カンロ飴やピュレグミなどでおなじみのカンロ(株)が発売した「スノーマロウ」がSNSなどで話題となり、予約販売分は24時間で完売。今月26日に追加販売が決定したが、こちらも発売当日に完売した。スノーマロウは、爽快パウダーをまとったマシュマロに、ホワイトショコラをたっぷりとコーティングした雪玉のような粒が、雪のようなくちどけの粉雪ショコラでたっぷりと覆われて、美しい缶に入っている。付属のリーフレットにはショートストーリー「A story of Snow Mallow」が描かれて、お菓子の世界観を打ち出した。
付属のシルバーピックで粉雪ショコラの中に隠れている雪玉を探す「雪玉さがし」や、粉雪ショコラをスプーンですくう「スコップすくい」など、雪遊びを楽しんでいるような写真がSNSにアップされているが、なぜこんなに人気を集めたのだろう。スノーマロウの魅力はどこにあるのか。商品開発を担当した木村さんに聞いてみた。
贅沢な食体験を提案した新商品
――美しいパッケージのスノーマロウですが、開発と発売の経緯を簡単に教えてください。
木村さん 本商品の開発は、2023年6月頃にスタートしました。発売に至るまで、約2年半を要しています。開発当初はシーズ起点の企画として、「チョコレートでコーティングしたプレミアムマシュマロ」をテーマに、EC専売の高付加価値商品として検討を進めてきました。「研究で磨き上げてきた技術を、より付加価値のある形で世の中に届けたい」という考えのもと企画を深化させ、当社ならではの価値提案を形にした商品がスノーマロウです。
――予約販売分は24時間で完売し再販分も完売と、予想以上のヒット商品となりましたね。具体的にもう少しスノーマロウという商品について紹介してください。
木村さん 「ショコラの雪に隠れた、もっちりマシュマロ」をコンセプトにした、雪の世界観を詰め込んだ冬季限定商品です。爽快パウダーをまとったマシュマロにホワイトショコラをたっぷりとコーティングした雪玉のような粒を、まるで雪のようなくちどけの粉雪ショコラでたっぷりと覆うようにスノーマロウ缶に入れてお届けします。
付属のシルバーピックで粉雪ショコラの中に隠れている雪玉を探す「雪玉さがし」や粉雪ショコラをスプーンですくう「スコップすくい」など、まるで雪遊びしているような世界観でお楽しみいただけます。
同梱のリーフレットにはショートストーリー「A story of Snow Mallow」が描かれており、スノーマロウの世界観にたっぷり没入できる仕様になっています。ティータイムや週末の贅沢など自分へのご褒美にはもちろん、友人や同僚などへの冬のプチギフトなど様々なシーンでお楽しみいただける商品です。
――食感も味わいも独特ですが、こだわったポイントとは?
木村さん 爽快パウダーをまとわせた、もっちり食感のヨーグルト味マシュマロに、くちどけの良いホワイトショコラをたっぷりとコーティングしています。噛むごとにショコラのなめらかさとマシュマロのもちっとした弾力が重なり、食感のコントラストを楽しめる設計です。
こだわったポイントは、マシュマロ表面の爽快パウダーです。濃厚なホワイトショコラと組み合わせながらも、後味は重くなりすぎず、すっきりとした余韻に仕上げています。甘さと爽やかさのバランスにこだわり、最後まで心地よく楽しめる味わいを目指しました。
また、粉雪ショコラは雪が溶けるような繊細なくちどけが特長で、粒と一緒にすくって味わうことで、よりデザート感のある贅沢な食体験をお楽しみいただけます。
アメージングな感動体験を届けたい
――見た目がまるで高級化粧品のパッケージのようです。
木村さん パッケージは、「雪の世界に触れる体験」をテーマに設計しています。Snow Mallowのロゴをあしらった、雪のようにふんわりとした手触りの真っ白な箱の中に、雪の結晶をモチーフにした“スノーマロウ缶”を収めました。缶は両手におさまるサイズ感で、食べ終わった後も小物入れやインテリアとして使いたくなるようなデザインを意識しています。
また、シルバーピックと、スノーマロウの世界観を描いた物語「A story of Snow Mallow」を収録したリーフレットを付属しています。物語は、思わず童心にかえるようなやさしい冬のストーリーで、読みながら味わうことで商品世界により深く没入できる設計としました。
シルバーピックは、粉雪ショコラの中から雪玉を探し出すためのアイテムで、「食べる」だけでなく、雪遊びをするように楽しむ体験を演出する存在です。お菓子としてだけでなく、体験全体を楽しんでいただける商品を目指しています。
――ものすごくこだわっているのが伝わってきます。商品名の由来とは?
木村さん 商品名の「スノーマロウ(Snow Mallow)」は、雪を意味する「Snow」と、マシュマロ(marshmallow)から取った「Mallow」を組み合わせた造語です。本商品の最大の特徴である“雪のような口どけ”と、“やわらかなマシュマロの食感”を、名前そのものから直感的に感じ取ってもらえるよう意識しました。
また、本商品では世界観づくりを大切にしており、物語の舞台を「とある遥か北国の森の中」と設定して、その幻想的で静かな冬のイメージを表現するため、和文ではなく、英語表記の商品名を採用しました。
「スノーマロウ」という響きには、冷たさだけでなく、やさしさやぬくもりも感じられるような余白を持たせています。味や食感、パッケージ、物語といったすべての要素をひとつにつなぎ、手に取った瞬間から食べ終わった後まで、ひとつの世界に浸っていただける商品でありたい、という想いを込めています。
――開発者として一番、苦労した点はどこですか?
木村さん 一番苦労した点は、「前例のない商品をゼロベースで設計したこと」です。当社はキャンディメーカーのため、チョコレートを主役にした商品開発は知見も少なく、原料の選定や扱い方を含めてすべてが手探りからのスタートでした。加えて、商品仕様自体も市場に類似例がなく、研究担当と議論を重ねながら、通常よりも長い時間を要しました。
特に時間をかけたのが「粉雪ショコラ」の開発です。味わいだけでなく、製造適性や保管状態、品質の安定性まで含めて複数案を検証し、最もバランスの取れたものを選び抜きました。
また、チョコ掛けマシュマロを雪玉のように美しい球状に仕上げる点も難易度が高く、何度も試作を重ねました。苦労は多かったですが、「アメージングな感動体験を届けたい」というコンセプトへの手応えが、最後まで開発を支えてくれました。
食べる体験全体をひとつの世界に
――開発において最もこだわった部分とは?
木村さん 開発でもっともこだわったのは、味や食感だけで完結させず、「食べる体験」全体をひとつの世界として成立させることです。
スノーマロウは、雪のようなくちどけや、もっちりとしたマシュマロの食感といったおいしさに加えて、「雪遊びをするように楽しむ」という体験そのものを価値として届けたいと考えていました。そのため、粉雪ショコラの広がり方、スプーンですくう所作、視覚的な印象、そして物語やパッケージまで、すべてが自然につながるよう細部まで設計しています。
また、大人がふと童心にかえるような、静かな冬の時間を感じてもらえることも大切にしました。ただ食べるだけでなく、探す、すくう、溶けゆく様子を味わう。そうした一連の体験の中で、ひとつの物語に入り込んだような余韻が残ることを目指しています。
単に「おいしい」で終わらず、手に取った瞬間から食べ終わった後まで、心に残る時間を提供できること。それこそが、開発において最もこだわった部分です。
――どの層をターゲットとした商品ですか?
木村さん 本製品は、年齢や性別といった明確な属性でターゲットを限定するというよりも、「世界観や体験を楽しむ価値観」を持った方々に向けた商品として開発しました。
スノーマロウは、既成の商品概念にとらわれず、味わいや食感、多彩な見た目、そして食べている時間そのものの楽しさまで含めて提供する、「おいしいワクワク体験」を届ける「アメージングカンロ」シリーズの第3弾です。本シリーズではこれまで、満天の星空を手元に閉じ込めたような幻想的なラムネ「ホシフリラムネ」や、癒しを詰め込んだ“小さな海”の世界観を楽しめる「シークラゲグミ」など、日常から少し離れた非日常体験を味わえる商品を展開してきました。
そうした商品を通して共通して支持されてきたのが、エモーショナルな世界観に浸ることが好きな方、ユニークで遊び心のあるモノやコトに価値を感じる方、そしてセンスの良いギフトを選びたいと考える方々です。スノーマロウも、この価値観を共有する方々に向けて、世界観を重視した商品設計を行いました。
結果として、年齢層にとらわれることなく、自分のためのご褒美として楽しむ方や、大切な人へのギフトとして選ぶ方など、幅広い層に手に取っていただける商品になったと考えています。
――まずはSNSで大人気となりましたが、ヒットの理由について分析してください。
木村さん 本商品のヒットは、単発の要因というよりも、これまで積み重ねてきた取り組みの結果が形になったものだと捉えています。
キービジュアルや世界観設計によって「どんな体験ができる商品なのか」が直感的に伝わり、SNSでの反響を通じて多くの方の目に触れるきっかけが生まれました。一方で、実際の購買を大きく支えたのは、メルマガやLINEなどを通じて関係を築いてきた既存会員の方々でした。
「アメージングカンロ」シリーズを通して、世界観や体験価値に共感してくださるファンが少しずつ増えてきた中で、「このシリーズの新作なら体験してみたい」という期待が、予約販売開始から24時間以内の完売につながったのではないかと考えています。SNSが新たな入口となり、既存ファンの購買行動がそれに続く形で両輪がかみ合ったことが、今回のヒットにつながったと分析しています。
――伝説の商品となりましたが、開発者としてここから得たことがあれば教えてください。
木村さん 今回の開発を通じて、味や食感だけでなく、体験全体を設計することの有効性を改めて確かめることができました。
過去に担当した「ホシフリラムネ」でも、味だけでなく、星空がお菓子になって降ってきたようなラムネを自分の手で集め、幻想的な瓶に閉じ込める“星集め体験”そのものを価値として設計してきました。スノーマロウでも考え方は同じで、物語・食べ方・パッケージまでを連動させ、世界観を立体的に組み立てています。
なかでも改めて強く実感したのは、物語や世界観を開発初期から作り込むと、商品全体に一貫性が生まれるという点です。「雪遊びをするように楽しむ」というコンセプトが、味づくりや形状、仕様、デザインの決定を支える共通の軸(チームの共通言語)になり、迷いが減り、仕上がりの精度が上がりました。
これからも“物語を起点にした一貫性のある開発”を磨き、多くの方の心に残る商品づくりにつなげていきたいと思っています。
強い「体験型・物語型」の商品
――お客様からはどんな声が寄せられていますか?
木村さん 購入後アンケートを通じて、特に多かったのは、世界観や体験そのものに対する好意的な評価です。
購入理由として、「見た目や世界観に惹かれた」が回答の約7割、また「雪の中からマシュマロを掘り起こす体験が楽しそうだった」といった声も6割を超えており、味や商品スペック以前に、体験型・物語型の商品として受け止めていただけました。
味については、「ホワイトショコラのなめらかなくちどけや、雪のようなパウダーの風味が印象に残る」という声が多く見られました。
購入目的としては、「自分用」と「ギフト用」が混在しており、特に複数個購入された方の約7割が「自分用とギフト用で分けたかった」と回答しています。贈る前にまず自分で体験し、良ければ誰かに渡したい、という行動が多く見られた点も印象的でした。
――今後はどのような展開が予定されていますか?
木村さん 今後も冬季限定の商品として展開していく計画です。雪の世界観や季節感と深く結びついた体験型のお菓子であるため、冬という季節ならではの楽しみ方を大切にしながら育てていきたいと考えています。
具体的な内容については検討中ではありますが、今回得られたお客様の声や反響を踏まえながら、スノーマロウらしい体験価値をどう進化させていけるかを模索していく予定です。
――ありがとうございました。
商品の世界観にたっぷり浸ることができるスノーマロウ。付属のリーフレットに書かれたショートストーリー「A story of Snow Mallow」は、一冊の絵本に匹敵するほどの完成度の高い作品で、感動的だった。
文/柿川鮎子
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