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“辟易”は難しい熟語ですが、覚えると使いやすい言葉です。困りごとがあるときに使われることの多い言葉なので、意味や使い方を覚えておきましょう。
“辟易”について解説していただいたのは『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。
「辟易」の意味とは?
“辟易”の読み方は“へきえき”。
以下の2つの意味があります。
(1)勢いに押されて尻込みすること
(2)うんざりして嫌気が差すこと
“辟”は避ける、“易”は“変える”の意味があり、相手を避けて道を変えながら逃げるという意味合いを持っていました。
本来は(1)の意味合いが強い言葉でしが、現在は(2)の「うんざりして嫌気が差す」意味で使われることが多くなっています。
ビジネスシーンでは「辟易」はどんなときに使うといい?
ビジネスシーンにおいて、“辟易”は以下のような場面で使われています。
(1)抗議・批判をするとき
“辟易”と言う言葉を使って、やや強めのトーンで抗議をすることがあります。例えば、納品日が守られなかった場合や、何度催促してもメールや電話の返信がない場合など、何か困った事態が発生した際に使われることがあります。
【例文】
・何度もお願いしているのですが、いまだ正確な納品日についてご連絡をいただけず、こちらとしても辟易しております。
(2)うんざりした気持ちを伝えるとき
うんざりした気持ちをやや硬めの表現で伝えるときに“辟易”を使うことがあります。
【例文】
・今期は当社にとって不遇なできごとが多く、辟易しますね。
「辟易」の使い方の注意点は?よく見かける間違った使い方は?
“辟易”の使い方の注意点は以下の2つです。
(1)サ変の「辟易する」が基本形
多くの場合、“辟易”は動詞の“する”をつけて「辟易する」という形で使われています。動詞の「サ行変格活用」に分類されます。
「辟易とする」「辟易になる」といった表現も散見されますが、「辟易する」という形で使うのが一般的です。
(2)類似の響きを持つ言葉との混同に注意
単語の響きが似ていることから、“辟易”が“霹靂(へきれき)”“やきもき”と混同して使われているケースが散見されますのでご注意ください。
【例文】
・早く入札結果が知りたくてへきえきしている。
→“やきもき”の意味である“気をもんでイライラする”という意味で使っているのなら、間違い。
「辟易」の例文は?
“辟易”の例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。
・こちらと致しましても、納期が二度も延期となり、さすがに辟易しております。
・部長の長い話には辟易した。
・根拠のない噂話にはいつも辟易させられる。
・今のままでは後輩たちも辟易している。
「辟易」を言い換えると?類語は?
続いて“辟易”と類似の意味を含む表現をご紹介します。
(1)「閉口(へいこう)」
どうにもならなくて困ること。手に負えないこと。
【例文】
・彼の失言の多さに閉口している。
(2)「うんざり」
同じようなことが続いたことで、嫌になること。日常会話においても幅広い場面で使われている言葉です。
【例文】
・彼女と顔を合わせるたびに部内のグチを聞かされ、うんざりしている。
(3)「嫌気が差す」
“嫌気”はいやだと思う気持ち。“嫌気が差す”は慣用句で、いやだと思う気持ちが起こること。
【例文】
・仕事内容に嫌気が差し、転職活動を始めた。
(4)「食傷(しょくしょう)」
同じ物事に繰り返し接していやになること。
【例文】
・部長の過去の自慢話に食傷気味だ。
今回は国語講師の吉田裕子さんに“辟易”という言葉について解説していただきました。
“辟易”という言葉を耳にしたことがあっても正しい意味がわからないというケースが多いと思いますので、この機会に意味や使い方を覚えておきましょう。
[初出]kufura 2021.11.24







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