今、世界的にクルーズがトレンドだ。Cruise Lines International Associationの「State of the Cruise Industry Report 2025」によると、2024年の世界のクルーズ人口は3,460万人に達している。
コロナ禍前の2019年と比べ500万人近くも増加しており、さらに2025年、2026年と増加する見込みだ。
一方、国土交通省の「日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた有識者検討会」とりまとめによると日本のクルーズ人口は2024年22.4万人で、ピーク時の2019年35.6万と比べると10万人以上減少していた。
日本人がクルーズを楽しむのは、なじみがなく、やはり難しいのかーー。「そんなことはなく、2026年以降、日本のクルーズ人口は間違いなく増えます」と断言するのは株式会社ベストワンドットコムで代表取締役社長を務める野本洋平さん。その背景や理由を詳しく伺った。
船が大きい=リッチな豪華客船とは限らない。世界では「カジュアル船」が人気

2005年に設立し、クルーズ旅行・船旅を専門としたオンライン・トラベル・エージェント(OTA)事業を中心に展開している株式会社ベストワンドットコム。2025年に20周年を迎え、オンライン旅行予約サイト「ベストワンクルーズ」を運営している。
野本さんは前職の国土交通省・関東運輸局を退職後、世界一周する「ピースボートクルーズ」に乗船したことをきっかけにクルーズに魅了され、2009年にベストワンドットコムに入社。
当時はクルーズのイメージは「豪華で一生に一度」「海外発着」など一部の人だけが楽しむようなものだったが、もっと多くの人にクルーズを体験してほしいという思いがあったという。2022年には、代表取締役社長に就任している。
クルーズは大きく「カジュアル船」、「プレミアム船」、「ラグジュアリー船」の3つに分けられる。そのうち今、世界的にトレンドなのが「カジュアル船」だ。
カジュアル船は1泊あたりの料金がおおよそ100ドル台~とリーズナブルで大型客船という特徴があり、乗客定員数が多い。
例えばラグジュアリー船の「飛鳥Ⅲ」は乗船人数が740人、総トン数は52,000トンだが、カジュアル船で世界最大の客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」は乗船人数が最大7,600人、総トン数は約25万トン。つまり、カジュアル船が多く運航している結果、世界のクルーズ人口が増加している。
そして日本人は「船が大きい=豪華客船」というイメージを持ちがちだが、船が大きいほどカジュアル船の可能性が高く、リーズナブルにクルーズを体験できる。
野本さん「クルー1人あたりお客様が何名該当するかによって、カテゴリーが分けられます。
カジュアル船はクルー1人に対して約5名、プレミアム船はクルー1人に対して約3名、ラグジュアリー船はクルー1人に対して約1.5~2名。船の大きさも異なり、カジュアル船は10万~20万トン以上、ラグジュアリー船は2万~3万トンが目安です」
野本さんによるとコロナ禍後に日本でクルーズ人口の回復が遅れていた原因は、2つあるという。1つ目が「円安」。ヨーロッパやカリブ海など日本から海外へ飛行機で向かい、現地から乗船する海外発着のクルーズの需要が、戻ってきていないという。
野本さん「日本人のクルーズ人口のうち、ヨーロッパ方面は2019年は約5万人でしたが、2024年は約7千人と、大きく落ち込んだままになっています」
2つ目は日本籍の船の減少。日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」がコロナ禍をきっかけに2023年1月を最後に運航を終了し、2024年11月まで日本籍の船は郵船クルーズの「飛鳥Ⅱ」と商船三井クルーズの「にっぽん丸」の2隻のみだった。
野本さん「コロナ禍前には1泊2日や2泊3日など、日本籍の船によるショートクルーズも頻繁に行われていました。しかし、コロナ禍明け直後は検査等も必要だったため、1泊2日のショートクルーズがほぼなくなり本数が減ってしまったのも、2024年に日本のクルーズ人口の回復が遅れた一つの要因です」







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