フリーランスや個人事業主がトレーニングジムに通った場合、その利用料金は経費として認められるのだろうか。
「健康管理は仕事の一部」
「体調が良くなれば仕事のパフォーマンスも上がる」
そう考えて、ジム代を経費にしたいと感じている人も多いかもしれない。
しかし結論から言うと、トレーニングジム代は多くの職業において、原則として経費として認められにくい支出だ。
確定申告で税務署に指摘されないためにも、本記事では税理士監修のもと、トレーニングジム代が経費になるケース・ならないケースの境界線を整理する。
「体調管理」「体型維持」という理由では「経費」にできない
美容系YouTuber(個人事業主)として活動するD子さんは、日頃から高い美意識を持って生活している。
動画ではメイクやスキンケアだけでなく、体型やスタイルについても触れることが多く、視聴者からは「美のプロ」として見られる立場だ。
そのため、D子さんにとってボディメイクは趣味ではなく、仕事の一部だという意識が強い。毎週欠かさずエステに通い、トレーニングジムにもほぼ毎日足を運んで体を動かしている。
「美容系YouTuberである以上、見た目に気を使うのは当然」
そう考えると、エステ代やジム代は、動画制作に必要な“経費”のようにも思える。D子さんの疑問は正しいのだろうか。
この疑問について、30年以上のキャリアを持つベテラン税理士である山本宏税理士に話を聞いた。
「フリーランスや個人事業主から『体調管理は仕事の一つ』という理由で、トレーニングジム代を経費にしたいという声は多いのですが、原則、トレーニングジム代は経費にするのは難しいです。
仕事のために健康管理に気をつけるのは会社員も個人事業主も共通で、生活費に該当する支出だと考えられるのが一般的です。
そこにD子さんのように『美意識が高いキャラクター』という背景があっても、大きな違いはありません。体型維持をしていることと、売上を関連づけることはやはり難しいでしょう」
ただし、D子さんのように配信活動やインフルエンサー活動をしている方であれば「企画」にすることで経費にできる可能性はあるという。
「例えば、ダイエット企画を撮影するために30日間ジムに通いました、という場合であれば、その間のトレーニングジム代を経費にできる可能性は高くなります。
トレーニングジム代が、売上との関連性が曖昧な体調管理・体型維持といったものから、『企画のため』と説明できるようになるからです。
こういった特殊なケースを除けば、普段からトレーニングジム代が経費になるのは、アスリートやモデルといった身体が商売道具な職業だけです」
まとめ
トレーニングジム代は、「健康管理」や「体型維持」といった理由だけでは、原則として経費として認められにくい支出だ。
体調を整えることが仕事のパフォーマンス向上につながるのは事実だが、それは会社員・個人事業主を問わず共通するものであり、税務上は生活費と判断されるのが一般的である。
経費として認められるのは、アスリート・モデルのように身体そのものが直接的な商売道具になっている職業の場合が多い。トレーニングジム代が経費になるかどうかの境界線は我々が思っている以上に厳しいようだ。
取材協力/山本宏税理士(山本宏税理士事務所代表)https://www.y-zeirishi.jp
取材・文/峯亮佑
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