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重点製品を絞り込む「マス化製品」で勝負!ワークマンが挑む、攻めの看板商品戦略

2026.02.18

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

ワークマンの2026年春夏のラインナップ約500アイテムを揃えた発表会が開催された。

昨年から販売を開始し300万着が即完売した、業界最安値のリカバリーウェア「MEDiHEAL(メディヒール)」、寒さにも暑さにも強い同社独自素材の「XShelter(Xシェルター)」製品、機能性カジュアルの「ワークマンColors」など、注目の製品をピックアップする。

「メディヒール」に肌着も登場、断熱素材「Xシェルター」の暑熱対策アイテムも注目

〇「MEDiHEAL(メディヒール)」

第一弾の秋冬商戦に向けた生産分319万着、55億円が実質20日間で完売となり、ワークマンにとって空前のヒット製品となったリカバリーウェア「メディヒール」シリーズ。着用によって疲労回復効果が期待できる一般医療機器で、ルームウェアやパジャマとしての用途での需要が急拡大している中、業界最安値の低価格リカバリーウェアとして注目されている。

ワークマンではリカバリーウェアを2021年より販売を開始し、当初は作業者向けのコンプレッションウェアとして現場で働くワーカーが日常的に着用する、身体にぴったりとフィットする設計で開発され、発売当初から一定の人気を得て売上は着実に伸長してきた。

この数年、リカバリーウェア市場が活発化する中で、昨年登場した一般向けの低価格リカバリーウェア「メディヒール」は大きな反響を呼び、入手できないという声が殺到。そのため2026年は年間2100万枚の生産に踏み切り、備蓄倉庫を国内外の2段階で確保することで、品薄に対応する。

2026年春夏では、メディヒールドライの半袖シャツとハーフパンツがメンズ・レディスで登場。ソフトな肌触りとストレッチ性が特長のメンズ「ルーム半袖シャツ」「ルームハーフパンツ」は各1,290円(レディースは各1,490円)。

5月発売予定で、着心地の良いパイル地の「ルームパイル半袖シャツ」「ルームパイルハーフパンツ」は各1,590円(レディスは各1,490円)。

スポーツシーンや、ツーマイルウェアとして最適なメディヒール アクトシリーズは、「アクトフーディ」「アクトジョガーパンツ」(各2490円)、「アクトプルオーバー」(2,290円)。

4月に導入予定のインナーは今シーズンから新たに登場したアイテムで、疲労回復効果に加えて、吸水速乾機能が付いている。「メンズインナー半袖クルーネック」「メンズインナー半袖Vネック」「レディースインナー半袖Uネック」は各990円。

部屋着、ツーマイルウェア、肌着と、毎日着用することで24時間365日、疲労回復をサポートできるラインナップとなっている。また、2026年秋冬に向けてメディヒールのワークウェアとビジネススーツの展開を予定しているとのこと。

〇「XShelter(Xシェルター)」

Xシェルターは「ワークマン快適ワーク研究所」が独自開発した世界初の断熱素材で、厳しい気候の影響を最小限にして、衣服内の湿度を50%、温度を30℃~33℃に保つことで快適な衣服内環境を保つ。冬は断熱、夏は暑熱軽減、雨のときには超透放湿の機能を発揮する。

Xシェルターには、α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)の3つの生地タイプがあり、2026年春夏シーズンは暑熱機能を持つアウター用途に適した設計のα生地と、インナー用途に適した設計のβ生地を使用した「着る方が涼しい」暑熱対策品として展開する。

熱中症対策が法令で義務化されたことから、暑熱対策の製品は大きな需要が見込まれ、Xシェルター製品は、45℃の猛暑にも耐えられるワークウェア、暑熱対策のスーツジャケット、ブルゾン、長袖・半袖シャツ、T シャツ、ポンチョ、クライミングパンツ、半パン、インナー、キャップ、日傘、キッズまでカバーしている。

展示会場内には気化冷却、遮熱性、通気性、紫外線(UV)遮断などのXシェルターの機能を試せる実験が設けられた。紫外線遮断実験では、マネキンに紫外線感応紙を貼り、紫外線を照射することで、Xシェルター着用部分との違いを可視化してUVカット性能を示した。

作業服、スポーツ、カジュアルと幅広いカテゴリーにXシェルター素材は使われており、現在予約受付中の「Xシェルター暑熱αスーツジャケット」(3,900円)、「Xシェルター暑熱αスーツパンツ」(2,900円)といったビジネスシーンでも使える製品もある。

〇「Workman Colors(ワークマン・カラーズ)」メンズ製品

2025年春夏シーズンに「#ワークマン女子」から名称変更し、メンズカジュアルウェアの展開を強化する目的で始動したカジュアルウェアの新業態「ワークマン・カラーズ」。当初は「ワークマン・プラス」で扱っている製品を日常使いしやすいテイストで見せるなど、品揃えに重複が見られたが、ワークマン・カラーズでしか購入できない専売製品を段階的に拡充。2025年秋冬シーズンで約70アイテムだったものが、2026年春夏シーズンには100アイテムにまで増加し、現在では全体の半数以上が専売品となっている。

2026年春夏シーズンでは、これまでラインナップになかったデニムアイテムが新たに投入される。特に注目されるのが、1,590円という低価格を実現した「We MoveEストレッチジーンズ」。この価格は1,000店舗を超えるワークマングループ全体のスケールメリットを活かした大量生産によって可能となった。

デザイン面では、従来のワークマン・プラス製品に見られた特徴的なステッチや金属製ジップといった装飾を排し、「普段使いしづらい」という顧客の声に応えてシンプルなデザインに仕上げている。ポリウレタンを含むストレッチ素材を採用しており、デニム特有の窮屈さを解消。屈伸しても突っ張らない快適な履き心地を提供する。

ファッション性を重視する顧客向けに、綿100%の自然な風合いで経年変化も楽しめる「WE RUGGED」ジーンズを「レギュラーフィットジーンズ」「ワイドストレートジーンズ」の2種類で展開(各1,990円)。機能性とファッション性の両面から多様なニーズに応えるラインナップを構築している。

デニム製品に加えて、ベーシックウェアの強化策として、パッケージTシャツのパイオニアであるヘインズ社との共同開発による「ベーシッククルーネックTシャツ」(1,280円)も登場。生地の選定からフィット感に至るまで、一から共同開発したオリジナル製品となっている。

〇アニメ作品&侍ジャパン ワークマン限定アイテム

アニメ作品、侍ジャパンのワークマン限定アイテムが月ごとに登場。2月中旬から発売されているのが、第2期が放送開始したTVアニメ「葬送のフリーレン」ワークマン限定アイテム。2期でのメインキャストとなるフリーレン、フェルン、シュタルクと、ヒンメル、ミミックの「『葬送のフリーレン』第2期プリント半袖Tシャツ」(各980円)を展開。

(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

3月上旬より発売開始するのが、野球日本代表「侍ジャパン」のワークマン限定アイテム。「侍ジャパン 半袖Tシャツ」(1,280円)、「侍ジャパン ペットボトルホルダー」(1,900円)、「侍ジャパン折りたたみ傘」(1,900円)を発売。

4月下旬発売予定のワークマン限定アイテムは、アニメ『北斗の拳 –FIST OF THE NOERTH STAR-』。ケンシロウ、ラオウ、ジャギ、ユリアのキャラクターや名セリフが散りばめられた「『北斗の拳』プリント半袖Tシャツ」は980円。

(C)武論尊・原哲夫/コアミックス、「北斗の拳」製作委員会

5月下旬発売予定のワークマン限定アイテムは、TVアニメ『名探偵コナン』。「名探偵コナン」のスタイリッシュな世界観を、日常のコーディネートに取り入れやすいデザインへと落とし込んだ。

シーンを選ばず着用できる汎用性の高い「TV アニメ『名探偵コナン』プリント半袖T シャツ」(980円)、「TV アニメ『名探偵コナン』プリント半袖T シャツ KIDS」(780円)。

「TV アニメ『名探偵コナン』クールポンチョ」(1,900円)、「TV アニメ『名探偵コナン』ペットボトルホルダー」(1,780円)、「TV アニメ『名探偵コナン』折り畳みアンブレラ」(1,500円)といった、利便性も追求した多機能なアイテムも展開。

(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

【AJの読み】2026年の上半期は5アイテムのマス化製品で勝負をかける

ワークマンの新たな成長ビジョンの中核として、ワークマン 専務取締役 土屋哲雄氏から「マス化製品」が発表された。マス化製品とは、単一製品で全社売上の1割以上を占める製品を指し、こうした重点製品を5品目に絞り込むことで経営資源を集中させる戦略という戦略だ。この「一品大量販売」モデルにより、2028年3月期には対象製品群だけで全売上の5割を占めることを目指す。

マス化製品戦略を推進する中核製品は5アイテム。「メディヒール リカバリーウェア」はマス化製品の目標を最初に達成した製品。売上は350億円に達し、全社売上(約2000億円)の2割近くを占める。2100万着の販売が見込まれ、うち35%(122億円)をカラーズ店・女子店が担う計画。

「暑熱緩和猛暑対策」は、作業客向けに約1000億円の市場が形成されており「ファン付きウェア」や「半導体冷房服」といった製品でマス化を達成。子どものスポーツ応援や犬の散歩など、作業客向け以上のポテンシャルがあるとされる一般客向けの市場にも今後注力していく。

「Xシェルター」は“着る方が涼しい”というコンセプトで展開した製品で、夏物が63億円、冬物は昨年の2倍となる110億円の売上を記録し、マス化を達成。夏物は前年比8~10倍の成長を見せ、Tシャツから襟付きシャツまで製品ラインナップを拡充している。

「肌着」は登山時の汗冷えを防ぐ高機能素材「メリノウール」を使用した製品が一般客にも支持されており、今期の95億円でマス化を達成。来期140億円、2028年3月期には220億円へと成長する見込み。

「UVカットウェア」については、完全防備で顔まで隠せるUVパーカー、通称・不審者パーカーが話題を呼んだ。今後UV対策製品は時間をかけてマス化していくという。

「業界最大手はフリースやダウンといった特定製品で大きな成功を収め、在庫切れを起こさない体制を構築しています。これまでワークマンには明確な『看板製品』がなく、企業のイメージが分散していましたが、製品を絞り込むことで在庫切れを極力なくし、これらの製品群に注力することで、業界内での確固たる地位を築くことを目指していきます」(土屋氏)

取材・文/阿部純子

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