首都圏の新築マンションの高騰は続いているが、それを受けて中古マンションの平均価格も上昇している。LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス『LIFULL HOME’S』は、物件価格の高騰が続く首都圏の中古マンション専有面積の推移を調査して結果を公開した。
『LIFULL HOME’S』に掲載された中古マンションの専有面積は縮小傾向だったが、問い合わせのある物件の専有面積はさらに大きく縮小傾向だったことがわかった。
「首都圏」中古マンション平均掲載占有面積・反響専有面積の推移
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の首都圏の中古マンションの掲載専有面積と問合せのあった物件の専有面積(反響専有面積)の平均値は、5年前と比較して縮小傾向になった。
2020年から2025年(1月-11月)にかけては、掲載専有面積の縮小が3.69平方メートル(68.39平方メートル→64.70平方メートル)に対して、反響専有面積は6.54平方メートル(66.86メートル→60.32平方メートル)と2倍近く縮小していた。
「首都圏」中古マンション平均掲載価格
反響専有面積が縮小している要因のひとつは住宅価格の高騰だ。首都圏の中古マンション平均掲載価格は2020年から2025年(1月-11月)にかけて66.7%(プラス3319万円)も上昇しており、前年比でも23.2%(プラス1565万円)と急上昇している。一方で反響価格は6214万円で、対前年比では6.7%(プラス392万円)の上昇に留まっていた。
「首都圏」2025年 面積別の中古マンション掲載割合
2025年(1月-11月)の面積別首都圏中古マンション掲載割合は、70平方メートル以上-80平方メートル未満が27.3%で最多だった。40平方メートル未満のシングル向けや40平方メートル以上-50平方メートル未満のふたり暮らし向け中古マンションが一定量流通しており、今後も中古マンション価格が上昇し続ければ、単身者や夫婦のみの世帯に対応した中古物件のニーズが高まっていきそうだ。
新築連動で中古マンション価格が上昇し、中古マンションの専有面積に影響
LIFULL HOME’S総研チーフアナリストの中山登志朗副所長は、今回の結果を受けて次のようにコメントしている。
「新築マンションの価格高騰(都内では坪単価が1000万円を大きく超える水準で分譲が継続)に連動して、中古マンションの価格が急上昇しています。東京23区の中古マンションは築25年まで流通価格が平均1億円(70平方メートル換算)を超えており、東京23区のファミリー向け中古マンション掲載価格は1億822万円と集計開始以来最高値を更新、前年同月比で46.0%(プラス3408万円)の上昇を記録しています。消費者にとってマンション購入はハードルが高い状態になっています。
短期間で急激に物件価格が押し上がれば、掲載物件に対して反響が追従できず、価格の乖離率が拡大します。予算に対して、築年数・駅徒歩・専有面積などを妥協することになりますが、今回は専有面積に着目しました。
首都圏における2025年の反響専有面積は2020年比で6.54平方メートル(約2坪・畳4枚分)縮小、前年比でも1.61平方メートル(約0.5坪・畳1枚分)縮小しています。一方、掲載専有面積は2020年比で3.69平方メートル(約1坪・畳2枚分)の縮小に留まっており、前年比ではプラス0.06平方メートルと横ばい推移していることから、価格上昇によってより狭い物件を購入対象として検討する傾向が強まっていることが明らかです。購入条件を譲らざるを得ないという中古マンション購入検討者の状況が浮き彫りになっています。
マンション購入がより厳しさを増すなか、国交省は新築住宅の住宅ローン控除対象となる専有面積を、2021年から特例措置として従来の50平方メートルから40平方メートルに緩和していましたが、2026年からは恒久措置とする方針を表明しています。この制度変更は、住宅をより購入しやすくする効果があるため、新築住宅だけでなく、裾野の広い中古住宅にも適用範囲を拡大させることを強く望みます。中古マンションの流通にも追い風になるでしょう」
高騰が止まらない首都圏の新築マンション事情の中で、中古マンション購入を選択肢として考えている人は多いはずだ。その中で反響専有面積の縮小は、中古マンション高騰による現実的なニーズの変化を浮き彫りにしている。今後もマンションの高騰が続けば、購入を考える専有面積の縮小は進んでいきそうだ。
『首都圏の中古マンション専有面積の推移の調査』概要
集計対象:『LIFULL HOME’S』に掲載された築10年以内・徒歩10分以内の中古マンション
集計期間:2020年~2025年11月
構成/KUMU







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