色、素材、かたち……小学校生活に欠かせないランドセルは、年々多様化している。その一つがコロナ禍以降に登場した「セカンドランドセル」だ。
セカンドランドセルとは、その名の通り2個目のランドセルのこと。つまり〝買い足す〟ためのランドセルだ。
ランドセルを買い足す!? ランドセルって6年間大切に使うものではないのか?
そこで「親子で使える」というコンセプトのもとセカンドランドセル「ガジェタブルU」を発売した、日本の老舗バッグメーカー『エース株式会社』に直撃。セカンドランドセルの今を探るとともに、「ガジェタブルU」の背負い心地を試してみた。親子で使えるって、ほんと?
子どもたちの変化するライフスタイルに合わせた新しいランドセル
お話しを伺ったのは、自身も子育て中の母であり、「ガジェタブルU」を手がけた『エース株式会社』MD本部MD統括部 サブマネージャー・橋本祐佳さんだ。そもそもセカンドランドセルが登場したのは、コロナ禍がきっかけだという。
「コロナ禍でタブレット学習が一般的になりました。また時代とともに共働き世帯が一般的になり、学童保育や塾、習い事などへ直行するお子さんも増え、放課後の過ごし方が多様化しつつあります。そのため、学用品プラスαの持ち物も増え、ランドセルの中身は大人化しています。
持ち物が増えたことで、毎日背負うランドセルが重くなり、子どもの体にかかる負荷も増えました。そんな子どもたちの負担を軽くしてあげたいと思う親御さんに応えるかたちで登場したのが、〝買い足し〟需要に応えたセカンドランドセルです」(以下「」内、全て『エース株式会社』MD本部MD統括部 サブマネージャー・橋本祐佳さん)

ランドセルを買い足すという発想にまず驚くのだが、「ランリュック」とは何がちがうのか?
「ランリュックは、ランドセルの機能性とリュックの軽さなどを兼ね備えたもの。アウトドアメーカー『mont-bell(モンベル)』さんの『わんパック』など、さまざまなメーカーさんが手がけていますよね。今では最初に買うランドセルとして取り入れるご家庭も増えているようです。

何がちがうかといえば、『ガジェタブルU』でいえば6年間一緒に歩むというよりも、今をもっと快適にするという発想。今使っているランドセルが硬い、重い、使いにくいなどといった、お子さん自身が不満をもっている場合の一つの選択肢になればと考えています。つまり、2年生以上のお子さんが『わたしは(ぼくは)これがいい!』とみずから選びたくなるような存在がセカンドランドセルだと、私たちは考えています」
累計売り上げ数50万個「ガジェタブル」をベースにしたワケ
「ガジェタブルU」のベースは、2018年に発売した大人用の通勤リュック「ガジェタブル」だ。同商品は、シリーズ累計54万個(2026年1月現在)も売り上げているヒット商品。決して大げさではなく、今の『エース』を代表する商品である。

「ガジェタブル」をべースにした理由は、大きく2つあるそうだ。
一つは、ビジネスパーソン向けながら、子どもにとっても便利な機能をたくさん搭載していること。もう一つは、親世代の信頼を得るためだ。
「セカンドランドセルは、まだまだメジャーではありません。市場を見渡すと、スタートアップが手がけているケースが多く、これらは素材を変えて軽量化することが主な目的になっているように感じます。だからランドセルの古き良き形はそのままに、素材を化繊にしているものがほとんど。
大人の通勤リュックは年々バージョンアップしているのに、ランドセルは〝あの形〟のままでいいのだろうか?いまの子どものライフスタイルに合わせたものを開発できないか?と考えました。

その中で行き着いたのは、ランドセルのイメージを司っているともいえる被せ(かぶせ)は不要という考えです。
被せはランドセルの蓋ですが、本体に対して生地のボリュームが多くて重い。一方で、被せがついていることでランドセルらしい見た目になるので、被せがなくなると手を出しにくい親御さんが増えるのでは?という懸念もありました。でもわれわれは、被せをとったうえで親御さんのご理解を得たい。万が一お子さんになじまなくても、ママやパパが『自分も使えるからトライしてみよう』と思っていただけるように、ビジネスパーソンに知名度がある『ガジェタブル』をベースにしたユニバーサルデザインにしました」
子どもの移動を考え抜いた「ガジェタブルU」を使ってみた!
いよいよ背負ってみる!その前に、まずは「ガジェタブルU」のスペックをチェック。

「ガジェタブルU」は、用途や年齢に応じて選べる「大」「中」「小」の3サイズ。小学生向けは「小」サイズで、容量は13〜17L、重量は940g。一般的なランドセルは軽量な人口皮革でも1,000〜1,200gほどあるため、重さの負担はやや軽いといえる。
また、「中」と「大」は中高生から大人まで使えるサイズ感だ。なお、「中」サイズの容量は15〜20L、重量は1020g、「大」サイズの容量は19〜23L、重量は1110g。通勤リュックと考えれば標準的な容量と重量ではないだろうか。
カラーは「小」が6色(ラベンダー、ロゼピンク、キャンディソーダ、サンドベージュ、ダークグレー、ブラック)、「中」と「大」はベーシックな3色(サンドベージュ、ダークグレー、ブラック)をラインナップ。体型や用途、好みに応じて選びやすいバリエーションとなっている。

橋本さんに伺ったところ、「『小』は小学生向けのサイズですが、大人の方でも問題なく使っていただけますよ」とのこと。
筆者は159cm、標準的な体型のアラフォー女性である。忖度なしに、その機能をチェックしつつ背負ってみたところ……万が一、買い与えた子どもが「もう使わない」と言ったら、大喜びで自分のものにするだろうと感じた。







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