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オランダのZ世代に大人気!?魔改造された寿司「スシサンドイッチ」って何だ?

2026.02.02

オランダの若者の間で、SNSを中心に爆発的な人気になった食べ物があります。それが「スシサンドイッチ」。最初聞いた時は、「あぁ、あれね。きっとおにぎらず的なものでしょ?食べやすい寿司みたいな?」と思っていたんですが、そのビジュアルを見てびっくり。

なんと「成形して揚げたごはん」をパンのようにしてサーモンなどの具をはさんだ、クリスピータイプのスシサンドイッチだったのです。

これはあったかいの?冷たいの?そもそもおいしいの・・・?
というか、ごはんって酢飯なの?わさび入ってるの?

頭の中は「?」ばかり。これはもう食べるしかないでしょ!

具だくさんな「クリスピースシサンドイッチ」のお味は?

アムステルダムにあるここの店では、ehoumakiという太巻きと細巻きの中間のようなカットしていない巻き寿司(まさに日本の恵方巻みたいです)とクリスピースシサンドイッチを中心に販売してます。どちらも注文すると作りたてを用意してくれるよう。スシサンドイッチはオリジナル、サーモン、ツナ、ベジタリアン、チキンの5種類がありました。お店の人によると一番人気であるという「オリジナル」を注文。

注文を待っている間も続々とお客さんがやってくる。多くの人がスシサンドイッチを注文してました。

10分弱ほど待ってできあがりました。持ってみるとほんのりと温かい。アツアツというほどではないです。お米を三角形に成形して揚げたもののあいだにさまざまな具が挟まれていて、結構厚みがあります。メニューの紹介によると、中の具在は炙りサーモン、ツナムース、アボカド、海苔、キューピーマヨネーズ、てりやきソースとのこと。

迫力のある断面。層がある食べ物ってなぜか魅力的ですよね。

上の揚げごはんを持ち上げて開いてみます。マヨっぽいソースがべったりな様子にちょっと慄きながらも、さぁいざ実食。

サーモンが思っていたよりも大きくてしっかりしてたのが嬉しい。
がぶりといきます。

え・・・、ナニコレ。意外とおいしい。というのが、一口目の率直な感想。もっと油っぽかったりべとべとしてるのかなと思っていたんですが、なんていうか「歯切れがいい」。おそらくこれはごはん部分がポイントなんだな。外側はしっかりとカリカリなクリスピー食感で、内部は少しだけご飯を感じる柔らかさ。でも厚すぎないからかベチャッとしていなくて、思いのほか食べ心地がいい!そして酢飯感はあまり感じませんでした。普通のご飯なのかな。

ごはん部分の断面はこんな感じ

具は意外とスパイシー。でもわさびではなく唐辛子の辛さです。その正体は具のひとつ「ツナムース」でした。これがおそらくマヨネーズベースにシラチャーソースなどのチリソースががっつり入ってるようで結構辛い。そして驚いたのが、なんとツナ缶ではなくて生のまぐろを刻んだものを和えてあったこと。これはちょっとびっくりな食感。でも細かく刻んであるからか、全体となじんで食べやすかったです。

そしてサーモンはほんのり温かい。調理している様子は店内では見れなかったんですが、お店のWebサイトを見たところ、その場でバーナーで炙って炙りサーモンにしているようです。今回はその上にもシラチャーマヨネーズがかかっていました。でもアボカドとその上にかけられたてりやきソースがいい仕事してる!全体の辛さを和らげてくれています。まさに名脇役。

想像よりも全体がいい意味でまとまっていて、もっと食べたいと進む味と食感。気づけばあっというまに食べ終わっていました。見た目は小ぶりだけど、揚げ物ということもあってかお腹も満たされました。

人気の発端は海を越えたアメリカにあった

さて、この一つでお値段は9.75ユーロ。現在の相場だと約1700円です。円安の今、なおさら高く感じる・・・。オランダのスーパーで売られている1人前の細巻きや太巻きのセットが5~6ユーロなのと比べても、ちょっと強気な値段設定かなという感覚です。それでも買いたい、食べてみたいと思わせているのはやはりSNSの力でした。

オランダは食に保守的な国と言われていましたが、最近では日本と同様にSNSを通じて若者を中心に目新しい食べ物が爆発的に人気が出ることがよくあります。2025年は抹茶や韓国チキンなどアジアの食がトレンドとして特に注目されました。実際に私が注文している間に買いに来ていた若い女性2人組は、1人は注文後に別の店へ行き、そこで買った抹茶ラテを手に戻ってきました。そして出来上がったスシサンドイッチと抹茶ラテで写真撮影。アジアの食材やそれにインスパイアされた新しいメニューは「映え」アイテムとしての人気も健在のようです。そうなると多少強気な値段設定でも、購入したい!と思う人々がいそうです。私が店を訪れた時は他に家族連れも来店していましたが、こちらも「子どもたちが話題のメニューを食べたいので連れてきた」という感じでした。

店内の他に、外にもイートインスペースがあるので、道行く人々にも目につきやすい。

そして実はこのクリスピータイプのスシサンドイッチ、発祥はアメリカにありました。2023年にロサンゼルスを中心とした高級スーパーマーケットのエレホン(Erewhon)が売り出したところ、やはりSNSを通じて人気となったのです。そちらではすでに作られてパッキングされた状態で、2つで21ドル(約3200円)ほど。「買ってみた」「食べてみた」動画で人気が出ました。オランダでもこれにインスパイアされた商品が売り出されたわけですが、実は最初はあまり売れなかったそうです。しかしオランダの有名インフルエンサーがTikTokで紹介した途端、若者が列を作って買いに並ぶようになりました。

別添えの醤油は、実際に食べる時には必要ないと感じました。でもこれも映えアイテムのひとつなのかも。

スシサンドイッチという全く新しい食体験にくわえ、クリスピーな食感をサクッとした音で強調するいわゆる「ASMR動画」や、マヨネーズやてりやきソースがしたたる「シズル動画」としても人気が出たようです。やはり食べたいと思わせる要素は万国共通のようですね。

オランダのアジア食ブームというのは、2020年頃からのボバティー(タピオカティー)ブームを皮切りに、まだ陰りを見せていません。私が住み始めた10年前はアジア食材店でしか買えなかった冷凍餃子や唐揚げが、一般の大手チェーンスーパーでも購入できるようになりました。またアジアへの旅行の人気も高まっていて、周りでも「今後の休暇は日本に行く」という声を多く聞きます。

とはいえオランダから見てアジアはまだまだ遠い国。「本物の寿司」を食べたことがないからこそ、日本人には思いもかけないような調理法や新しい味に人気が出るのかもしれません。それこそ日本ではあんパンやカレーパンなどが生まれていったように、欧米で次は一体どんな進化系スシが登場するか楽しみです!

文/福成海央(ライター、科学コミュニケーター)
オランダ在住。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。気になったらとりあえずなんでも調べるしなんでも書く。おもしろいこと好き。オランダの美味しいチーズとポテトも好き。最近驚いたのは、語学苦手なのに海外に住んで10年になろうとしてること。

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