますか?」という設問では、「とてもある(31.2%)」「ある(44.4%)」を合わせて75.6%にのぼった。多くの人が、最後の瞬間に伝えたいことを伝えきれなかった、あるいは何かをしてあげたかったという想いを抱えている実態が浮き彫りとなった。
次のグラフでは、別れの状況(Q2)と心残りの有無(Q3)との関連性を明らかにするため、別れの状況別に心残りの度合いをクロス集計した結果を示している。
別れの状況と心残りの有無の相関関係をクロス集計で分析したところ、別れが突然であるほど「強い心残り」が残る傾向が明らかになった。「ある程度心の準備ができていた」と回答した人のうち、「まったく心残りがない」と答えた人はわずか 4.4% にとどまり、「とても心残りがある」と答えた人は 25.6% となった。
一方で、まったく予期していない別れを経験した人では、「とても心残りがある」と答えた割合が 36.9% にのぼり、準備ができていた人と比べて約11ポイント高い結果となった。
「ある程度心の準備ができていた」と回答した人のうち、「とても心残りがある」と答えた割合は25.6%であったのに対し、「まったく予期していない別れだった」場合は36.9%となり、突然の別れを経験した層の方が約11ポイント高い結果となっている。
さらに、「ある程度想定はしていたが、突然だった」「まったく予期していない別れだった」と回答した人のうち、「とても心残りがある」「心残りがある」と答えた人の割合はいずれも合計で約8割にのぼり、突然の別れや予期せぬ別れを経験した人ほど、強い心残りを抱えている実態が明らかになった。
一方で、「ある程度心の準備ができていた」場合であっても、「とても心残りがある」「心残りがある」と答えた人は約7割(69.9%)を占めており、別れの形にかかわらず、多くの人が悔いを残していることがわかる。
これらの結果から、別れは予期できたものであっても心残りを完全に残さずに終えることは難しく、特に突然の別れは、より深い後悔や未練を生みやすいことが示唆された。
6割以上が「伝えられなかった言葉がある」と回答。最も伝えたかった言葉の第1位は「ありがとう」
故人が生きている間や別れの際に、「伝えたかったが伝えられなかった言葉があるか」という問いに対し、66.4%が「ある」と回答した。「ある」と回答した人に、最も伝えたかった言葉に最も近いものを選んでもらったところ、1位は「ありがとう(56.3%)」と半数を超え、圧倒的な結果となった。以下、「言葉にすることができなかった(11.4%)」、「おつかれさまでした・よく頑張ったね(9.6%)」、「ごめんなさい(8.4%)」と続く。
多くの人が、最後の瞬間に感謝の気持ちを伝えたいと願いながらも、実際には心残りを抱えたまま別れを迎えている現状が浮き彫りとなった。
伝えられなかった理由の最多は「突然の別れで、伝える時間がなかった」
言葉を伝えられなかった理由のトップは「突然の別れで、伝える時間がなかった(52.1%)」となった。以下「まだ会えると思っていた(33.4%)」が続いており、別れの予感があってもなお、日常が続くという心理的な油断が言葉を遮る要因となっていることが推察される。
現在、別れを振り返って最も近い気持ちを聞いたところ、1位は「もっと言葉を交わせばよかった(34.8%)」、2位は「もっと一緒に過ごせばよかった(24.8%)」、3位は「きちんと向き合う時間を取ればよかった(15.8%) 」となった。合計すると7割以上の人が、コミュニケーションの時間そのものが不足していたことに悔いを感じている。
約7割が、人生の最後や別れについて普段から考えているという結果に
「人生の最後や、大切な人との別れについて、普段考えることはありますか」と質問したところ、「よく考える(16.4%)」、「たまに考える(53.4%)」となり、合計で69.8%が普段から考えていることが明らかになった。
次のグラフでは、心残りの有無(Q3)と、人生の最後や大切な人との別れ(Q8)について普段考える頻度との関連性を明らかにするため、別れの状況別に心残りの度合いをクロス集計した結果を示している。
過去の別れに対して「とても心残りがある」と回答した層では、「よく考える(38.5%)」と「たまに考える(45.5%)」を合わせ、実に84.0%にのぼる人が日常的に別れを意識していた。対照的に、「あまり心残りがあまりない」層では、日常的に考える割合は「よく考える(4.8%)」、「たまに考える(38.1%)」合計42.9%に留まり、約2倍の差が生じている。
このことから、別れに対する心残りの経験が、その後の人生において「別れ」や「最後」を意識するきっかけとなり、人生観や死生観の形成に強く影響している可能性が示唆される。
また、「もう二度と会うことがかなわない人に対して、今だからこそ伝えたいと思うことがあれば教えてください」と自由回答で聞いたところ、「私を愛してくれてありがとう。わたしもおばあちゃんが大好きです」「私を生んでくれてありがとう。大好きだよ。私のお母さんで良かったよ」「本当にありがとう。もっと一緒に片付けたり整理しとけばよかったね」「長い間、家族のために力を尽くしてくれてありがとう。そしておつかれさまでした。これからみんなで頑張っていくから、天国で見ていてください」といった声が寄せられ、大切な人への感謝の気持ちをまっすぐに言葉にする回答が数多く見られた。
一方で、「話をすることがあまり出来なかったが、とても心配していた事は伝えたかった」「もっと知りたいことがあったのに、聞けないままになってしまったことと、感謝の気持ちが言葉で伝えられなかったこと」「いろいろお世話になりながら何もできなかった。申し訳ありませんでした」「会話する機会を拒否してごめんなさい」「あまり喋る機会がなかったのでお互いに理解できなかった一緒に酒でも飲みたかったよ」といった声も多く見られ、想いはあったものの、十分なコミュニケーションを取れなかったことへの悔いが、別れのあとに強く残っている実態がうかがえる。
本調査で、私たちは「心残り」という、多くの方が口には出せない切実な想いに触れることとなった。別れは、どんなに準備をしていても、ある日予期せず訪れる。「まだ大丈夫」という気持ちが、伝えるべき言葉を後回しにしてしまうのかもしれない。感謝を伝えたいと願いながらも、実際には6割以上の人が「伝えられなかった言葉がある」と答え、その多くが今もなお、もっと言葉を交わせばよかったという想いを抱えている。
※燦ホールディングス「人生の最後と別れの際の思い」に関する意識調査より引用
<「人生の最後と別れの際の思い」概要>
調査期間:2026年1月16日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象者:全国の30歳~69歳の男女
回答者数:500名
調査主管:燦ホールディングス株式会社
※グラフ中の回答割合は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがある
出典元:燦ホールディングス株式会社
構成/こじへい







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