2026年の確定申告で株の利益がある人向けに、口座別の申告の要否に加えて、申告が必要・不要なケースの具体例、確定申告の方法と必要書類まで、やさしくまとめます。
目次
「株で利益が出たけれど、確定申告しなきゃいけないの?」
「確定申告しなくていいケースもあるの?」
「もし確定申告を忘れたらペナルティがある?」
など、株の利益に関する不安はありませんか?
この記事では、株式取引で得た利益について確定申告が必要かどうかの境界線と、具体的な確定申告の方法を解説します。よくある質問もまとめていますので、自分が対象か確認したい方、確定申告のやり方に悩む方、確定申告について疑問がある方はお役立てください。
株で利益が出たら?確定申告に関する基本情報
まずは、確定申告の対象となる期間や、どのような利益に税金がかかるのか、基本的なルールを押さえておきましょう。
■2026年の確定申告で対象になるのは前年の取引
確定申告では、前年の取引で得た利益が対象となります。2026年に行う確定申告では「2025年(令和7年)1月1日から12月31日まで」に確定した利益について申告します。
■株の利益の種類をざっくり整理
株で得られる利益は、大きく分けて次の2つです。
売却益(譲渡所得): 株を売り、買った時より高く売れた時の利益
配当金(配当所得): 株を持っていることで企業から受け取れる分配金
このうち、売却益に関しては口座の種類や給与所得以外の所得額の合計により確定申告の要・不要が異なります。配当金に関しては、受け取りの際に源泉徴収されているので原則確定申告は不要です。ただし、確定申告をすれば配当控除という税額控除を受けられる場合もあるので条件を確認してみましょう。
■申告が必要かは口座の種類で判断が変わる
確定申告が必要かどうか、ベースの判断基準は「どの口座で取引したか」です。
基本的には、以下の3つの口座に分かれます。
一般口座:自分で損益計算をして申告するのが基本
特定口座(源泉徴収あり):金融商品取引業者等が税金計算・徴収まで行うため、原則申告不要
特定口座(源泉徴収なし):年間の譲渡損益の計算はしてもらえるが税金徴収はされないため、利益が出た場合は申告が必要
給与所得額によっては源泉徴収ありの特定口座でも申告が必要など、個々のケースで異なる場合もありますが、基本は上記のパターンで判断できます。
確定申告は必要?申告対象を細かくチェック
株の確定申告は、必要か・不要かを一言で決めにくく悩む人も多いものです。ここからは前章で触れた口座区分を軸に、申告が必要なケースと申告しなくてもよいケースを整理します。
■確定申告が必要・した方がいいケース
株の利益・損失に関して、確定申告が必要なケース、義務付けられていないが確定申告をした方がメリットを享受できるケースを以下にまとめます。ご自身が当てはまるか、チェックしてみましょう。
●一般口座や「源泉徴収なし」の特定口座で、利益が出た場合: 一般口座・「源泉徴収なし」の特定口座は金融商品取引業者等が税金の徴収をしないため、自身で申告が必要です。
●給与所得・退職所得以外の所得(株の利益・副業等)が20万円を超える場合:給与所得者で、株の利益・副業・不動産収入などの給与以外の収入の合計が年間20万円を超える場合、確定申告が義務付けられています。
●株の利益の金額に関わらず、給与の年間収入金額が2,000万円を超える場合:年収が2,000万円を超える場合、副収入の金額が20万円以下でも確定申告が必要です。
●複数の証券口座を持っていて、一方で利益、もう一方で損が出ている場合:株で損失が出た場合に確定申告の義務はありませんが、申告することで「利益」と「損」を相殺(損益通算)でき、課税対象となる利益額を減らすことが可能です。また、その年に損益通算で控除しきれなくても損失分を3年間繰り越す繰越控除が適用されるので、翌年以降の課税額を減らせます。
■確定申告が不要・しなくていいケース
株の利益があっても確定申告が不要、しなくてもよいケースは、次の通りです。
●「源泉徴収あり」の特定口座だけで取引している場合:「源泉徴収あり」の特定口座は、利益が出るたびに自動的に税金が引かれているため、自身での申告は不要です。
●NISA口座での取引の場合: NISA口座内で得た利益はそもそも非課税なので、確定申告の対象外となっています。
●給与所得が2,000万円以下で、株等の利益が20万円以下の場合:給与所得がある会社員なら、株や副業で得た利益が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要とされています。ただし、住民税にはこのルールがないため、住民税の申告が必要になる場合があります。
株の利益に関する確定申告のやり方
申告が必要だと分かっても、「どうやって出す?」「何を用意する?」で手が止まりがち。ここからは、2026年の申告期間を確認したうえで、確定申告のやり方や必要書類について解説します。まだ時間がある…と思っていたら、期限はすぐ切れてしまいます。必要な情報をチェックしたら、申告はお早めに!
■2026年の確定申告期間
2026年における確定申告の期間は、2026年(令和8年)2月16日(月)から2026年3月16日(月)までです。例年は2月16日から3月15日までですが、2026年は土日祝日の関係で3月16日までとなっています。
■確定申告の方法
確定申告の方法は、主に次の3つです。
●e-Tax(スマホ・PC):必要事項を入力し、スマホやPCから送信します。自宅から24時間いつでも送信でき、還付もスピーディーです。マイナンバーカードを使う場合、事前に対応スマホやマイナポータルアプリ等の準備が必要です。
●郵送:作成した申告書と必要書類を管轄の税務署へ郵送します。申告期限の当日消印有効なので、2026年3月16日に投函する場合は必ず郵便局の窓口で手続きし、その日の消印を押してもらいましょう。
●税務署の窓口:必要書類を持参し、窓口で申告書を作成します。職員に相談しながら進められますが、期間中は非常に混雑します。
■確定申告に必要な書類
株の利益に関する確定申告には、以下の書類を提出します。
- 申告書第一表
- 申告書第二表
- 申告書第三表(分離課税用)
- 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
- 令和○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
⑤に関しては、損益通算または繰越控除をする場合のみ必要です。また、申告書作成のためには次の書類も準備しておきましょう。
- マイナンバーカード(e-Tax利用の場合は、利用者証明用電子証明書のパスワード・署名用電子証明書のパスワードが必要)
- 特定口座年間取引報告書など株取引の金額が分かるもの
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
株式取引の確定申告についてよくある質問

最後に、株式取引の確定申告に関してよくある質問をまとめます。
■一般口座・特定口座・NISA口座の確定申告はどう違う?
一般口座は、証券会社等で取引する際に自身で年間損益の計算と確定申告を行う必要がある口座です。
特定口座は、証券会社が年間損益の計算を行い、年間取引報告書を交付してくれる口座です。その中でも「源泉徴収あり」を選択すると、証券会社が所得税と住民税の源泉徴収や還付まで行い、納税するので確定申告は不要です。一方、「源泉徴収なし」の口座では、年間取引報告書を基に自身で確定申告を行います。
NISA口座は、少額投資非課税制度が適用される口座です。利益も損失もないものとされるため、確定申告は必要ありません。
■確定申告が必要なのはいくらから?
一般口座と「源泉徴収なし」の特定口座の場合、金額に関わらず利益が出れば申告をします。給与所得者であれば、株による利益だけでなくその他の副収入も含めて年間20万円を超える場合に確定申告が必要です。
■利益があっても確定申告しないとどうなる?
申告が必要なのに提出しないまま期限を過ぎると、無申告加算税などの対象になり得ます。期限後の申告では、本来納めるべき税金に加えて、その金額に5%もしくは10%上乗せした金額が無申告加算税として課されます。(上乗せ割合は期限後申告のタイミングにより異なる)
なお、税務署の調査が入るまで申告をしないままだと、上乗せ割合はさらに加算されるため注意が必要です。確定申告は必ず期限内に行いましょう。
■損失が出た場合は確定申告しなくていい?
損失が出た場合、確定申告の義務はありません。しかし、損失が出た時にあえて申告をすることで、翌年以降の利益からその損を引いて税金を安くできる「繰越控除」が受けられます。申告のひと手間はかかりますが、メリットは大きいので確定申告しておく価値はあります。
■投資信託の利益も一緒に考えていい?
投資信託に関する利益も株と同じ枠組みで申告できます。投資信託の売却益や分配金など、株の利益や損とまとめて計算(損益通算)することが可能です。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。







DIME MAGAZINE












