日本のお正月の伝統文化ともいえる年賀状。だが昨今のペーパーレス化やSNSによるコミュニケーションが定着する中、その存在感が徐々に薄くなりつつあるのは否定できない。
しかも2024年にはがきが63円から85円とけっこうな値上がりもしている。

そんな年賀状の歴史を45年にわたって見守り、アンケート調査を続けてきたのが、総合筆記具メーカー・パイロットコーポレーション。手書きという文化とともに歩んできた同社は、この現状についてどう感じているのか。
「近年はデジタルコミュニケーションの普及をはじめ、年賀状に影響を与える様々な社会的要因が存在します。しかしもらって『うれしい』と感じる人が大多数という結果は毎年変わることがなく、年賀状が持つ特別な価値を示しているのでしょう。特に手書きのメッセージは相手へ言葉以上の気持ちや敬意を表すことができるのではないでしょうか」(広報部・竹尾麻里子さん)
年賀状を出す人が減っているからこそ、これからははがきを使って手書きであいさつをするという〝アナログ〟な手法が存在感を増す。それに気が付いたビジネスパーソンが年賀状によって一目置かれるような時代が、もう来ているのかもしれない。
〝松の内〟と呼ばれる1月7日や15日までに出せば十分だし、枚数も多くなくていい。そんな気持ちで無理なく出してみるのもいいかもしれない。
もらってうれしい気持ちは長い歴史でずっと不変です

パイロットコーポレーション 広報部
竹尾麻里子さん
筆記具を通じた途上国の教育支援を志し、2005年に入社。現在は広報部で手書きの価値と魅力を伝える取り組みに力を入れる。
Data1|2026年にはピーク時の6分の1にまで減少!
過去10年で年賀はがきは右肩下がり
過去10年の年賀はがきの総発行枚数推移(ビジネスパーソン対象)
日本郵便調べ

総発行枚数のピークは2004年で、44.6億枚発行。以降、多少の増減はありながらもゆるやかに減少していたが、2024年に実施されたはがきの大幅値上げもあり、総発行枚数は10.8億枚にまで減少。2026年用の当初発行枚数は約7.5億枚となる。
Data2|2024年の大幅値上げの影響は大きい?
過半数の人は〝年賀状ばなれ〟済みに
2025年、年賀状(郵便)を出す予定ですか?(ビジネスパーソン対象)
2024 パイロットコーポレーション調べ

パイロットコーポレーションの調査によると「年賀状を出す」が半数超え(50.9%)だったのは2023年まで。翌年には43.8%まで大きく減少している。その年ははがきが値上げしており、やはりこれが年賀状減少の大きな要因と考えられそうだ。
Data3|年賀状を出さない人にもいろいろなパターンが
年賀状の具体的なやめ方、1位はなんと「黙って」!?
年賀状の具体的なやめかたは?(ビジネスパーソン対象)
2023 イエコレクション調べ


年賀状をやめる際、一番多かったのは「黙ってやめた、突然やめた」。だが久しく会っていない人の年賀状が突然届かなくなると、病気や不幸が…?という心配も。やはりやめる際は一言知らせるのが大人のマナーではないか。
Data4|なんだかんだいっても…
やっぱりうれしい年賀状
年賀状をもらうとどう感じますか?(ビジネスパーソン対象)

年賀状の発行枚数が減少し、出す人がスタンダードではなくなりつつある時代だが、実際にもらえば8割以上の人が「うれしい」と回答。お年玉付き郵便はがきの場合、豪華景品が当たるチャンスがあるのも見逃せない。
年賀状の習慣があったほうがいいと思う理由

年賀状の習慣が不要だと思う理由

2024 パイロットコーポレーション調べ
「人間関係で悩まなくて済む」が2位。黙って年賀状をやめる人も多く、もはや出して返事がないことも珍しくない。出す出さないはもっとカジュアルに考えても良さそう。
年賀状離れを食い止める!日本郵便の主な試み
年賀状とともに選べるギフトを贈れる『POST and GIFT』

QRコードが印刷されたシールをはがきや手紙などに貼って送ることで、選べるギフトを贈ることができる商品。2026年年賀用にはデジタルギフトのほかコーヒーギフトなどの食品、雑貨類などが用意されている。
推し活年賀

人気のスポーツチームやご当地キャラクターに年賀状を送ることができ、送り先からお返事年賀状を受け取ることができることも。
取材・文/高山 惠 イラスト/フジノマ







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