一昨年あたりから街に増えてきたと感じるのが古着店ではないだろうか。
その中には無人の古着店も目立ち、一方で外観は普通のアパレル店とあまり変わらない「2nd STREET」などの出店が着実に増えているのを個人的にも実感している。控え目ではあるものの古着ブームが来ているともいわれているようだ。
中古品の検討はもはや普通に
一方で「メルカリ」などではすでに古着や中古品の個人間売買が盛んで、もはや何を購入するにせよ中古品を検討する選択があり得るマーケット状況になっているのかもしれない。
古着や時計などの中古品に対する抵抗感は年齢層を問わずに減ってきていそうだが、プレゼントや贈り物を中古品にする選択はあり得るのだろうか。
興味深いことにフィンランドの最近の研究によると、適正な価格、宝探し的商品選び、珍しいものや貴重なものを見つけるスリル、そして倫理的および環境的な理由が、消費者が中古の贈り物を購入する動機となっていることが示唆されている。つまり現在の社会において中古品のプレゼントは大いにあり得るというのである。

中古品購入は思慮深く意図的な決断
東フィンランド大学の研究チームが2025年10月に「European Journal of Marketing」で発表した研究では、中古品の贈り物を購入することは、決して衝動的なものではなく、思慮深く意図的な決断であることが示されている。
研究チームはフィンランドで最も人気のある消費者間オンラインマーケットプレイスの一つである「Tori.fi」のユーザーを対象に調査を実施し、中古品の贈り物が新品の贈り物の代替となり得るかどうか、また中古品の贈り物を購入する動機、意図、行動の関係を探った。
研究チームはクリスマス前とクリスマス後の2つのフェーズでデータを収集し、研究1では中古品の贈答における動機、意図、行動の連鎖に焦点を当て、それらの関係性を検証した。
研究2では意図と行動の関係に関する知見の堅牢性を、環境に配慮した消費行動の価値観によって調整して検証した。
研究の結果、次の重要な事実が突き止められた。
1つは人々が中古のプレゼントを購入する動機は、適正な価格設定、ユニークな品物を見つける楽しみ、環境や倫理への配慮が主な理由である。
次に中古品プレゼントを購入する意思は実際の購入につながっており、中古品のプレゼントを購入しようと考えている消費者のほとんどは、特に書籍のように検査がほとんど不要な商品ほど、実際の購入につながることが多い。
3つめは環境への意識が高まると、消費者は中古品を選ぶ際により決断力と購買行為の迅速さが増すようになる。
「私たちの研究結果は、中古品の贈り物を買うことは衝動的なものではなく、熟考された決断であることを示しています。新品を購入する時と同じように、動機、意図、行動の連鎖が関わっています」と、東フィンランド大学のヘリ・ハリカイネン助教授は説明する。
中古贈答品の購入はますます一般的に

クリスマスは世界各地で贈り物が盛んな季節であり、たとえばアメリカ人はクリスマスプレゼントに年間数千億ドルを費やしている。日本ではそこにお歳暮などの風習も加わってくる。
その一方で贈り物による環境負荷は大きく、ギフトシーズンの普段よりも過剰な包装(ギフトラッピング)も一部からは環境面で問題視されている。
その点で中古品の贈り物は環境負荷の軽減に役立つのも事実だ。今回の研究によると、消費者の環境意識は中古品の贈り物を選ぶ際の判断を強めるだけでなく、購入の判断を早めることも明らかになっている。
「私たちの調査結果は、消費者が自身の消費習慣を振り返り、中古品ギフトが新品の代替となるかどうかを検討してみることを促しています。また小売業者は特にギフトシーズンのピーク時に、革新的なビジネスモデルによって中古品の販売を促進する方法についても検討する必要があります。たとえばさまざまな顧客層をターゲットとしたギフトカタログは、中古品ギフトの売上増加に役立つ可能性があります」(ハリカイネン氏)
研究チームによると、中古の贈答品の購入はますます一般的になり、社会的に受け入れられてきているという。
「サービスが進化し、消費者の態度が変化するにつれて、ギフト市場における中古品の役割はさらに強くなる可能性が高い」と本研究の共著者であるマリア・オヴァスカ氏は指摘する。ネット注文で完結する中古品ギフト専用のECサイトが今後増えてくるのかもしれない。
浪費が許されない時代に価値が高まる中古品
中古品のプレゼントを購入する側の動機、意図、行動が示されているのだが、受け取る側はどう感じるのだろうか。
贈られる側に古本、古着、リユース品を利用する習慣があったり、環境問題に対する意識が高ければ何の問題もなさそうだが、ポイントとなるのは新品よりも中古品の購入のほうが慎重に検討している点である。贈られた側が、自分のことをよく考えてプレゼントしてくれたことを理解できれば有難味も増してきそうだ。
確かにお歳暮などでの一律的なギフトよりも、受け取る相手への配慮が感じられる贈り物のほうが感謝の気持ちが高まるだろう。
ちなみにメルカリが2022年11月に行った「フリマアプリとプレゼントに関する意識の日米調査」ではフリマアプリで購入したモノをプリスマスプレゼントにすることの是非を質問したのだが、62.7%が「新品(未使用品)であれば贈ってもよい」と回答しており、19.5%は中古品でもよいと回答している。
場合によっては購入者と受領者が一緒に中古品を選ぶ選択もあるのだろう。サプライズ性は失われてしまうが、きわめて実用的なプレゼントになりそうである。今後ますます浪費が許されなくなる社会において、ギフトシーズンには無駄遣いすることなく贈って喜ばれるプレゼントを選びたいものである。
※研究論文
https://www.sciencedirect.com/org/science/article/pii/S0309056625000358
※参考記事
https://neurosciencenews.com/gifting-psychology-neuroscience-30050/
文/仲田しんじ
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