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カレーで物価がわかる!?話題の最強指標「カレーライス物価」って何?

2026.02.05

物価高だと言われることが増えた。実際にスーパーで買い物をしていると、以前より値段が上がっていると感じる場面は少なくない。

ただ、その変化を「どれくらいなのか」と聞かれると、途端に言葉に詰まってしまう。

何が、どの程度、どれくらい上がったのか。物価の変化をひとつの数字で捉えるのは、思った以上に難しい。

何せ、極端に値上がりしたものもあれば、それほどでもないものもある。中には値下がりしているものもあるかもしれない。各家庭によって買うものも微妙に違う。

そんな中で、Big Mac Index(世界共通の商品であるマクドナルドの『ビッグマック』の価格から、各国の物価水準を比べる指標)のように、身近な食べ物を物価の指標として捉える考え方がある。

国内では、調査会社やシンクタンクのレポートなどで、「カレーライス」がその例として用いられることがある。なるほど、カレーライスなら、多くの家庭で作られている。身近で、材料も思い浮かべやすい。

今回は、「カレーライス」を物価の〝ものさし〟にするという、そんな考え方を紹介したい。

帝国データバンクが示す「カレーライス物価」とは?

カレーライスを指標にしている代表的な事例として、帝国データバンクが毎月公表している「カレーライス物価」(https://www.tdb.co.jp/report/industry/260109-curry25y11/)が挙げられる。

帝国データバンクでは、家庭で作る一般的なカレーライス1食分を想定し、その材料費と調理にかかる水道光熱費を積み上げる形で独自に「カレーライス物価」を算出している。

想定されている主な材料は、米、肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、カレールウなどだ。多くの家庭で使われるであろう食材に絞っている点も特徴のひとつで、ビーフカレー(輸入・国産)、ポークカレー(輸入・国産)、チキンカレー、シーフードカレー、野菜カレーの5種類・7メニューの平均値が用いられている。

各食材については、総務省の小売物価統計調査(https://www.stat.go.jp/data/kouri/index.html)で公表されている価格データをもとに一定量あたりの金額を算出し、それらを合計することで「カレーライス1皿あたりの金額」を導き出す。

2025年11月分の調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001235.000043465.html)では、カレーライス1食は前年同月の320円から365円となっていて、「米、野菜類、各種原材料の価格上昇を背景に上昇した」とされている。

CAP:帝国データバンクが発表している「カレーライス物価」と「カレーライス物価指数」の変化のグラフ

カレーライス物価でなければならない理由

ではなぜ、物価の指標はカレーライスなのか。

身近な家庭料理であることは理由のひとつだが、それだけではない。カレーライスには、物価の動きを指標として捉えるうえで、都合のいい条件がそろっている。

■ラーメン物価ではダメな理由

例えば、日本の国民食と言えばラーメン。知名度も高く、食べる人の数も多い。ただ、ラーメンは外食で食べることが多く、家庭で作る場合でも、スープや具材の組み合わせは店や家庭によって大きく異なる。「標準的な一杯」を想定するのは、意外と難しい。

■寿司物価もこれまたダメな理由

寿司もまた、国民的な料理のひとつだが、外食や中食が中心で、価格帯の幅も大きい。日々の生活への影響を測る指標としては、やや扱いにくい。

■おにぎり物価も卵料理物価もダメ!

家庭で作る国民食というと、おにぎりや卵料理を思い浮かべる人もいるだろう。ただ、おにぎりは具の種類が多く、何を基準にするかで価格の捉え方が変わってしまう。卵料理は逆に、使う食材がシンプルすぎて、物価全体の動きを映す指標としては情報量が少ない。

■やっぱりカレーライス物価しかない

その点、米、肉、野菜、ルウと使われる材料が比較的はっきりしている。そのため、「家で作る料理」として、誰もが具体的に思い浮かべやすい。価格の変化を要素ごとに分けて考えやすい点も、指標として扱いやすい理由だ。

さらに、調理の過程で水道光熱費がかかる点も見逃せない。食材だけでなく、家庭での「作るコスト」まで含めて捉えられるのも、指標として扱いやすい理由のひとつだ。

つまりカレーライスは、身近な料理であるだけでなく、材料の幅や調理の手間といった点でも、物価の変化を映しやすい要素を多く備えている。

1967年生まれ。有明海の潮の満ち引きとともに育ち、大学では西洋史を専攻。なぜか秘書室で2年間を過ごしたのち、建築関係雑誌で記者デビュー。その後はインターネット関連企業で企画を経験し、現在はフリーライターとして歴史・建築・美術・地図を中心に執筆している。運動音痴であるにもかかわらず、ラグビー観戦に夢中で、年間20試合以上をスタジアムで応援するのがライフワーク。

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