国産スポーツ―カーの選択肢が減り続け、影が薄くなっていたが、2025年、ホンダが24年ぶりに『プレリュード』を発売し、自動車ファンの間で人気が再燃しつつある。今回は、日本を代表する最新スポーツカーを比較試乗した。
スポーツクーペはその国の自動車文化の高さを象徴
自動車メーカーは、ユーザーのニーズに合わせて、様々なボディー形状や使い勝手の違うクルマを開発している。発売しても販売不振となれば、生産を中止する。今回、紹介するスポーツクーペは生活するのにどうしても必要なクルマではない。だから当然、販売台数が伸びることもない。量産車メーカーにとってはある意味、難しいクルマである。しかし、欧米のメーカーはたいてい、1車種ぐらいはスポーツクーペをラインアップに加えている。理由のひとつが、スポーツクーペはその国の自動車文化の高さを象徴する存在であるという考えだ。
そんな中、ホンダが2ドアスポーツクーペの『プレリュード』を2025年9月に発売した。最後に『プレリュード』が生産されたのは01年。そこから実に24年ぶりに新型車を投入したことになる。一方のトヨタ『GRスープラ』も19年に17年ぶりに復活を遂げたクルマで現在も販売されつづけている。
なぜ、トヨタやホンダがスポーツクーペを開発しつづけるのか? 「売れるクルマ造り」を最優先事項にしている日本の自動車メーカーとしては珍しいことかもしれない。だが、そこには自動車文化に対する貢献度や理解度の高さが存在する。それを構成する柱のひとつにモータースポーツがあるが、欧米ではこれに参画することは自動車文化の高さを表わすものとして評価されてきた。そこに注目したトヨタは当時の豊田章男社長の下、『GRスープラ』を復活させた。
一方、ホンダもF1に参戦しているものの、それが量産車の拡販に結びついているのかという悩みがあった。これの解決策のひとつがスポーツクーペ『プレリュード』の復活だった。ただ、ホンダとしてはモータースポーツとの深い関係性を示す象徴ではあったが、車両本体価格は上げざるを得なくなり、月販目標も300台という低めの設定で販売をスタート。ところが蓋を開けると、あっという間に納車1年待ちで販売は絶好調。すぐに増産態勢に入った。一方の『GRスープラ』は26年3月に生産を終了することを発表したが、先日、レクサスとGRから新型スポーツカーの発表があった。販売台数の規模は小さく技術力が試されるスポーツカーの開発にトヨタ、ホンダが力を入れる26年もホットな年になりそうだ。
6代目は「e:HEV」搭載のスポーツモデル
ホンダ『プレリュード』
Specification
■全長×全幅×全高:4520×1880×1355mm
■ホイールベース:2605mm
■車両重量:1460kg
■排気量:1993cc
■エンジン/モーター形式:直列4気筒DOHC/交流同期
■最高出力:141PS/6000rpm+184PS
■最大トルク:182Nm/5000~6000rpm+315Nm
■変速機:電気式無段
■燃費:23.6km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:617万9800円

グライダーで滑空するようなイメージでデザインされたボディー。ヘッドライトはアダプティブドライビングビーム、アクティブコーナリングライトと一体化し、夜間走行の視認性を確保。

ホイールベースは2605mmと長めで、後席のスペースを確保したプロポーション。タイヤは19インチだが、全高に占めるタイヤ外径の割合を約50%に設定。これも現代スポーツカーのトレンド。

全幅は1880mmと広く、全高は1355mmとスポーツクーペとしてはやや高め。テールランプは左右一直線につながっている最近流行りのデザイン。オプションでリアスポイラー付きも選べる。
2026年3月に生産が終了するピュアスポーツ
トヨタ『GRスープラ』
Specification
■全長×全幅×全高:4380×1865×1295mm
■ホイールベース:2470mm
■車両重量:1530kg
■排気量:2997cc
■エンジン形式:直列6気筒DOHCターボ
■最高出力:387PS/5800rpm
■最大トルク:500Nm/1800~5000rpm
■変速機:8速AT
■燃費:12.2km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:804万7432円
※「RZ」(8AT)

全幅は『プレリュード』より15mmだけ狭く、全高は60mm低いので、コンパクトに見える。ボンネットの高さとフロントエンドの傾斜は『スープラ』のほうが低くて薄い。

最後のマイナーチェンジでフロントに大径ディスクブレーキを装着。スタビライザーブラケットにアルミを使用するなど、目に見えない部分の見直しを徹底的に行なったことで操縦性が向上した。

キャビンが左右から絞りこまれ、リアフェンダーの張り出しが強調されたリアビュー。テールランプが左右に分かれているのもデザインのトレンド。ハッチゲートのウインドウも面積が狭く、視界が限られる。







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