2025年12月2日をもって従来の健康保険証の有効期限は終了した。こうした中、マイナ保険証の基本や、持っていない場合の扱いについて、2026年時点の制度運用をもとに解説する。
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2025年12月2日をもって従来の健康保険証利用の有効期限は終了し、医療現場ではマイナ保険証を基本とした運用が進められている。ただし、すべての人がすでにマイナ保険証を持っているわけではなく、「持っていないと医療を受けられないのでは」「今までの保険証はもう使えないのか」と不安や戸惑いを感じる人も少なくない。
制度の切り替えは段階的に進んでいる一方で、その仕組みや実務上の扱いは分かりにくいのが実情だ。本記事では、2026年時点の制度運用を踏まえ、マイナ保険証の位置づけと、持っていない場合の対応について解説する。
マイナ保険証とは何か|2026年時点での位置づけ
紙の健康保険証の利用が段階的に終了し、医療現場では「マイナ保険証」を前提とした運用が進んでいる。ただし、マイナ保険証は新しい保険証そのものではなく、医療保険の確認方法が変わったにすぎない。まずは、その基本的な仕組みと現在の位置づけを解説する。
■マイナ保険証の基本的な仕組み
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険の資格情報をひも付けて利用する仕組みを指す。医療機関や薬局では、従来の紙の保険証を提示する代わりに、受付に設置された専用端末でマイナンバーカードを読み取り、本人確認と保険資格の確認を同時に行う。
重要なのは、「カードが変わった」ことよりも、「資格を確認する方法がデジタル化された」点。保険の種類や給付内容そのものが変わるわけではなく、確認プロセスが一本化・簡素化されたかたちだ。
また、本人の同意があれば、薬剤情報や健診結果を医療機関が参照でき、重複投薬の防止などにつながる。マイナ保険証は、医療情報の扱い方を見直すための基盤と位置づけられている。
■なぜ2026年には「マイナ保険証前提」の運用になっているのか
マイナ保険証を基本とする運用が進んでいる背景には、医療DXと社会保障制度の持続性という課題がある。生産年齢人口の減少が続く中、限られた人員と財源で医療を維持するには、事務の効率化やデータ活用が不可欠とされた。
一方で、医療情報は重要な個人情報であり、従来は安全性の確保が課題だった。そこで注目されたのが、マイナンバーカードによる厳格な本人確認だ。確実に本人を特定できる仕組みが整ったことで、医療データを安全に扱う基盤が整備された。2024年から2025年にかけて移行期間を経た結果、2026年時点では「マイナ保険証を基本とする」運用が制度・現場の両面で定着しつつある状況だといえる。
マイナ保険証がないと、どうなる?
紙の健康保険証が使えなくなったことで、「マイナ保険証を持っていない場合、扱いに差が出るのか」と疑問を持つ人も多いだろう。制度はすでに切り替わっているが、負担や対応が一律に変わったわけではない。2026年時点の実際の運用を確認する。
■マイナ保険証がなくても、医療費の扱いは大きく変わらない
結論から言えば、マイナ保険証を持っていないことを理由に、医療費の自己負担が直ちに増えるわけではない。マイナ保険証の取得や利用は義務ではなく、保有していない場合でも罰則は設けられていない。受付時にマイナ保険証を提示できなくても、原則として保険診療の扱いは維持される。
医療機関では、患者が保険加入者であるかを確認できればよく、そのための代替手段として「資格確認書」が用意されている。
■マイナ保険証を持たない場合の受け皿が「資格確認書」
「資格確認書」は、従来の健康保険証に代わる資格確認手段として位置づけられた書面だ。マイナンバーカードの健康保険証利用登録をしていない人には、当分の間、申請不要・無償で交付される仕組みが取られている。
この対応からもわかるように、制度は一気に切り替えるかたちではなく、段階的な移行を前提としている。有効期限は保険者ごとに設定され、最長5年とされている。マイナ保険証を持たない人でも、資格確認書を提示すれば保険診療を受けられる点が現行制度の基本となっている。
■今までの健康保険証はどうなった?2026年時点での健康保険証の扱い
従来の紙の健康保険証は、2024年12月2日以降、新たに発行されなくなった。これにより制度上はマイナ保険証を基本とする仕組みに移行している。ただし、すでに発行されていた健康保険証については有効期限まで使用でき、最長で2025年12月1日まで利用可能とされてきた。
2026年1月時点では、紙の健康保険証に関する経過措置は縮小・終了段階に入っており、医療機関では原則としてマイナ保険証や資格確認書による確認が求められる。ただし、現場での混乱を避けるため、有効期限が切れた従来の健康保険証であっても、2026年3月末までは医療機関の受付で資格確認に使用できる暫定的な対応が取られている。
「資格確認書が届かない」と感じたときに確認すべき点
マイナ保険証を持っていないにもかかわらず、「資格確認書が届いていない」との声もある。ただし、未着だからといって直ちにトラブルになるとは限らない。発送時期や対象条件には差があり、思い込みによるケースも多い。まずは落ち着いて原因を確認したい。
■届かない原因として多いパターン
資格確認書が届かない理由としてまず考えられるのは、発送時期の違いだ。資格確認書は一斉に送られるわけではなく、加入している医療保険の種類や保険者によって送付時期が異なる。2026年1月時点では多くの人に届いているはずだが、自治体や健康保険組合ごとにタイムラグが生じることもあるだろう。
また、制度上の条件に該当せず、送付対象外となっている可能性も見逃せない。さらに、本人が認識していないだけで、すでにマイナ保険証への登録が完了しているケースもある。加えて、加入保険によっては紙ではなくWebで交付されている場合もあり、郵送物だけを探していると見落としやすい点には注意が必要だ。
■資格確認書が届かないとき、まず何を確認すべきか
資格確認書が手元にない場合、はじめに確認すべきなのは「自分がどの医療保険に加入しているか」だ。国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合、後期高齢者医療制度など、加入先によって発送時期や取り扱いが大きく異なる。
会社員であれば、まず勤務先の人事・総務部門に確認するのが近道となる。フリーランスや自営業者の場合は、居住地の自治体窓口が問い合わせ先となる。加えて、マイナポータルの「健康保険証」の項目で、マイナ保険証の登録状況を確認しておくと、思い違いに早く気付ける。個別の事情に応じて、問い合わせ先を特定し、確認したい。
マイナ保険証の作り方・登録方法と作らない選択肢

マイナ保険証は必須ではないものの、「作る場合に何が必要か」「あえて作らない場合に不都合はないのか」は多くの人が迷う点だろう。ここでは、登録方法の基本を解説するとともに、作らない選択をした場合に押さえておきたい実務上の注意点を確認する。
■マイナ保険証の登録方法の基本
マイナ保険証を利用するには、マイナンバーカードの取得と、健康保険証としての利用登録の二つの手続きが必要となる。マイナンバーカードの申請はオンラインや郵送など複数の方法が用意されており、取得後に別途、利用登録を行う流れだ。
利用登録は医療機関に設置された専用端末のほか、マイナポータルや一部金融機関のATMからも行える。また、25年9月からは、マイナンバーカードを持ち歩かずとも、スマートフォン利用にも対応が進み、準備が整った医療機関ではカードを持ち歩かずに受付できるようになっている。操作自体は複雑ではなく、一度登録すれば継続して利用できる点が特徴だ。
■「作らない選択」をする人が知っておくべき点
マイナ保険証を作らない選択も可能だが、その場合は資格確認書に頼るかたちとなる。資格確認書は当面、自動かつ無償で交付されているものの、有効期限は保険者が定める仕組みで、最長でも5年とされている。今後の更新方法や手続きについては、制度の運用状況次第で変更される可能性もある。
また、マイナ保険証の利用が今後一般化すれば、資格確認書の位置づけが変わることも考えられる。作らない選択をする場合は、将来的に更新や手続きの手間が増える可能性も踏まえておく必要があるだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。







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