先日の解散予測記事に続き、1月14日には高市早苗首相が23日からの通常国会冒頭での解散を自民党幹部に伝えた、との報道があった。これを受け、14日の東京市場では政策実現の期待感から日経平均株価が続伸。13日につけた最高値の5万3549円を上回り、取引時間中としては史上初の5万4000円台に到達した。
ちなみに13日の最高値5万3549円は、1月6日に記録した、それまでの最高値5万2518円08銭を4営業日で更新したものだった。
そんな日本株の上昇に関する分析リポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩氏から届いたので概要をお伝えする。
衆院解散の観測報道で3連休中の日経平均先物は急騰、連休明けの現物も大幅高の動きに
読売新聞は日本時間の2026年1月9日夜、高市早苗首相が1月23日召集予定の通常国会の冒頭で、衆議院を解散する検討に入ったと報じた。これを受け大阪取引所の夜間取引(祝日取引を含む)では日経平均先物(3月物)が大きく上昇し、5万3590円で取引を終えた(現物の同日終値は5万1939円89銭)。
また、日経平均先物は週明け12日も夜間取引で続伸して、5万4150円で取引を終えている。
先物上昇の背景には、
(1)高い内閣支持率のまま解散総選挙を実施すれば、与党が議席を増やし、より安定した政権運営が可能になる、
(2)高市政権が重視する「危機管理投資」、「成長投資」の推進力が高まり、人工知能(AI)・半導体など17の戦略分野への投資が円滑に進みやすくなる、
などの期待があると思われる。なお、3連休明け1月13日の日経平均株価も、大幅高の展開となっている。
■政権内で報道を明確に否定する動きなし、仮に衆院選なら安定多数の244議席などが目安に
前述の読売新聞によると、衆議院選挙の日程は、「1月27日公示、2月8日投開票」、「2月3日公示、15日投開票」の案が浮上しているとのこと。
その後、他の主要メディアも解散総選挙の可能性を伝えており、総務省は1月10日に各都道府県の選挙管理委員会事務局へ衆院選の準備を進めるよう事務連絡を出したと報じられている。今のところ、高市政権内から、これらの報道を明確に否定するコメントは出ていない。
衆議院の主な会派と所属議員数をみると(図表1)、2025年11月28日に「改革の会」を組む無所属の国会議員3名が自民党の会派に合流したことで、自民党は199名となっており、日本維新の会の34名を合わせると与党は233名で、衆議院の過半数(233議席)に達している。

仮に解散総選挙となった場合、「安定多数(244議席)」、「絶対安定多数(261議席)」、「3分の2(310議席)」が議席数の目安になる(図表2)。

■当面は高市トレード再開の動きか、政権安定・財政の信認・適切な金融政策の実現性に注目
高市政権は今回、解散総選挙について、まずは報道を通じて、世論や金融市場の反応を確認したいとの考えがあるように見受けられる。
実際に通常国会の冒頭で衆議院を解散した場合、2026年度予算の成立が4月以降にずれ込む恐れがあり、政治空白を招きかねない解散を断行するのであれば、国民の審判を仰ぐ大義は何かについて、高市首相は明確に説明する必要があると思われる。
国内市場では当面、解散総選挙と高市政権安定のシナリオを織り込み、株高、円安、長期金利上昇といった、いわゆる「高市トレード」再開の動きが予想されるが、シナリオの修正を余儀なくされた場合は、相応の反動も見込まれる。
市場にとって望ましいのは、安定的な政権運営、財政政策への信認、日銀の適切な金融政策であり、これらの実現は、持続的な株高や、円相場および長期金利の安定に欠かせない要素と考えている。
構成/清水眞希







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