都市に溶け込みながら、週末には自然へと向かう。
そんな現代のライフスタイルに寄り添うモデルとして、フルモデルチェンジを果たしたジープの新型「Compass」が登場した。今回は日本導入に先駆け、元気ハツラツ、“Hawaii”イエローの「Compass」でスペイン・バルセロナの市街地から郊外は、ワインディングロードはもちろんラフロードも走行した。“走破性”というジープのDNAに快適性と先進のテクノロジーを融合させた新型「Compass」の進化を体感する機会を得た。
新型「Compass」は、ヨーロッパで設計・開発されたミドルサイズのSUV。アイコニックなJジープデザインを受け継ぎながら、より洗練されたプロポーションと空力性能を手に入れている。新型のボディサイズは全長4552mm×全幅1819mm×全高1641mm。既存モデルに対して、全長が+148mm、全幅は+85mm、全高は+11mmとなっている。
これはVW「ティグアン」やマツダ「CX-5」くらいのサイズ。新型「Compass」はさらにホイールベースも159mm延びたおかげで、後席のレッグルーム(+20mm)やラゲージ(+45L=550L)も拡大するなど、日常の買い物からアウトドアドアの積載まで、シーンを選ばず、実用性がアップしている。
先進装備とデザインがハイレベルで組み合わさった最新モデル
外観デザインだが、既存モデルの角を丸めた塊感のあるフォルムから、直線的かつエッジを効かせたテイストに進化。ただし、お馴染みの7スロットフロントグリルや台形ホイールアーチ、車両感覚が把握しやすいボンネット形状などは引き継がれ、一目でジープファミリーであること、さらにグリルやリヤのJeepロゴが光る加飾も最新モデルらしく、洗練されている。
また、ジープらしさ、つまりオフロード走破性を強化した点として、先進運転安全システムに関わるレーダーやカメラなどをこれまでより高く7スロットルフリルの裏側に配置されたことが挙げられる。岩などから高価な部品を守る配慮が施されているのだ。同様の発想から他にもボディの下方周囲は、未塗装の樹脂パーツでデザインし、できるだけ塗装面をスクラッチから守るジープらしいアイデアが採り入れられてる。
車内に乗り込むと、その進化は明確だった。まず、室内空間がより広く感じられる。そしてコクピット周辺の景色が違う。水平基調が強まったコックピットは、整然と仕上がり視覚的にもより広さを感じやすい印象だ。メーターやセンターモニターをフルデジタル化(よく使うメニューはモニター下に並べられダイレクト操作が可能)し、ステアリングホイールも上部と下部がフラットな形状を採用し実用性(前方視界の抜けが良くなるなど)はもちろん、デザイン面でも統一感が生まれていた。
そんな空間の収納スペースも大幅に増えているそうだ。また新型「Compass」ではシフト“レバー”をやめ、ロータリシフトに変更。その隣には、セレクテレイン・ボタン(唯一の赤色パーツ!)を新たに採用することでフロントシート周辺の凹凸がスッキリと整えられている。セレクテレインシステムはドライブモード切り替えのジープの名称で、街中から雪道、未舗装路まで様々な路面状況に柔軟に対応、クルマが環境に合わせて最適な制御を行うことでドライバーは安心して運転に集中できる。操作系は直感的で物理スイッチを効果的に残した設計がJeepらしい“使う楽しさ”を感じさせてくれる。
卓越した操縦安定性
走りの質感も大きく進化していた。新設計のサスペンションにより、地上高200mmを確保しながら、舗装路では驚くほど穏やかで安定した乗り心地を実現。静粛性も向上し車内は落ち着いた上質な空間に仕上がっていた。ステアリングフィールはドイツ車系のスポーツを意識したカチッとした操舵感より少し緩いという印象だった。というのも、ジープはオフロード走破性と操縦安定性も柔軟でなければならない。今回もバルセロナの郊外でかなり荒れたラフロードをしばらく走った。車体は大揺れながら、乗り心地も操縦安定性にも不安はなく冒険気分で楽しめた。ちなみに渡河能力の470mmは自然災害の多い日本では心強い。
日本に導入される予定のパワーユニットは、1.2Lターボエンジンにモーターと6速デュアルクラッチを組み合わせたマイルドハイブリッド(145ps/230Nm)。がジープ所属するステランティスグループでは近年の最新モデルの搭載の主力のユニットになる。今回は大人3名乗車で様々なシーンを走らせたが、モーターのアシスト“力”と“瞬時に適切なアシストを行う”レスポンス”を人知れず行う能力の秀逸さもあってか、一度も性能に不満を抱くことはなかった。
日本市場の導入時期は2026年内の予定。新型「Compass」は、単なるSUVではない。ジープの伝統と誇りを日常で味わえる多用途/多機能性がバランス良く底上げされ、都会と自然、日常と冒険をシームレスにつなぐ、自由なライフスタイルを後押ししてくれる相棒になりそうだ。
■関連情報
https://www.jeep-japan.com/
取材・文/飯田裕子(モータージャーナリスト)







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