今年は例年より早くインフルエンザの感染が拡大し、先日は感染が拡大し、警報レベルに達した。そんな今年の冬は感染予防のために、あらゆる対策を行いたいものだ。
今回は内科医・血液専門医の久住英二氏に感染予防の基本から、近年注目のインターバル速歩のおすすめのやり方まで聞いた。
インフルエンザの感染予防の基本
まずは基本の予防策から確認しておこう。
【取材協力】
久住英二氏
内科医・血液専門医
立川パークスクリニック院長。1999年新潟大学医学部卒業。内科医、とくに血液内科と旅行医学が専門。虎の門病院で初期研修ののち、白血病など血液のがんを治療する専門医を取得。血液の病気をはじめ、感染症やワクチン、海外での病気にも詳しい。
「飛沫感染と接触感染の両方のリスクを意識して、基本対策を怠らないことが重要です。マスクをする、手洗い・うがいを徹底する、アルコール消毒をこまめに行いましょう。栄養面では、免疫バランスのために次のものを意識すると良いでしょう」
・タウリン:イカ、タコ、牡蠣などの魚介類に多い。免疫細胞が集まる腸の働きをサポート。
・食物繊維:腸内の細菌バランスを整える。特にりんごやバナナなどの水溶性食物繊維がおすすめ。
・ビタミンB群:糖・脂質・たんぱく質の代謝を促し、免疫細胞が活動するためのエネルギーを供給する。
・タンパク質:免疫細胞や抗体を作る主原料。卵、鶏ささみ・むね肉、タラ・ヒラメなどの白身魚、豆腐など油を控えた調理で消化に負担をかけない形で摂取を。
●隠れインフルエンザにも注意
ところで、風邪だと思ったらインフルエンザだったというケースもあるという。それを「隠れインフルエンザ」と呼ぶらしい。
「隠れインフルエンザは、熱がないか、あっても38℃を超えないような、普通の風邪と見分けがつきにくいインフルエンザの俗称です。一般的な風邪は、のどの痛みや鼻水・くしゃみなど局所の症状が中心で、全身のだるさは比較的軽めです。
一方、インフルエンザは、熱がそれほど高くなくても、急な悪寒、強い倦怠感、筋肉痛・関節痛、頭痛など『全身がダメージ受けた感じ』が強く出るのが特徴です。しかしながら、毎日のように診療している私でも、症状だけでインフルエンザと風邪を見分けることは困難です
。流行期に何らかの風邪症状のある人は、インフルエンザやコロナを念頭に、学校や会社を早めに休むなどの対策が望ましいです」
インターバル速歩はインフルエンザ予防におすすめ
ところで久住氏は軽い運動をすることで、血流を促し、筋肉などに疲労物質を滞留させないことも免疫バランスの維持に役立つという。
「中等度の運動、つまり息があがってくる程度の運動を週に150分(2時間30分)程度行うのが免疫バランスの維持に理想の運動量とされています。日本の信州大学の研究チーム発祥の “Japanese walking”といわれるウォーキング手法は有効であると世界的にもいわれています」
この信州大学のインターバル速歩が紹介された海外におけるTikTokの投稿がバズったことを受け、2025年7月に米国Washington Post紙で“Japanese walking”として紹介されたという(信州大学公式サイトより)。
●インターバル速歩(Japanese walking)
1.ややきつく感じる早歩きを3分間行う。
2.ゆっくりしたペースで3分歩く。
1と2を1セットとして、5セット(30分間)毎日行う。
「“Japanese walking”のようなインターバル速歩は、短時間で「中~高強度」の運動量を稼げるのが強みです。インターバル速歩は血流を高め、筋肉から分泌されるマイオカインが慢性炎症を抑える方向に働きます。
また、適度な疲労で睡眠の質も上がり、自律神経とホルモンのリズムが整うことで、免疫バランス維持と感染症に負けにくい体づくりの両方に寄与すると考えられます」
週150分を超える運動の影響
ところで、運動好きな人は週に150分を超えることもあるだろう。免疫にはどんな影響があるのだろうか。
「最近の大規模研究では、週に150分を超え、約300~599分の適度な運動を行うことは、より死亡・心血管病のリスクがさらに下がることが分かりました」
●適度な運動
・ウォーキング
・ウェイトリフティング
・ウォーターエアロビクス
・ダンス(社交ダンス程度の強さ)
・ガーデニング
・テニス(ダブルス)
・時速15キロより遅いサイクリング
など
「ただし、急に運動量を増やすことや、マラソンなど極端な持久系トレーニングを行うことは、ケガや一時的な免疫低下のリスクがあります。特に持病のある方や高齢の方は週150分を目安に、体調を見ながら少しずつ増やすほうが安全です」
寒くて外に出たくないときにおすすめの宅トレ
一方で、これからの季節、寒さで外に出たくないシーンもあるだろう。そんなときにおすすめの宅トレは?
「室内でできるHIIT(高強度インターバルトレーニング)がおすすめです。
例として、ジャンピングジャック・その場ダッシュ・もも上げ・スクワットなどを『30秒全力で行う→30秒ゆっくり歩く/休む』を1セットとし、10セットで合計約10分程度行います。これだけでも心肺機能をしっかり刺激できます。
息が弾むけれど、ギリギリ会話できる強度を目安に、転倒しないスペースを確保して、最初は5分くらいから始め、徐々に時間と強度を上げると、免疫維持に役立つ運動量を安全に確保できます」
適度な運動は免疫維持のために、インフルエンザはもちろん、コロナや風邪予防にも有効だ。基本の感染対策を怠らないのはもちろんのこと、栄養素も意識しながら、寒い時期だからこそ活発に活動して強いカラダを作ろう。
取材・文/石原亜香利
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