海外旅行で最もネックになる費用、それは「渡航費」ではないか。もちろん、そのあたりは人にもよるが。
渡航費を安くする、即ち航空券代を安くする最も確実な方法は「経由便を選ぶ」ということ。目的地までどうしても時間がかかってしまうが、それでも航空券代をできるだけセーブしたいという人は経由便で移動するのが吉。
が、日本在住者の場合はそうした手段を選ぶと高確率で「中国を経由」ということになる。
これが数時間だけの滞在なら問題ないが、12時間以上となると中国へ一度入国し、現地のホテルで1泊しなければならないだろう。
中国での乗り継ぎのための1泊。これはハードルが高いのではないか?
2,000円台でビジネスホテル並みの部屋
日中関係がキナ臭くなっている、と言われている。
@DIMEは政治メディアではないため、この問題について筆者がここで深堀りすることはない。しかし、日本と中国の間には国交があり、そこではSNSでは絶対に話題にならないような細かい交渉が絶え間なく行われている事実には言及する必要がある。その交渉の成果の一つが、「日本国民に対する一般旅券保持者のビザ免除措置の延長」だ。去年11月、中国政府は日本人の「ノービザ入国」措置期限を2026年12月31日まで延長する決定を下した。
このノービザ入国措置が設けられる以前にもトランジット目的の入国者に対するビザ免除の仕組みは存在した。しかし、中国政府が本格的なノービザ入国を認めることで、トランジット旅行者にとっての心理的ハードルが大きく軽減されたことは間違いない。
そして、中国の国際空港の周辺にあるホテルは、2026年の今でも決して高価ではないことを強調しておきたい。
筆者がAgodaで調べてみると、上海浦東国際空港の周辺にあるホテルは最安値が日本円で2,000円台。もっともこれは春節前の2月初旬の価格で、長期休暇シーズンになると高くなってしまう可能性がある。が、2,000円台のホテルでもそれはカプセルホテルやユースホステルという類のものではなく、写真を見る限りダブルベッドやテレビが設置されている、ビジネスホテル然とした個室だったりするのだ。もちろん、バスルームは共用ではなくちゃんと室内にある。
翻訳アプリがあれば快適に旅行できる!
さて、筆者は12月にタイに渡航する機会に恵まれた。
このタイ旅行は、中国・昆明を経由する旅行だった。昆明ではスケジュール上、どうしても1泊しなければならず、長水国際空港の周辺にあるホテルをAgodaで事前に予約し、そこに宿泊したのだ。利用したキャリアは中国東方航空である。
空港からホテルまでの移動は、空港の出口でタクシーを手配。ただし、これは後から聞いた話ではAgoda経由で要望を出していれば、ホテル側で無料の送迎車を用意できたそう。実際、翌日のホテルから空港までの車は無料だった。タクシーの運転手、そしてホテルのスタッフは英語ができなかったが、その辺はスマホの翻訳アプリを使って問題解決。そして、短い滞在ではあったが不満点は一切なく、筆者と関わった人は全員親切だったことを書いておかねばならない。
唯一、ホテルのロビーに設置の冷蔵庫から飲み物を取り出して買おうとした時(この冷蔵庫は自販機のような機能を有している)、AliPayのコード決済にしか対応していなかった点で難儀してしまった。中国は今や、日本以上にキャッシュレス決済の普及が進んでいる。このような細かい場面でも……いや、細かい場面だからこそ、防犯の意味も兼ねてキャッシュレス決済を導入しようという考えが徹底しているのだ。日本とは発想の源泉そのものがまるで異なると言っていいだろう。
そうした中国の今を垣間見ることもでき、今回の旅行は非常に有意義だったと感じている。そして、中国を経由した海外旅行は決してハードルが高いものではなく、「旅行難易度」で言えばむしろ低いほうではないかとも思える。ただし、上述のように翻訳アプリは必須だ。
現代に必須の「個人旅行を組み立てる技術」
そうした要素を鑑みた上でさらに広い視野に立てば、中国諸都市を経由地として利用するだけで、旅行費用を大幅に安く抑えられる可能性があるのだ。
日本からタイへの旅行は尚更だ。今回渡航した昆明がどこにあるか、読者の皆様にはGoogleマップで調べていただきたい。まさに「東南アジアへの入口」という位置にある。ここからラオス北部の山岳地帯を見下ろしながらバンコクへ移動するのだ。中国のキャリアを使ったタイ旅行を選ぶとしたら、「昆明での1泊」はかなりの高確率でスケジュールに組み込まれていくはず。
もっとも、単純に「経由便を選んだから」という理由で総額としての旅行費用が安くなるとも限らない。航空券代が安くなろうとも、経由地での宿泊費との合算を考えればあまり安くならない、むしろ高くなってしまった……という可能性も考えられる。
要は、「旅行の計画を立てる」というのも一つのスキルであり、それを身に着けておいて損はないということだ。
かつて、日本人の海外旅行といえばジャルパックのようなパッケージツアーが主流だった。個人旅行もなかったわけではないが、それはバックパッカーのような「アングラな若者」がやる行為。高度経済成長期からバブル期にかけて、日本人に「人生初めての海外旅行」を広く提供したのはパッケージツアーを取り扱う航空会社もしくは旅行会社である。
しかし、それも今や昔の話。インターネットという文明の利器が登場してから、海外旅行の一切のスケジュールを自分自身で設定することが「当然」となった。
が、それ故に「個人旅行を組み立てる技術」が何かとモノを言う時代になってしまったとも言える。
文/澤田真一
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