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世界中の英知に触れる絶好の機会!「Steam」のプレイテストに参加してみよう

2026.01.25

ゲーム配信プラットフォーム『Steam』で発売されているゲーム、或いはその存在が公開されているゲームは、必ずしも「完全版」ではない。いや、むしろ完全版のほうが割合としては少ないのではないか?

いわゆる「早期アクセス版」や、さらにそれ以前の段階の「プレイテスト版」なども配信されているのがSteamという世界である。昔のゲームソフトと違い、今は開発者がいつでも公開作品のアップデートができる。つまり、開発した作品のアルファ版、ベータ版を一般ユーザーにプレイしてもらい、バグや欠点を修正していこうということをやっているのだ。

このプレイテストに参加してみる、というのも現代に生きているからこそできる道楽と言えるのではないか。

現代のゲームは「後から修正」が可能

1984年生まれの筆者にとって、「子供時代のゲーム」とは即ち任天堂のスーパーファミコンだった。

スーパーファミコンのソフトは、名作も多い一方で「何だこりゃ!?」と叫んでしまいたくなるような駄作・珍作も多かった。また、名作と言えるゲーム性ではあるがバグが多く、慎重に操作しなければ取り返しのつかないことになってしまうタイトルもあった。いかんせん、この時代のソフトとは「モノとしてのカートリッジ」である。一度購入してしまったら、バグがあろうが酷い内容だろうが返品は利かない。

もちろん、今は違う。その作品がトンデモゲームになってしまわないよう、発売前にオンラインでプレイテストを実施することができる。実際にプレイヤーを集めて、開発したゲームの一部を遊んでもらうのだ。

そうすることで様々な意見を集めて、それを開発に反映することができる。

ここで、視点をプレイヤー側に切り替えてみよう。開発者というわけではない一般ユーザーにとってのプレイテストとは、「無料で最新のゲームができる機会」である。また、さらに前向きな心構えをしてみると、世界中の「人類の創意工夫」に遠慮なく接することができるのだ。

『コメンテーター』のプレイテストに参加!

先日、筆者はテバサキゲームズが開発した『コメンテーター』のプレイテストに参加する機会に恵まれた。

日本の報道テレビ番組は、国際的な目で見れば非常に特殊な様式である。その時取り扱っている題材に精通している専門家、というわけではないコメンテーターがニュース解説を行うのだ。オリンピックで金メダルを取った元スポーツ選手が、なぜか北朝鮮情勢について語る光景を見ることができるのは日本ならでは。そんな具合に、『コメンテーター』はタイトルの通りコメンテーターになってあらゆるジャンルのニュースに意見を言うという一風変わった内容に仕上がっている。

去年暮れに実施されたプレイテスト、そしてそれ以前の試遊版やゲームイベントでの展示プレイなどでも筆者は『コメンテーター』に触れている。「英知の結晶」とは、まさにこのような作品のことを言うのではないか。筆者もライターという稼業に足を踏み入れて10余年経つが、日本型ジャーナリズムをここまで的確に表現している作品も珍しい。

名前は伏せるが、ここ数年で頭角を現すようになった政治学者のA氏という人物がいる。彼の著書は売れに売れていて、その流れからついに報道番組のコメンテーターとして出演するようにもなった。しかし——この国では一度でもコメンテーターというものになってしまったら、その時点で彼のイメージが固定化されてしまう。「Aさんは国の仕組みを変えるかもしれない政治学者」「存在自体が人類史の転換点」とまで呼ばれていたA氏は、番組出演を契機に「あの報道番組であんなことを言ってたコメンテーター」になり、それ以降のA氏のイメージは常にワイドショー寄りの報道番組と一体になってしまう。「超一流の政治学者」となるはずだった人物をほんの数十分で「B級知識人」に変容させ、しかもそれは不可逆的な作用だ。彼はもう、後戻りできない。

A氏が報道番組を足がかりにして自身の思想を世に広げようと思っているなら、それはお坊ちゃん然とした甘ったるい考えである。日本の世論を決めるのは報道番組、それもワイドショーかそれに近い構成の番組なのだ。Xなどは、その延長線上に過ぎない。

そうした理屈を、『コメンテーター』の開発陣は骨の髄まで心得ているように思える。そして、ゲームのプレイテストに参加するということは地球上のどこかにいる天才的発想の持ち主の結果作品を誰よりも早く楽しめるという意味であることを、今一度強調しておきたい。

一般ユーザーがゲームを作る

ゲーム作品とは、多くの場合「数年がかり」である。

最先端のゲームエンジンを用いてどんなに手の込んだゲームを作ろうと、第三者の目を通さないと見えないことは必ずある。それはバグの存在もそうだが、「ここをこうしたほうがもっとゲームに彩りが加わるはずだ」という多方面からの刺激要素である。

言い換えれば、一般ユーザーがゲームを作るということである。

一般ユーザーは一般ユーザーであり、ゲームの開発者では決してない。しかし、最終的にそのゲームを購入するのは一般ユーザー。消費者は、どの分野においてもある種の指導権を常に有しているのだ。

もっとも、その指導権を履き違えた者がオンラインでも現実世界でも悪質なクレーマーになったりするのだが、プレイテストの場に出て厳正公平な審査を実施するという経験は結果として己の感性を磨くのに大いに役立つのではないか。

サクッとプレイできるボリューム

プレイテストは、当然ではあるが多くの場合「その作品の冒頭部分だけ」或いは「一部分だけ」の遊戯に留まる内容である。

再びユーザー視点に立ってみると、これは「ほんの1時間程度のプレイ時間」ということだ。いや、場合によっては1時間もしない程度のボリュームだったりもする。仕事帰りにサクッとできるくらいだ。

様々なゲーム作品のプレイテストを経験することで、得られるスキルは豊富にある。

そんなことを書くと反発されるかもしれないが、スキルとは国家やその他の組織が作った目に見える検定だけではない。あらゆる経験を積むことによって形成される感性、それが「スキル」と呼ばれるものの正体だ。スキルは肩書きではない。間接的、もしくは直接的に発揮されてこそ初めて人の目に触れられるものになるのだ。

やり続ければ、必ず自分の血肉になる。それが「ゲーム作品のプレイテスト」である。

【参考】
コメンテーター-Steam

文/澤田真一

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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