
スマホの世界には、ハイエンドモデルやフラッグシップモデルと呼ばれる、最新技術、性能を搭載した上位モデルが存在するが、中でも特定のニーズに特化した〝尖った〟端末もある。
「REDMAGIC 11 Pro」は、スマホゲームをプレイすることに焦点を当てた、ゲーミングスマートフォンとして、シリーズの特徴である空冷ファンだけでなく、世界初の水冷システムを搭載した。カメラやAI機能に注力するスマホが多い中で、ゲーミングブランドであるREDMAGICとしての強みをさらに強化したような端末だ。
ゲーム機能特化の超強力スマホ「REDMAGIC 11 Pro」
ゲーミングブランドの最新スマホというだけあり、快適にゲームアプリをプレイするための工夫が多様にちりばめられているのがREDMAGIC 11 Proの特徴。1つずつ紐解いていこう。
■世界初の水冷システム×空冷ファンを搭載
REDMAGIC 11 Pro最大の特徴は、水冷と空冷を組み合わせた「AquaCore冷却システム」にある。ちなみに、水冷システムを搭載したスマホは世界初となる。
本体背面には、円形の独特なデザインが見て取れる。ここに液体が循環するシステムが組み込まれており、発熱部から熱を効率よく移動させ、24000rpmの高速空冷ファンより逃がすという構造になる。
こだわられた排熱機構はこれだけでなく、超大型の複合液体金属3Dベイパーチャンバーも内蔵されている。熱を逃がすための構造が、これでもかと組み合わされたスマホというわけだ。
スマホには、本体が高温になっていくと、動作周波数を下げて熱を抑制する仕組みが入っている。これにより、ゲーム中に動作が鈍くなってしまったり、カメラアプリが起動しなくなってしまうことがある。
REDMAGIC 11 Proでは、排熱に力を入れることで、スマホの負荷が大きいシーンでも熱をうまく逃がし、ハイパフォーマンスを維持できるようになっている。長時間アプリゲームをプレイしたいという人には、願ってもない性能だ。
実際にアプリゲームをいくつかプレイしているが、本体の熱上昇はかなり緩やかで、他社ハイエンドモデルと比べても圧倒的な排熱性能だと感じる。よほどヘビーなタイトルでない限り、熱さを感じることすらないレベルだ。おかげで動きが鈍くなるシーンも見られず、安定して滑らかに動作する。
空冷ファンを動作させると、小型扇風機のような音がしっかりと聞こえるため、屋外での使用は多少はばかられるが、ファンをつけずに使用していてもかなりの排熱性能があるため、使い勝手への影響はあまり感じていない。
■ゲームプレイに最適な高性能大画面ディスプレイ
ディスプレイは6.85インチの大画面有機ELで、解像度は2688×1216。最大144Hzのリフレッシュレート、最大3000Hzの瞬間タッチサンプリングレートに対応に対応しており、スムーズな動きができる。ゲームがプレイしやすい、フラットなディスプレイとなっており、角のあるデザインから醸し出される〝ガジェット感〟がいい。
特に注目なのは、インカメラが視認できない「UDC」となっている点だろう。REDMAGICシリーズ、およびnubiaのスマホではお馴染みのインカメラだが、アプリゲームをプレイするうえで、画面の欠けがない状態で映像を映し出せるのが魅力。特に近年は、グラフィックに注力したゲームも多いため、インカメラの浸食で迫力が損なわれてしまう〝もったいなさ〟がないのがうれしい。
UDCに加え、非常に細いベゼルを採用することで、画面占有率は95.30%と高い。画面が大きいため、片手での操作が難しく、SNSやメールなどをする際には使いにくさを感じることもあるが、ここはゲームプレイの快適さとトレードオフになる。
■側面にはショルダートリガー搭載でコントローラーのようなゲーム体験が可能
本体右側面には、「ショルダートリガー」と呼ばれるセンサーが搭載される。いわば、コントローラーのL/Rボタンのようなもので、ゲームプレイ時にキーマッピングをすることで、コントローラー操作のような快適さになる。
スマホゲームの中でも、高グラフィックを特徴とするタイトルの多くは、本体を横向きに持ち、両手の親指で画面をタッチして操作することを前提として作られている。ショルダートリガーは、この姿勢で普段使用しない人差し指を活用することで、より快適にゲームをプレイするというアプローチとなる。
アプリゲームはタッチ操作を基本とするため、L/Rボタンが割り振られているものはほぼないが、画面上の任意の位置に仮想的なボタンを配置できるのが特徴。要するに、「この辺をタッチする操作をLボタンに割り当てる」といった形で、アプリごとに任意の位置にボタンを割り当てられる。
特に活躍するのが、FPSゲームのように多数のボタンを併用しながらプレイするゲーム。親指のみの操作だと、指を移動させるラグがどうしても生まれてしまうが、ショルダートリガーを活用すれば、この0コンマ秒のラグを解消できる。アプリゲーマーであれば、その快適さは想像に難くないだろう。
また、ゲームアプリ以外も「Game Space(詳しくは後述)」に登録をすれば、REDMAGIC 11 Pro上でゲームアプリとして認識させることができる。これにより、ゲームアプリ以外にもL/Rボタンの割り当てができる。
本体上部には3.5mmイヤホンジャックも搭載されており、ワイヤレスイヤホン特有の音ズレが気になるという人でも、有線イヤホンが利用できる。一方、USB-Cポートは本体底面のみの搭載となっているため、充電しながらのゲームプレイ時には、ケーブルが邪魔になってしまう。ここは、他社ゲーミングスマホのように、側面にもUSB-Cポートを搭載するといったもう一工夫が欲しく感じた。
■ゲームプレイ時の細かな設定ができるGame Space
Game Spaceは、nubiaのスマホにて利用できるランチャー機能で、各種動作設定が行える。設定項目は非常に細かく、先に触れたショルダートリガーに加え、画面輝度やタッチ感度、リフレッシュレートといった基本的な設定だけでなく、画面比率の変更、画面の一部を抽出して拡大表示する機能、特定の〝敵〟をマッピングする機能などが利用できる。
すべての機能を全ゲームで使用するというわけではないが、頻繁にプレイするゲームにおいて、気に入った機能を使っていくと非常に面白い。ショルダートリガーも合わせ、REDMAGIC 11 Proでのゲーム体験に慣れると、ほかのスマホではプレイしにくさを感じるほどだ。
ただし、Game Spaceで設定できる「誤タッチ防止」機能については、やや不満。ゲームプレイ時に本体を握りこむと、親指の付け根あたりがディスプレイに触れてしまうことがある。この誤タッチを抑制する機能が搭載されているのだが、誤タッチと認識する範囲が狭く、あまり有効に機能していないように感じる。ベゼルが狭く、ディスプレイが大きい利点から生まれる弊害なのだが、ソフトウエア面での対応に期待したい。
■驚異の7500mAh大容量バッテリーを搭載
スマホゲーマーにとっては、バッテリーも重要な要素となる。屋外でもゲームができるのがスマホの利点ながら、バッテリー持続時間が短いと、連絡ツールとしての機能を果たせなくなってしまうため、ヘビーにゲームをしていられないと困っている人もいるはずだ。
REDMAGIC 11 Proには、7500mAhの超大容量バッテリーが搭載されている。近年、シリコンカーボンバッテリーの登場により、スマホのバッテリー容量が大型化している傾向があるのも事実だが、それでも7500mAhは驚異的といえるだろう。
実際、外出の際に、1時間程度の電車移動でゲームをプレイし、日中はメールの確認やSNSの更新、帰りの電車移動でもゲームをプレイするといった使い方をしていても、バッテリーの消耗は非常に緩やかで、50%以上残っている日もあるほど。当然、ゲームをしなければよりバッテリー持続時間は伸びていく。
また、ゲーミングスマホとしては珍しく、ワイヤレス充電にも対応する。残念ながら、MagSafe充電器をマグネットで背面に取り付けることはできないが、一般的なQi規格の充電スタンド等に置いておくだけで充電ができるのは便利だ。
ゲーム特化スマホだけど〝普通に使える〟のも魅力
ゲーミングスマホとして、REDMAGIC 11 Proのゲーム機能を中心に紹介してきたが、ゲームはおまけ程度に考えても優秀なのが、本端末の面白いところだ。
■フラットな背面デザインはツルツルでかわいい
近年のスマホは、ミドルレンジ、エントリースマホであっても、カメラレンズが隆起したデザインになっているものがほとんど。ポケットに入れた際の〝異物感〟があまり好きではないという人もいるだろう。
REDMAGIC 11 Proは、カメラの突起が全くない、フラットな背面デザインを採用している。これにより、ポケットからの取り出しは引っかかりがなく、スムーズに行えるのがポイントだ。
ただし、角ばったデザイン、本体のサイズや厚さから、小さいポケットの場合はおさまりが悪いこともある。Yシャツの胸ポケットなどにしまっていると、かがんだ際に落下させてしまうリスクも否めない。筆者はケースをつけない〝裸派〟だが、本体を保護するためにケースが必須という人は、なおさらサイズが気になるだろう。また、背面の指紋付着はかなり気になる。
本体質量は230gとかなりヘビーなため、片手での操作を続けていると、手首が痛くなる。サイズ的に、片手操作はそもそも向かない端末ではあるが、使い方にはある程度順応が必要だろう。
■空冷ファンを搭載しながらまさかの防水仕様
先に触れたとおり、REDMAGIC 11 Proには空冷ファンが搭載されている。つまり、本体の側面には熱を逃がすための空気孔がある。そのため、従来は防水に対応することが難しかったのだが、本製品ではここもアップデート。新たに「独立風路設計」を採用することで、IPX8の防水性能に準拠する。
浴室にスマホを持ち込むことを推奨するわけではないが、IPX8の防水性能があれば、突然雨に降られるといったシーンでも、故障の心配はほとんどないだろう。日常的に使いやすくなる、有用なアップデートだといえる。
防塵性能は数値化されておらず、公式サイトによると「独自防塵設計」と表現されている。独自の表記は基準がわからず、どの程度まで耐えられるのかが不明なため、できれば避けてほしいところ。ユーザーとしては、防塵はおまけ程度にとらえ、気を付けて運用することを推奨したい。
■意外と満足いくカメラ性能
アウトカメラは50MP広角、50MP超広角の2眼構成、インカメラはUDCで16MPとなる。意外といってしまうと失礼だが、ゲーム性能に特化したスマホなだけに、カメラ機能にはそこまで期待していなかったのだが、いい意味で裏切られた。
広角カメラでの撮影は補正が強く入り、かなり明るく仕上げられる。もちろん、カメラ機能に注力されたハイエンドスマホと比較すると、描画の甘さなどは散見されるものの、日常使いで不満が出るシーンはあまりないだろう。
超広角カメラも同様で、しっかりと明るい写真が撮影できる。プレビュー画面ではあまりきれいに見えない場合も、撮影後の補正でうまく細部を立ち上げている印象だ。ただし、広角カメラと色味が若干違う仕上がりになるのは、少々気になった。
望遠カメラは搭載されておらず、デジタルズームは最大10倍となる。倍率はあまり高くなく、最大までズームするとさすがに画質の劣化が著しくなるが、ここはご愛嬌といったところだろう。
UDCのインカメラも、想像よりはきれいに撮影できた。画質がいいとはいわないまでも、最低限の仕上がりにはなる。個人的には、インカメラの画質よりも、ディスプレイに欠けがない点のほうが恩恵がでかいので、特別不満は感じない。
■ゲーミングスマホながらまさかのおサイフケータイ対応
前機種から踏襲されているポイントだが、REDMAGIC 11 ProはFeliCaを搭載し、おサイフケータイ機能が利用できる。ゲーミングスマホながら、日常使いにも使いやすいローカライズがされているのはありがたい。
中国メーカーをはじめとする、多くの海外メーカーは、コスト削減のためにおサイフケータイ機能に対応しない端末を多く展開している。もちろんコストは重要な要素だが、スマホを1台しか持ち歩かない人からすれば、おサイフケータイ機能は必須ともいえるだろう。高い処理性能やバッテリー性能を併せ持ちながら、メイン端末として使える仕様になっているのがREDMAGIC 11 Proの魅力だ。
全部載せのハイスペックゲーミングスマホは実はコスパも優秀
ゲーミングブランドの最新スマホとして、ゲームを快適にプレイするための機能をふんだんに搭載しながら、日常使いにもこだわられてるREDMAGIC 11 Pro。日本語のローカライズが足りておらず、時折おかしな表記になっている部分も見られるが、使いにくさを覚えるほどではない。
搭載SoCはSnapdragon 8 Elite Gen 5、メモリは12GB、16GB、24GBの3モデルが展開される。いずれの構成であっても、現在リリースされているゲームアプリであれば、不自由を感じずにプレイできるだろう。
これだけのハイスペックを搭載しながら、公式サイトでの販売価格は12万9800円~。近年のハイエンドモデルとしては、手を出しやすい価格に収められているのも、REDMAGIC 11 Proをおすすめできる理由だ。今回は背面がスケルトンで、水冷のギミックが視認できる〝ゲーミングらしい〟モデルを試しているが、最小構成のブラックであれば、背面は透けておらず、ゲーミング風味を抑えたデザインになっているので、あまりゲーミング感を出したくないという人は、こちらもチェックしてほしい。
取材・文/佐藤文彦
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