先日からの報道どおり、高市早苗首相は2026年1月23日に招集される衆議院の冒頭で解散する意向を表明した。詳細は19日に開く記者会見で明らかにされるという。
ちなみに前回の解散は、第一次石破内閣時代の2024年10月9日。首相就任から8日後の解散と26日後の衆議院選挙投開票は、いずれも史上最短記録だ。さらに前々回は第1次岸田内閣時代の2021年10月14日で、これが令和における最初の解散となった。この解散によって、日本国憲法下では任期満了を除く、議員在職日数1454日間という最長記録も作られた。
そんな衆議院選挙と市場との関係を考察したリポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から届いているので概要をお伝えする。
衆院選の投開票は2月8日との報道も、高市氏には長期安定政権を実現したい狙いがある模様
高市早苗首相は1月14日、首相官邸で自民党の鈴木俊一幹事長、日本維新の会の吉村洋文代表と会談し、23日召集の通常国会の冒頭に衆議院を解散する意向を伝えた。
高市氏は19日に記者会見を開き、解散の時期や理由などについて説明する見通しで、複数のメディアが、衆議院選挙は「1月27日公示、2月8日投開票」の日程を軸に調整が進んでいると報じている。
仮に、1月23日解散、2月8日投開票の場合、解散から投開票までの期間は16日となり、2021年の岸田首相(当時)の戦後最短記録を1日更新することになる。
早期解散により、2026年度予算や税制関連法の成立が4月以降にずれ込むなど、政治空白を招く恐れもあるが、短期決戦で与党の議席数を増やし、次の大型の国政選挙(2028年夏の参院選)まで長期安定政権を実現したい狙いが高市氏にはあるようだ。

■「選挙は買い」というアノマリーどおり、日経平均株価は過去の解散総選挙で上昇するケースが多い
衆議院の解散総選挙が近づくと、株式市場では「選挙は買い」、すなわち「解散総選挙が行われると株価が上昇する」というアノマリー(理論的には説明のつかない経験則)が意識されやすくなる。
そこで今回のレポートでは、過去に衆議院が解散して総選挙が行なわれた際、株価は実際に上昇したのか否か、日経平均株価のデータを用いて具体的に検証してみたい。
検証方法は、1969年以降に行われた18回の解散総選挙について、解散前営業日の日経平均の終値を基準とし、総選挙前営業日の終値までの騰落率を計算。
結果は図表のとおりで、2024年のケースを除いて日経平均はすべて上昇していることがわかる。前述のとおり、これはアノマリーであるため、株高の理論的な説明は困難だが、選挙公約などで示される経済政策への期待が、株価を支える面もあるように思われる。
【図表:衆議院解散・総選挙と日経平均株価の騰落率】


■ただ選挙が終われば株価は選挙以外の材料に左右されやすくなり、今回は米中の動向にも要注意
しかしながら、選挙から半年経過後の日経平均をみると、上昇、下落まちまちの動きとなっており、与党が大きく勝利し、安定政権となった場合でも、日経平均の下落ケースが散見される。
そのため、過去の経緯を踏まえると、「選挙は買い」というアノマリーは存在するとみられるものの、株高の期間は比較的短く、2024年のように当てはまらないこともあり、選挙が終われば当然ながら、株価は選挙以外の材料に左右されると考えられる。
選挙後は、どの程度、与党の議席数が伸び、「危機管理投資」や「成長投資」の推進力が高まるかが焦点になると思われる。
ただ、日本株に影響を与え得る海外の材料も多く、中国による対日輸出規制の行方、イランやグリーンランドなどに対するトランプ米大統領の言動、米連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任人事、トランプ関税に対する米連邦最高裁判所の判断、人工知能(AI)関連企業の業績の行方などには引き続き注意が必要だ。
構成/清水眞希







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