製薬会社がつくったクイズ形式の「検定」が人気を博している。ログインなし、無料で楽しめる「全国統一 セルフケア検定」だ。「ぜひ皆さんにやってみてほしい」と意気込む担当者は、入社4年目の女性社員。なぜ今、クイズ形式の「検定」が必要だったのか、その奥にある彼女の原体験、さらには第一三共ヘルスケアが伝えたかった想いとは? ジャーナリスト・夏目幸明が切り込んだ。
「全国統一 セルフケア検定」とは?
――私の結果は、全15問のうち12問正解、美容に関する知識に欠ける、というものでした。悔しいけど当たってるなぁ、と(笑)。あの問題はどんな基準で選定されたんですか?
中村さん(以下、中村):「薬の知識」「食事」「運動」「生活習慣」「美容」の5つのカテゴリにわけて構成し、看護師や保健師などの医療従事者の声を反映し、医師の監修も仰ぎながら、「身近な悩み」なのに「誤解しやすいポイント」を厳選しました。
――正解/不正解だけでなく、答え方次第で自分がいろんなキャラに分類され、順位まで出るのが面白い。
中村:何度も挑戦したくなるように、知識を深めて頂けるように設計したんです。17タイプのキャラクターがあるので、ぜひ全問正解してシークレットも出してみてください(笑)。あと、解説にもこだわりました。読んでいただくことで「こういう理由でダメなんだ」「えっ、これ違うの?」という気づきや発見を得ていただけたら、と。そして、毎日の生活に活かしていただけたらと思います。
――私は、「薬を買うと入ってるアレ」は、すぐ捨てるべきものと知らずとっておくタチだったので勉強になりました。……なんて話は深入りせず、読者にトライして頂いた方がいいですね。
やった人の反応はどうでしたか?
中村:弊社の社員が「自分なら満点とれるでしょ」とやってみたら1問間違えてすごく悔しそうにしていたりして(笑)、周りの人には「みんなでワイワイ楽しめるね」と言われます。あとはSNSで「自分の知識を確かめるには良いきっかけだった」とシェアしてくださる方も多く、見ると嬉しくなりますね。
「知っているつもり」が怖い? 背景にある危機感
――なぜ、今、知識を問うコンテンツを開発されたのでしょう?
中村:背景にあるのは、「情報の質」への課題感です。
今はSNSやAIが情報源になる場合も多く、中には不確かな情報や間違った情報も存在します。弊社の調査によると、健康やセルフケアについて誤った情報に接した経験がある方が約3割となっています。また、セルフケアという言葉をご存じの方は7割以上いらっしゃる中でも、実践できているという方は5割弱ほどと、ギャップが存在しています。そこで、セルフケアについて正しい知識を楽しめる形でお伝えしたいな、と。
――ちなみに開業医をやっている私の友人は「SNSにはバズ目的で医学的なエビデンスが全くない健康法を書く人もいるから」と第一三共ヘルスケアさんの取り組みを絶賛してましたよ。
社会的にはどんな意義があると思いますか?
中村:セルフケアは治療と違い、「まだ病気ではないけど……」といった“未病”の段階で、普段から実践できます。皆さんに正しい知識を身につけていただければ、ご本人のQOL(クオリティオブライフ)が高まるのはもちろん、国の医療費削減にも繋がるはずです。しかも現代は「人生100年時代」と言われています。誰しも、年齢を重ねていった先で体調に悩み、病院に通いながら長い人生を過ごすより、旅をしたり、家族や友達と遊んだりして暮らしていたいですよね。そのためにも、セルフケアに関する正しい知識をお伝えすることには意義があると考えています。
――これ、若い人が楽しめるつくりになってますよね。
中村:実はそこにも意図があります。若い方が進学や就職で一人暮らしを始める時期は、親元を離れ、自分で日用品や薬を買ったり、初めて自分で健康保険に加入したりと、主体的に自分の健康管理を始めるタイミングにもなります。そのため、正しいセルフケアの知識がないと、体調への影響も懸念されます。また、健康な人生を送るためには、若いうちから知識を身につけて頂いた方がいいはず。そこで、メインのターゲットは実はZ世代に焦点をあてながら、世代に関係なく楽しめるようにつくりました。
――何かご苦労をなさった裏話とかありますか?
中村:問題は数えきれないくらい検討を重ねましたね……。あとは楽しめる工夫はいろいろ考え抜きました。クイズにしたのも、「あ!当たった!」という楽しみがあった方が知識を伝えやすいからです。だからWEBページのテスト版ができた時、会社で先輩と一緒にパソコンで開いて、スマホでも開いてみて、実際にキャラが出てくるのを見た時、とてもうれしかったことを覚えています。17種類のキャラクターも工夫の一つで、若い方に興味をもってもらいやすい、シェアいただきやすいのかなと。
Z世代担当者が描く「誰もが自分の健康を守れる社会」への挑戦
――サステナビリティの一環だそうですが?
中村:はい。「全国統一 セルフケア検定」は「セルフケア アカデミー」という、Z世代にセルフケアの大切さと正しい情報を広める活動のコンテンツの一つで、セルフケアアカデミーでは、高校への出張授業なども行っています。ほかにもさまざまなサステナビリティの取り組みを行っていて、例えば日本で初めて生活者から使用済みの薬の包装シート(PTPシート)を回収・リサイクルする「おくすりシート リサイクルプログラム」や、生理痛に悩む方が「我慢しない」選択をするために、生理痛と正しく向き合える社会の実現を目指す「みんなの生理痛プロジェクト」などを実施しています。いずれも「Wellness for Good」というコンセプトと、「100年後も人と社会と地球が健やかであり続けるために」というステートメントのもと、行われている活動です。
――中村さん自身の思い入れは?
中村:私、学生時代にドラッグストアでアルバイトをさせていただいていました。当時はコロナ禍の真っ只中で、様々な情報が飛び交うなか、お店にはマスクや消毒液を求めて不安そうなお客様が大勢いらしていました。私はその時に「みんなの健康や安心のために役立ちたい」と思って弊社に入社したので、正しい情報をお伝えすることにはやりがいを感じますね。
――不安な時に正しい情報やツールがあることの心強さは、計り知れないものがありますからね。
中村:ええ。だからこそ、病気ではない日常の段階から支えになれる当社のような製薬メーカーが正しい情報を出していくことが大切だと思っています。この検定を通じて、セルフケアの大切さや具体的なセルフケアの方法を知って頂き、皆さんが自分の体を自分で大切にできる社会になればいいな、と思います 。
――素敵なお話でした。最後に読者へメッセージをお願いします。
中村:ぜひ、ゲーム感覚で気軽にやってみて、「へぇ~」と思ったら、ぜひ周りのご友人やご家族にも「これ知ってた?」とシェアしてみてください。
その会話自体が、大切な方をお守りする第一歩になりますから。
「全国統一 セルフケア検定」はこちら取材・文/夏目幸明 撮影/木村圭司







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