
PCが高くなっている。
それは、メモリからSSDに至るまであらゆるPC構成部品の価格が高騰しているからだ。この記事を書いている合間にも、値段が上がっているか高止まりしている状態だ。となると、PCの買い替えを考えている人はどうすればいいのか?
この記事では、メモリの話題を中心に今現在の状況を解説していきたい。というのも、PCは今「メモリの最低必要量」の過渡期を迎えているからだ。
メモリは「机の広さ」
まずは、PCにおけるメモリとは何か?
これには様々な方法のたとえがあるが、筆者個人が気に入っているのは「ビーズ編みの作業台」だ。
ビーズ編みをするのに使う作業台が目の前にある。この作業台の大きさ(机の広さ)がメモリ、引き出しのキャパシティーがストレージだ。引き出しがたくさんあれば、その分だけ多くの材料を収納することができる。が、机の部分が狭ければ一度にできることが限られてしまう。
凝ったビーズ編みを作ろうと思ったら、当然ながら机の広さと引き出しの多さを両立する必要がある。
PCの場合、用途がどうであろうと基本的には「常時マルチタスク」だ。筆者がこの記事を書いているPCを例に出せば、@DIMEとは別のメディアの編集部と連絡を取るためのDiscordを立ち上げ、アカウント毎のGoogle Chromeも複数立ち上げ、その中にいくつものタブを立ち上げ、さらにPhotoshopやゆっくりムービーメーカー4も立ち上げ……などとやっている。そのくせ、このPCのメモリは16GBしかない。故に、時たま動作が止まるか遅くなってしまう。
「16GBしかない」と書いたが、2024年あたりまではこれでもまだ十分だった。
しかし、今は事情が全く異なる。
数年前までは「最低8GB」だったが…

2022年3月17日に日本経済新聞電子版が配信した『Windows 10を最後まで使うには メモリーは最低8GB』という記事がある。
これは、2025年10月のWindows10のサポート終了を見据えた内容だ。つまり、Win10のPCをあと3年6ヶ月何とか使うためにはメモリはどれだけ必要か? ということを述べているのだ。
パソコンのメモリーはいわばCPUの作業台で、作業台が広いほど(メモリーが多いほど)作業効率が上がる。メモリーが不足すると、作業中のデータのうち利用頻度の低いものを内蔵ストレージに退避させる「スワップ」という動作が発生する。スワップが多発すると、ストレージの読み書きが増加してパソコンの体感速度は極端に遅くなる。これを防ぐにはメモリーの増設が手っ取り早い。
10を満足に動かすには最低でも8GB、余裕を持って16GBあるとよい。
(Windows 10を最後まで使うには メモリーは最低8GB 日本経済新聞電子版)
上の筆者の文章と全く同じたとえが出ているのは偶然である。それはともかく、2022年当時はまだ「メモリは最低8GB」という常識が通用していた。では、今はどうか。残念ながら、8GBでは全く足りなくなってきている。
大企業や大手IT企業では、去年あたりから8GBメモリの社用PCの更新が実施されている模様だ。24GBもしくは32GBの新型に置き換わっているとのことだが、それは言い換えるとメモリ16GBは「最低限度のスペック」になってしまったという意味でもある。今使っている16GB機は、メモリスロットに空きがある場合は増設し、そうでない場合はより容量の大きいものに交換する。それができれば、PCの大幅延命を図れるわけだが……2025年末からメモリの価格が急高騰し、今はそれが高止まりの状態になっている。
なぜ、こんなことになってしまったのか?
メモリ価格高騰の原因は?
メモリ価格高騰の主原因として言われているのは、「AIの影響」である。
GoogleやMicrosoftといったITジャイアンツがクラウド型AIプラットフォームを運営するには、データセンターと呼ばれる施設が必要不可欠。となると、このデータセンターで使うメモリが必要になる。半導体メーカーはデータセンター向けの半導体製品の生産に注力するようになるのだが、その一方で個人向け製品の生産が犠牲になってしまう。
メーカーは、より利ザヤの稼げるほうに意識を向けている。
その上で、最近ではSSD即ちストレージの高騰も始まっている。こうした背景から、PCメーカーの間では「メモリ8GBへの回帰」の動きもあるという。「今では8GBでは足りなくなってきている」と上述した手前、このようなことを解説するのは矛盾の足枷を自分ではめるようなものではあるが——―。
一市民に過ぎない我々ができることは、極力早いタイミングで「16GBを卒業する」という判断である。
今後はしばらく「高止まり」か
残念ながら、投資家も調査会社も「2026年の個人向けメモリ価格は上昇するか、高止まりし続ける」という見解でほぼ一致している。少なくとも、「メモリ価格は以前の水準に戻る」と推測する意見はほぼ見かけない。
2月4日に行われた任天堂の2026年3月期第3四半期決算説明会の質疑応答では、メモリ価格高騰に端を発するNintendo Switch2の価格改定の可能性を問う質問が相次いだ。幸いにも、Nintendo Switch2の価格改定は予定されていないというが、経済記者やテクノロジー記者、そしてゲームニュース記者までもが「メモリ問題」に傾注している点は大いに参考にすべきだ。
メモリに限らず、半導体製品の値段が下がる可能性は当分見込めない……と考えるべきだろう。
そうなると、PCの買い替えにしろメモリ増設にしろ「訪れた機会は逃すな」という結論にどうしてもなってしまう。
もしも「これは買いだ!」と目星をつけているPCがあれば、極力躊躇わずに買ってしまうことをお勧めする。
【参考】
Windows 10を最後まで使うには メモリーは最低8GB 日本経済新聞電子版
文/澤田真一
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