マイナポータル連携による確定申告は、2026年からさらに便利に進化している。自宅からスマホでできる確定申告のやり方を「会社員」「自営業者・個人事業主」のケース別にまとめた。
目次
2026年の確定申告は、マイナポータルで取得できる情報が増えたことでより便利になった。医療費控除や住宅ローン控除など、会社員でも確定申告が必要な場面は多い。
本記事では、マイナポータルを使った確定申告のやり方、いつからいつまで申告できるのか、2026年から新しく対応したデータなどの最新情報を解説する。
マイナポータルを利用した確定申告とは?2026年の変更点
マイナポータルを使えば、確定申告に必要な証明書等のデータを取得し、申告書へ自動で入力できる。2026年からは取得可能なデータが増え、さらに便利になっているのでチェックしよう。
■マイナポータル連携では何ができる?
マイナポータルと「e-Tax」「e-私書箱(野村総合研究所)」「民間送達・e-Tax連携サービス」などの外部サイトを連携させることで、以下のデータを取得し、確定申告書に入力できる。
| 収入関係 | マイナポータルで取得できる情報 |
| 給与所得 | 源泉徴収票 ※勤務先がe-Taxなどで電子提出している場合 |
| 公的年金 | 公的年金等の源泉徴収票 |
| 株式などの譲渡所得 | 特定口座年間取引報告書 |
| 【2026年から】生命保険の一時金・年金など | 生命保険契約等の一時金及び年金の支払調書 |
| 【2026年から】損害保険の満期返戻金・年金など | 損害保険契約等の満期返戻金及び年金の支払調書 |
| 控除関係 | マイナポータルで取得できる情報 |
| 医療費控除 | 医療費通知情報 ※健保組合・協会けんぽ等が発行する「医療費のお知らせ」 |
| ふるさと納税 【2026年から】ふるさと納税以外の寄附金控除 | 寄附金受領証明書・寄附金控除に関する証明書 |
| 生命保険料控除 | 生命保険料控除証明書 |
| 地震保険料控除 | 地震保険料控除証明書 |
| 社会保険料控除 | 国民年金保険料控除証明書 国民年金基金掛金控除証明書 |
| 住宅ローン控除 | 年末残高等証明書 住宅借入金等特別控除証明書 |
| iDeCo | iDeCo(個人型確定拠出年金)掛金払込証明書 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済等掛金控除証明書 |
2026年からは新たにふるさと納税以外の寄附金データ、生命保険や損害保険の一時金・年金・満期返戻金などの支払調書が取得可能となった。
※参考:マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧|国税庁
■2026年の確定申告はいつからいつまで?
令和7年分(2025年1月1日〜12月31日分)の所得税の確定申告期間は、2026年2月16日(月)~3月16日(月)まで。e-Taxを利用すれば24時間受付が可能だ。※メンテナンス時間除く。
なお、贈与税の申告期間は2月2日(月)〜3月16日(月)。還付申告(払いすぎた税金の戻し)は、1月1日以降から5年間提出できる。
マイナポータル連携による確定申告のやり方
マイナポータル連携を使った確定申告は、事前準備をすませておけば、スマホやパソコンから簡単におこなえる。
■事前準備(マイナンバーカードとマイナポータルの連携、各種証明書の取得)
マイナポータルを利用したことがない場合は、まず以下のものを用意してマイナポータルで利用者登録をおこなう必要がある。
【必要なもの】
- マイナンバーカード
- 利用者証明用電子証明書パスワード(4桁の数字)
- マイナンバーカード読取対応のスマホ(PCの場合はICカードリーダ/ライタ)
- マイナポータルアプリ(スマホの場合はインストールしておく)
マイナポータルにアクセス後、画面の案内に従ってマイナンバーカードを読み取れば利用者登録は完了する。
登録後は、メニューの「確定申告」から「確定申告の事前準備」ページにアクセスし、生命保険料控除証明書や住宅ローンの控除関連書類など取得したい証明書を選択しよう。
選択したそれぞれの証明書によって、以下のような外部サービスとマイナポータルの連携手続きを行う必要がある。
【マイナポータルと連携する外部サービス】
- e-Tax:給与所得の源泉徴収票、住宅ローン控除関係書類、社会保険料控除証明書など
- e-私書箱:生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、iDeCo(個人型確定拠出年金)掛金払込証明書など
- 民間送達サービス:保険会社や金融機関が発行する各種証明書など
- 厚生労働省:医療費通知情報
これらの設定には数日かかる場合もあるため、確定申告期間の前に余裕を持って連携しておこう。
■確定申告書等作成コーナーでの申告手順
証明書の取得が完了したあとは、以下の手順で確定申告をおこなう。
【事前準備完了の確認】
- マイナポータルの「確定申告の事前準備」ページで、必要な証明書等の取得状況が「完了」になっていることを確認
- マイナポータルの「e-Taxで確定申告をはじめる」ボタンをタップ
【確定申告書等作成コーナーでの作成】
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」に遷移
- 「作成する申告書等を選択」画面で、マイナポータル連携について「連携する」を選択
- マイナポータルの認証を行う(マイナンバーカードの読み取り)
- 取得済みの情報(医療費通知、寄附金証明、保険料控除証明など)が申告書に自動入力される
- 自動入力された内容を確認し、不足している情報があれば手動で追加入力
- その他の所得情報などを入力
- 内容を確認し、e-Taxで送信(マイナンバーカードでの電子署名が必要)
マイナポータルで証明書等のデータ取得を完了させてから、確定申告書等作成コーナーで申告書を作成するのがポイントだ。
■スマホで申告する場合はスマホとマイナンバーカードの一体化が便利
スマホで確定申告する場合は、スマホにマイナンバーカードを連携しておくと、マイナポータルや外部連携サービス(e-私書箱など)へのログイン時にFace IDやTouch IDなどの生体認証を利用できて便利だ。iPhone、Android端末のいずれもマイナンバーカードを搭載できる。
ケース別:マイナポータルでの確定申告【会社員向け】
会社員が確定申告する代表的な2つのケース(医療費控除、住宅ローン控除)でマイナポータル利用時の注意点を見てみよう。
■ケース1:医療費控除の申告
マイナポータルで取得できる医療費通知情報は、健康保険組合や協会けんぽが発行する「医療費のお知らせ」に基づいている。ただし、自動取得されない医療費情報(以下)もあるため注意したい。
- 通院にかかった交通費(電車・バス・タクシー代など)
- 自費診療などの保険外診療
- はり・きゅう等の施術費用
- 整骨院・接骨院の柔道整復療養費
これらは自動取得されないが、治療に関わる費用であれば医療費控除の対象となるため、申告書作成時に手動で入力しよう。
■ケース2:住宅ローン控除の申告
住宅ローン控除は、初年度(住宅取得1年目)のみ確定申告が必要となる。会社員の場合、2年目以降は年末調整で処理可能だ。
【初年度の確定申告に必要な主な書類】
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(※)
- 登記事項証明書(法務局で取得。オンライン請求可能)
- 不動産売買契約書または請負契約書の写し
- 源泉徴収票(スマホ撮影で自動入力可能)
- 住宅の性能を証明する書類(認定長期優良住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の場合)
※令和6年(2024年)1月以降に居住開始した場合はマイナポータルから取得可能。ただし、金融機関が未対応の場合10月〜1月頃に郵送される
確定申告書をe-Taxで送信したあと、その他の書類(登記事項証明書、契約書、性能証明書など)は、スマホなどで撮影しイメージデータ(PDF)で送信するか、郵送で税務署へ提出する。
マイナポータルでできること・できないこと【自営業者・個人事業主向け】

自営業者・個人事業主の場合、事業所得の計算・書類作成は別途行う必要があるが、各種控除証明の取得にマイナポータルを活用できる。
■青色申告決算書・収支内訳書の作成はマイナポータルではできない
事業所得の申告に必要な青色申告決算書や収支内訳書は、従来通り、国税庁「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフト(弥生、freeeなど)を使って作成する。
■個人事業主の確定申告の流れとマイナポータルの活用
自営業者・個人事業主が「確定申告書等作成コーナー」とマイナポータル、e-Taxを組み合わせて申告する場合の流れは以下の通り。
- マイナポータルで各種控除証明書等のデータ取得手続きを完了しておく
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」に遷移
- 「作成する申告書等を選択」で「決算書・収支内訳書(+所得税)」を選択
- マイナポータル連携について「連携する」を選択(事前に取得済みのデータを利用)
- 青色申告決算書または収支内訳書を作成(事業所得の計算)
- 所得控除の入力画面で、事前に取得した控除証明が自動入力される
- 内容を確認し、必要に応じて追加入力
- e-Taxで送信
なお、会計ソフトを利用した場合は、会計ソフトがマイナポータルやe-Taxとの連携機能を備えているため、青色申告決算書・収支内訳書の作成後は、そのまま各種証明書の取得とe-Taxでの送信までできるケースが多い。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。







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