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仮想通貨の利益はどっちに分類される?「雑所得」と「金融所得課税」の違い

2026.02.07

仮想通貨(暗号資産)の利益は日本では原則「雑所得」として総合課税の対象となる。この記事では、金融所得課税との違いや確定申告における注意点までをわかりやすく解説する。

仮想通貨(暗号資産)で利益が出た場合、税金の扱いに戸惑う人は多い。株式投資やFXと同じように「金融所得課税」が適用されると思われがちだが、日本の税制では仮想通貨の利益は原則として「雑所得」に分類される。

この違いを正しく理解していないと、想定以上の税負担が発生したり、確定申告が必要なことに気づかず申告漏れを起こしたりする可能性がある。

本記事では、仮想通貨における税金の仕組みや金融所得課税との違い、確定申告時の注意点までをわかりやすく解説する。

仮想通貨で出た利益は原則「雑所得」として扱われる

日本では、仮想通貨(暗号資産)の売却や利用によって得た利益は、所得税法上「雑所得」に分類される。そのため、仮想通貨の利益は、給与所得や事業所得などと合算して税額が決まる「総合課税」の対象となる。

株式投資やFXのように、利益だけを切り離して一定の税率で課税される「金融所得課税」とは税金の考え方が大きく異なる点に注意したい。

■雑所得とは他の所得に当てはまらない収入

雑所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得などの所得区分に該当しない収入をまとめた区分を指す。

所得税法では、収入の性質ごとに区分が定められており、代表的なものとしては、給与所得、事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、一時所得などが挙げられる。これらのいずれにも当てはまらない収入は、雑所得として整理される仕組みだ。

雑所得に含まれる代表的な例は、次のとおり。

  • 副業による原稿料や講演料
  • アフィリエイト収入(事業規模に該当しない場合)
  • 公的年金などの一部
  • 仮想通貨(暗号資産)の取引によって得た利益

上記に共通するのは、継続的な本業収入とは言い切れず、ほかの所得区分にも分類しにくい点にある。雑所得は、こうした収入を一括して扱うための区分と考えると理解しやすい。

仮想通貨の利益も、現行の税制では株式やFXのような金融所得には含まれず、この雑所得として扱われている。

■雑所得は「総合課税」の対象で、税率は5~45%

先述のとおり、雑所得に分類される仮想通貨の利益は、総合課税の対象となる。総合課税とは、給与所得や事業所得など、ほかの所得と合算した合計額をもとに税率が決まる仕組みを指す。

この仕組みでは、所得が増えるほど税率が段階的に上がる。つまり、仮想通貨の利益だけを切り離して、一定の税率で課税することはできない。

所得税の税率は5%から始まり、所得金額に応じて10%、20%、23%、33%、45%と上昇する。そのため、給与が高い人ほど、仮想通貨による利益にも高い税率が適用されやすくなるわけだ。

また、所得税とは別に住民税(原則10%)も課されるため、所得水準によっては実質的な税負担が大きくなるケースも珍しくない。こうした理由から、仮想通貨の税金は「思っていたより高い」と感じられやすい。

参考:国税庁 No.2260 所得税の税率

参考:国税庁 No.2220 総合課税制度

仮想通貨(雑所得)と金融商品(金融所得)の違いを比較

仮想通貨と株式投資やFXなどの金融商品は、どちらも「投資で得た利益」という点では共通しているが、所得区分や課税方式がまったく別物として扱われている。

主な違いを整理すると、次のとおり。

項目 仮想通貨(暗号資産) 株式・投資信託・FX 
所得区分 雑所得 金融所得 
課税方式 総合課税 申告分離課税 
税率 5~45%(+住民税) 約20% 
損益通算 原則不可 可能 
損失繰越 不可 最大3年間可能 

以下で詳しく見ていく。

■課税方式の違い

金融商品による利益は、「申告分離課税」が採用されている。申告分離課税とは、給与など他の所得とは切り離し、投資の利益だけに一律の税率をかける仕組みだ。一方、仮想通貨の利益は雑所得として総合課税の対象になるため、給与などの所得が高い人ほど、税率も高くなりやすい。

参考:国税庁 No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係

参考:国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)

■税率の違い

株式投資やFXなどの金融商品は申告分離課税が採用されており、利益の金額や年収に関係なく、税率は原則として約20%(住民税を含む)に固定されている。

一方、仮想通貨の利益は雑所得として総合課税の対象だ。そのため、給与など他の所得と合算した金額に応じて税率が決まり、所得が増えるほど税率も段階的に上がる。

金融商品では税率が一定なのに対し、仮想通貨では人によって税率が大きく変わる点が大きな違いといえる。

参考:国税庁 No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係

参考:国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)

■損益通算の違い

損益通算とは、利益と損失を相殺して、課税対象となる所得を減らす仕組みを指す。投資で利益が出た年でも、別の取引で損失が出ていれば、その分を差し引いて税金を計算できる仕組みだ。

株式投資やFXなどの金融商品では、同じ金融所得の範囲内であれば損益通算が認められている。ある銘柄で利益が出ていても、別の銘柄で損失が出ていれば、それらを合算して税額を計算できるわけだ。

一方、仮想通貨の利益は雑所得に分類されるため、原則として他の所得との損益通算ができない。仮想通貨取引で損失が出たとしても、給与所得や株式投資の利益と相殺することは不可能だ。

その結果、「仮想通貨では利益が出た年だけ税金を払い、損失が出た年は何も救済されない」という状況になりやすい。

参考:国税庁 No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

■損失繰越の違い

損失繰越とは、その年に出た損失を翌年以降に持ち越し、将来の利益と相殺できる仕組みを指す。短期的に損失が出ても、翌年以降に利益が出れば税負担を抑えられる点は、大きなメリットとなる。

株式投資やFXなどの金融商品では、一定の条件を満たせば、損失を最大3年間繰り越すことが可能だ。前年までの損失を使って、翌年以降の利益と相殺できるため、長期的に見た税負担を軽減しやすい。

一方、仮想通貨の利益は雑所得に分類されているため、損失の繰り越しは認められていない。その年に損失が出た場合でも、翌年以降の利益と相殺することはできず、損失はその年限りで切り捨てられる。

このため、仮想通貨取引では、「前年は大きな損失、翌年は利益が出たが、税金は満額かかる」といったケースも起こり得る。

参考:国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)

■仮想通貨が金融所得課税に変わる可能性はある?

仮想通貨の利益が雑所得として扱われている現行の税制については、金融所得課税へ見直すべきだという意見が以前から出ている。

しかし、現時点では仮想通貨に金融所得課税を適用するという正式な制度変更は行われていない。税制改正に向けた議論や検討は続いているものの、具体的な時期や内容は明確になっていない状況だ。

そのため、現行制度を前提に考える限り、仮想通貨の利益は今後も当面、雑所得として総合課税の対象になる可能性が高い。仮想通貨を利用する場合は、将来的な制度変更に期待するのではなく、現在の税制を前提に、税金を含めた取引計画を立てることが重要といえる。

仮想通貨で得た雑所得を確定申告するときのポイント

暗号資産(仮想通貨)の利益は雑所得として扱われるため、一定の条件を満たすと確定申告が必要となる。特に会社員の場合、「年末調整を受けているから申告は不要」と考えがちだが、仮想通貨取引による利益は別途判断が求められる点に注意したい。

また、申告が必要となる基準や、税負担を抑えるための考え方、申告漏れによるリスクなどは、事前に把握しておくことが重要だ。ここからは、仮想通貨で得た雑所得を確定申告する際に押さえておきたいポイントを整理する。

■仮想通貨による取引で利益が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要

会社員など給与収入がある人は、原則として勤務先で年末調整が行われるため、確定申告は不要だ。ただし、暗号資産(仮想通貨)の取引で利益が生じた場合は、確定申告が必要となるケースがある。

確定申告が必要となるのは、暗号資産(仮想通貨)取引による年間の利益と、給与以外の所得を合計した金額が20万円を超える場合。ここでいう利益とは、仮想通貨の売却や交換などによる総収入額から、必要経費を差し引いた金額を指す。

暗号資産(仮想通貨)による利益が20万円未満であっても、副業などの所得と合算して20万円を超える場合は、確定申告が必要となるため注意が必要だ。

なお、必要経費として計上できる主なものは以下のとおり。

  • 仮想通貨の取得費用
  • 取引所への出金手数料・売買手数料
  • 仮想通貨関連の書籍代やセミナー代
  • 仮想通貨取引に使用した通信費(取引分を明確に区分できる場合)

日頃から取引履歴や領収書を整理しておくことが、正確な申告につながる。

参考:国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)

■仮想通貨の取引で税金の負担を軽減する方法

暗号資産取引で生じた損失は、株式やFXなどの金融所得とは損益通算できないものの、同じ雑所得に分類される副業収入などとは通算できる。原稿料やアフィリエイト収入などがある場合、暗号資産取引の損失と相殺することで、課税対象額を減らせる可能性がある。

また、必要経費を漏れなく計上することも忘れずに。仮想通貨の取得費用や売買・出金手数料に加え、取引に関連する書籍代やセミナー費用、業務に使用した通信費などは、条件を満たせば経費として認められる。

基礎控除や社会保険料控除、医療費控除などの所得控除を活用できる点も見逃せない。これらの控除を適切に適用することで、最終的な税負担を軽減できる。

さらに、暗号資産取引を事業として継続的に行っている場合は、事業所得として青色申告を行える可能性もある。事業性の判断は慎重に行う必要があるため、不安な場合は専門家へ相談してみるとよいだろう。

参考:国税庁 No.1200 税額控除

参考:国税庁 No.2070 青色申告制度

参考:国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)

■確定申告の漏れがあるとペナルティが発生

暗号資産(仮想通貨)取引による利益があるにもかかわらず、確定申告を行わなかった場合、ペナルティが科される可能性がある。仮想通貨の取引は匿名性が高いと思われがちだが、取引所から税務署へ情報提供が行われるケースもある。

申告期限を過ぎてから申告した場合には「無申告加算税」が課され、さらに本来納めるべき税金の納付が遅れた期間に応じて「延滞税」も発生する。意図的に所得を隠していたと判断された場合には、「重加算税」が適用され、税負担が大幅に増えるおそれもあるだろう。

特に注意したいのが、「円に換えていないから申告不要」「少額だからバレない」といった誤解だ。仮想通貨同士の交換や商品・サービスの購入も課税対象となるため、知らないうちに申告義務が発生しているケースは少なくない。

万が一、申告漏れに気づいた場合は、早めに修正申告や期限後申告を行うことで、ペナルティを最小限に抑えられる可能性がある。仮想通貨取引を行っている場合は、日頃から取引内容を把握し、適切な申告を行う意識が重要だ。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

「AIより愛ある記事」を掲げ、思わず“読みたくなる記事”を届けることを信条とするライター・編集者。メディア運用やコンテンツ制作で培った経験を活かし、複雑なテーマをやさしく解きほぐし、驚きと納得をもたらす文章を紡ぐ。子育てと仕事を両立する働くママとしての視点も反映し、生活者のリアルな声を記事に宿している。

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