日々のカードショッピングで、暗号資産のBNB(ビルドアンドビルド)が貯まるクレジットカード『Binance Japan Card(バイナンス・ジャパン・カード)』が登場した。このカードはBinance Japanとライフカードが提携して発行するもので、2026年1月13日より申し込みを開始した。
『Binance Japan Card』
条件:日本国内在住の18歳以上で電話連絡が可能な人
国際ブランド:JCB
年会費:初年度無料、2年目以降1650円。ただし年間10万円以上のショッピング利用で次年度無料
ポイント還元率:1.6%のBNBを付与(年会費、キャッシング、リボ払い・分割払いの手数料、ETC利用分は対象外)
※Binance Japanのアカウントを開設し、本人確認を完了する必要がある。
グローバル展開するBinanceの強み
カードの名称になっているBinanceとは、世界最大規模の暗号資産取引所のこと。グローバルの暗号資産市場の約50%の取り引きを行なっているといわれ、日本を含めた世界21か国でライセンスを取得して業務展開。現在、3億人以上のユーザー数を誇る。
そんなBinanceの日本法人がBinance Japanだ。2023年8月にサービスを開始し、3年経たない間に取扱銘柄数を65銘柄まで拡大。この数は国内最大規模で、預けていた期間に応じて暗号資産が増える「EARN(アーン)」も国内最多の30銘柄を取り扱う。
最大の強みは、グローバルのBinanceと共有して、グローバル価格での取引環境を日本国内でも得られ、円決済できること。2025年10月にはPayPayと資本業務提携契約を結び、翌11月からPayPayマネーやPayPayポイントで暗号資産を購入したり、売却代金をPayPay残高にチャージできるなど、PayPayとの連携サービスも開始している。
『Binance Japan Card』発行の背景
国内でも徐々に拡大する暗号資産だが、一般的なユーザーが暗号資産に触れる機会はまだまだ少ない。「始め方がわからない」「投資として構えてしまう」といった心理的ハードルに加え、ビットコインのハッキング事件や価値の急落など、ネガティブなイメージもあり、積極的に手を出しにくい印象だ。とはいえ世界の潮流としては、暗号資産が重要な要素になりつつある。
そんな暗号資産に対するイメージを払拭して、親しんでもらうための方法として登場したのが『Binance Japan Card』だ。「ポイント経済が発展する日本では、カードで日常の買い物をしている内に、気付いたら暗号資産が貯まっているという導線が馴染みやすいのではないかと考えた」と、Binance Japan 代表取締役の千野剛司氏。
『Binance Japan Card』を利用すると、1.6%分の暗号資産のBNBが貯まる。通常1%以上の還元があるカードを高還元率カードと呼ぶが、このカードは1.6%分と業界最高水準の還元率となる。
BNBはブロックチェーン上のアプリケーションの運用やサービスの中で、幅広く利用されることを前提に設計された暗号資産。Binance Japanが提供するサービスでは、BNBを取引手数料の支払いに利用することで手数料が割引されたり、一定期間保持するなど、条件をクリアすることでBNBが無料でもらえるなど、貯めたBNBを有効に活用できる。利用価値の高まりが価格に反映される可能性もあり、この点が通常のポイントとは異なる部分と言える。ただし、価値が下がる可能性もあることは理解しておきたい。
暗号資産のグローバル市場動向
2025年、世界の暗号資産市場は約500兆円規模となり、金融資産の一角として存在感が確立されてきた。現在では実に様々な種類の暗号資産が出てきているが、中でも今、注目を集めているのかステーブルコインだ。
ステーブルコインとは価値が安定している暗号資産で、その特性から日常の決済や送金などに適している。2025年の躍進は目覚ましく、時価総額のトップ3は、香港を拠点とするテザー社が発行する「USDT(テザー)」、アメリカのフィンテック企業・サークル社の「USDC(USD Coin)」、ポルトガルやニューヨークなどを拠点とするEthena(エセナ)が発行する「USDe」で、中でも「USDT」のシェアはステーブルコイン市場の約6割にも及ぶ。
暗号資産の取引は基本ドルベースで行なわれるのが一般的だが、昨年、日本でも2つのテーブルコインが流通を開始した。その1つがサークル社の「USDC」で、もう1つが国内で立ち上がった「JPYC」だ。上場企業の暗号資産保有が増加し、財務戦略の一環として多様な暗号資産を保有する動きも見られる。
2026年の見通しとしては、デジタル資産の規制の枠組みを整備しようという動きが進展。日本の暗号資産規制は「資金決済法」から「金融商品取引法」へと移行予定で、これによって投資家保護や既存金融との融合が進むことが期待されている。
日常の買い物でポイントを意識的に利用する人は約8割もいるのに対して、投資行動は依然として限定的で、投資経験者は約2~3割に止まる。この現状が『Binance Japan Card』によってどう変わっていくのか。『Binance Japan Card』は暗号資産の普及にどれほど貢献できるのか、今後の展開に注目していきたい。
文/綿谷禎子







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