小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

なぜ、発火事故は多発するのか?知らないと危険な「リチウム蓄電池」の捨て方

2026.02.09

リチウム蓄電池の発火事故が相次ぐ背景を踏まえ、電池の基礎知識や事故が起きる理由、家庭でできる正しい捨て方と事前に確認すべき安全ポイントについてまとめた。

近年、身近な製品に使われているリチウム蓄電池を原因とする発火事故が相次いでいる。ニュースで「ごみ収集車から出火」「リサイクル工場で火災」といった報道を目にし、不安を感じた人も多いのではないだろうか。こうした事故の多くは、使用中ではなく「捨て方」に起因している。リチウム蓄電池は便利な一方で、扱いを誤ると大きな事故につながる特性を持つ。

本記事では、リチウム蓄電池の基礎知識から、発火事故が起きる理由、そして家庭で実践できる正しい捨て方までを確認し、安全に処分するためのポイントを解説する。

リチウム蓄電池とは?身の回りにある代表的な製品

スマートフォンや家電に欠かせないリチウム蓄電池だが、誤った扱いや廃棄による発火事故が問題となっている。まずは、その仕組みと使われている製品を確認しておきたい。

■高性能だが扱いに注意が必要な「リチウム蓄電池」

リチウム蓄電池は、一般にリチウムイオン電池と呼ばれる充電式の電池だ。使い切りの一次電池とは異なり、繰り返し充電・放電できる二次電池に分類される。

小型で軽量ながら多くの電力を蓄えられる点が特徴で、エネルギー効率や経済性にも優れている。一方で、内部には可燃性の電解液が使われていて、強い衝撃や圧力が加わると内部短絡を起こし、急激な発熱や発火につながる恐れがある。利便性と危険性を併せ持つ電池である点は、正しい廃棄方法を理解する上で欠かせない視点だ。

■家庭や職場で使われている主な製品例

リチウム蓄電池は、日常生活や仕事の場面で幅広く使用されている。代表的なものはスマートフォンやノートパソコン、モバイルバッテリーだが、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチ、携帯用扇風機など、身に着けて使う製品も多い。他にも、コードレス掃除機や小型ゲーム機、電子たばこなどにも搭載されている。

なぜ危険?リチウム蓄電池の発火事故が増えている理由

リチウム蓄電池の発火事故は、使用中だけでなく廃棄の過程でも多発している。普及が進む一方で、回収や分別に関する認知が追いついていないことが、事故増加の背景にある。特にごみ処理の現場では深刻な問題となっており、その実態を見ていこう。

■ごみ収集・処理現場で相次ぐ発火事故

近年、ごみ収集車やごみ処理施設でリチウム蓄電池が原因となる火災事故が相次いでいる。環境省のデータによれば、全国の市区町村で消火対応を要した火災は令和5年度だけで約8,500件にのぼる。

背景には、回収されたごみが破砕・圧縮される工程で電池が押しつぶされ、内部でショートや発熱を起こす構造的なリスクがある。特にプラスチックのリサイクル工程では、刃の入った機械で破袋・解砕されるため、発火が周囲に燃え広がりやすい。一度延焼すると消火が困難になる点も、現場の大きな負担となっている。

■事故の多くは「誤った捨て方」が原因

発火事故の多くは、リチウム蓄電池が本来の回収ルートを外れて捨てられることに起因する。可燃ごみや不燃ごみに混ざったまま出されたり、破損や膨張、充電残量がある状態で廃棄されたりするケースは少なくない。また、端子部分を絶縁せずに捨てたことで、他の金属と接触しショートを起こす例もある。

こうした製品はプラスチックごみとして出されがちだが、電池が取り外せない構造や磁力で選別できない素材のため、処理工程で除去することが難しい。その結果、事故のリスクが高まってしまう。

リチウム蓄電池の正しい捨て方

リチウム蓄電池は、可燃ごみや不燃ごみとして捨ててはいけない。事故を防ぐためには、決められた回収ルートを正しく選ぶことが重要だ。詳しく確認していこう。

■自治体の定期収集を活用する

家庭から出るリチウム蓄電池は、多くの自治体で「小型充電式電池」や「有害ごみ」として分別回収されている。可燃ごみや不燃ごみに分類されることは基本的になく、自治体ごとのルールに従うことが最優先となる。

回収方法や回収日、持ち出し方は地域差が大きいため、「〇〇市 リチウムイオン電池 捨て方」などで事前に確認したい。独自の回収日や専用ボックスを設けている自治体もあり、正確な情報を把握することが安全な廃棄につながる。

■回収ボックスを利用する

自治体で定期回収が行われていない場合は、家電量販店や公共施設に設置された回収ボックスを活用する方法がある。これらは、小型充電式電池のリサイクルを担う一般社団法人JBRCの仕組みに基づくものだ。

対象となるのは会員企業の電池で、端子を絶縁処理した上で持ち込む必要がある。なお、膨張や破損が見られる電池は回収対象外となる場合が多く、無理に投函せず別の方法を検討することが求められる。

■メーカーや販売店での回収を利用する

スマートフォンやノートパソコンなど、バッテリーが本体と一体になった製品は、メーカーや販売店による回収を利用するのが基本だ。買い替え時の下取りや、専用の回収サービスを通じて適切に処理されるケースが多い。

安全に捨てるために必ず確認したいポイント

リチウム蓄電池は、捨てる前の確認を怠ると発火事故につながる恐れがある。捨てる際は、安全面のチェックを徹底したい。

■リチウム畜電池が取り外せるかを確認する

まず確認すべきなのは、バッテリーが製品本体から取り外せるかどうか。取り外し可能な場合は、バッテリー単体として適切な回収ルートに出すことが基本となる。

一方、スマートフォンやノートパソコンなど、構造上簡単に外せない製品も多い。その場合は、無理に分解せず、製品ごと回収に出す判断が必要だ。誤った分解は内部を損傷させ、発熱や発火の原因になりかねない。処分方法は「外せるかどうか」で大きく変わる点を押さえておきたい。

■バッテリーが膨張・変形・破損していないか確認する

バッテリーの膨張や変形、外装の破損は、内部で異常が起きているサインだ。こうした状態の電池は、通常の回収ボックスでは受け付けてもらえない場合が多く、取り扱いには注意が必要だ。内部の構造が不安定になると、わずかな衝撃でも発火に至る危険性が高まる。異常が見られた場合は、自己判断で廃棄せず、自治体や販売店に相談するのが安全。発火事故の多くは、こうした異常を見過ごした廃棄から起きている。

■端子部分の絶縁処理を行う

回収に出す前には、必ず端子部分の絶縁処理が必要だ。プラス極とマイナス極が露出したままだと、他の金属と接触してショートを起こし、発熱や発火につながる恐れがある。処理方法は難しくなく、端子をセロハンテープやビニールテープでしっかり覆えば良い。この一手間を省くことで、回収や運搬の過程で事故が起きるリスクが高まる。安全な廃棄のためには、絶縁処理を徹底することが重要だ。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/Ema

Author
30代。都内の大学を卒業後、新卒でホテル業界に就職し、接客・観光業務に従事。現在は観光関連の記事の企画・執筆・取材を中心に活動し、インバウンド向け観光ガイドも行う。ヨガRYT200やローフードマイスターの資格を持ち、心身の健康に配慮したライフスタイルを大切にしている。観光からビジネス、時事、ライフスタイルまで幅広く執筆し、読者に寄り添った実用的で分かりやすい記事を心がけている。最近は愛犬と自然の中で過ごす時間がお気に入り。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年12月16日(火) 発売

来年末は、DIME本誌で答え合わせ!?来る2026年、盛り上がるだろう意外なブームを各ジャンルの識者・編集部員が大予言! IT、マネーから旅行にファッション、グルメまで……”一年の計”を先取りできる最新号!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。