2025年は生成AIが本格的に一般生活へ浸透して、AI技術が一部のエンジニアや先進企業のための限られた存在ではなく、日常の小さな判断や気軽な相談の相手として“生活者に寄り添う存在”へ変化した「AI民主化元年」といえる年だった。
企業のAIを強くする「AIナレッジデータプラットフォーム」を提供するHelpfeelは、AIの利用経験がある全国の20代以上を対象に「日常の悩みや困りごとをAIと人のどちらに相談するのか」をテーマとした実態調査を実施した。
その調査では、献立作り、道に迷ったときの案内、投資、ダイエットなど生活に密着した身近な場面でAIを選ぶ人が多数派で、特に60代以上の女性が幅広いシーンで積極的に活用している“AI活用先進層”であることがわかった。
対人関係の相談は、若年層はAI、高年齢層は人を選択
いやな上司や同僚への対応策に関する相談では、全体は「AIに相談する」(53.9%)が「人に相談する」(46.1%)を上回った。年代別では20代(男性64.2%・女性56.2%)、30代(男性61.7%・女性63.3%)はAIへの相談が過半数で、若年層ほどAIを選んでいた。
50代(男性52.5%・女性54.5%)や60代以上(男性55.8%)は「人に相談する」が過半数で、年代が上がるほど人へ助言を求める傾向が高かった。
恋人やパートナーに関する悩みでは、全体では「AI」(48.6%)と「人」(51.4%)が拮抗したが、20代から30代は男女ともにAIが過半数だった。40代から60代以上では男女とも「人に相談する」が過半数で、年代によって相談相手の違いがあった。
献立の相談では60代女性の83.3%と突出
今日の献立を決める時は、全体の69.2%が「AIに相談する」と回答して、全世代でAI利用が多数派だった。特に60代以上の女性は83.3%が「AI」を選択し、年代・性別の中でもっとも高い割合になった。
道やお店に迷ったときは幅広い年代がAIを利用
目的地に行く時に道に迷ったら、全体の69.2%が「AIに相談する」と回答し、この項目でも幅広い層がAIを活用していた。年代別では男性の30代(76.7%)、女性では60代以上(75.0%)がもっとも高く、日常的な移動でもAIが広く活用されていた。
おすすめの美味しいお店を知りたい時でも「AIに相談する」(57.6%)が「人に相談」(42.4%)を上回った。特に60代以上女性は66.7%が「AI」を選択しており、シニア層にAIから店を提案してもらう行動が広がっているようだ。
『Excel』の関数の使い方では30代男性が最高値
『Excel』などの関数の使い方は、全体の81.2%が「AIに相談する」と回答しており、全設問中もっとも高いAI利用率になった。年代と性別では、30代男性が91.7%ともっとも高く、年代と性別を問わず“『Excel』の疑問はAIに聞く”という行動が定着していた。
愚痴や弱音は、男性が人で女性はAI
愚痴を言いたい・疲れてしまった時に関しては、全体で「AI」(50.5%)と「人」(49.5%)が拮抗したが、男女別では男性の40代から60代を中心に「人に相談」が多数派(40代:58.3%、50代:57.5%、60代以上:53.3%)で、女性の20代(60.3%)を筆頭に多くの年代で「AI」が多数派だった。愚痴や弱音など本音に近い部分では、性別によって相手が違う傾向があることがわかった。
キャリアプランでは人への相談が多い結果に
転職や退職などキャリアプランに関しては、全体では「AI」が46.8%で「人」が53.2%と、やや人への相談が多かった。男性の50代(60.8%)と60代以上(63.3%)は人への相談が多数派で、重要な意思決定は人に助言を求める傾向があった。女性は、30代(54.2%)、50代(57.0%)で「人に相談する」が過半数で、キャリアの節目は人にアドバイスを求めるようだ。
お金の増やし方や投資では60代女性の8割がAI活用
お金の増やし方や投資では、全体の65.8%が「AIに相談する」と回答した。全年代でAIが多数派だったが、60代以上女性は80.0%がAIを選択しており、年代・性別の中でもっとも高い割合だった。資産形成の相談ではAI活用が広がっており、特に60代以上の女性が積極的にAIを利用していた。
ダイエットの悩みでも60代女性は8割近くがAI利用
ダイエットの悩みでは、全年代でAIが多数派(67.4%)だった。男性の30代(75.8%)と50代(64.2%)でAIの回答が比較的高く、40代は55.8%とやや低めだった。女性では20代(64.5%)、30代(69.2%)、40代(70.2%)、50代(71.9%)と年代が上がるほど「AIに相談する」割合が増えて、79.2%も相談していた60代以上女性がもっとも高い割合だった。
AIとの雑談経験は20代を頂点に年代が上がるにつれて減少
AIと雑談をしたことがあるかという質問では、「ある」(45.4%)と「ない」(54.6%)で大きな差はなかった。年代別では、20代では男性が63.3%、女性が66.1%とともに6割以上が雑談経験ありと回答した。ただ、年代が上がるにつれて割合は低下して、60代以上では男女とも雑談経験ありは約3割だった。生活シーンでのAIの相談行動では、60代以上女性のAI利用率がもっとも高く、「雑談」と「具体的な相談場面での活用」には異なる傾向もあった。
AIには情報を素早く提示する役割、人には気持ちを受け止め寄り添う役割を期待
AIまたは人に相談するとき、どんなことを期待していますかという質問では、両者に対する期待に明確な違いがあった。AIは、「正確で信頼できる情報がほしい」(60.8%)や「新しい視点がほしい」(48.0%)や「論理的・客観的に判断してほしい」(37.2%)など情報や判断に関する項目が上位だった。
ほかにも「短時間で解決したい」、「24時間相談したい」、「お金をかけずに相談したい」など効率面でもAIを選ぶ傾向もあった。
人に相談することでは、「感情を受け止めてほしい・共感してほしい」(48.4%)がトップで、それに「励ましがほしい」(34.2%)や「状況を理解して考えてほしい」(34.7%)など感情面のサポートや文脈理解に関する期待が多かった。
今回の調査結果から、すでに生活者が身近なさまざまな場面でAIを相談相手として受け入れていることがわかった。特に60代以上の女性がもっとも積極的にAIを活用している点は、「デジタルは若者中心」という先入観とは違う予想外の結果といえるだろう。
AIに相談する時にもっとも期待していることは、「正確で信頼できる情報がほしい」(60.8%)だったが、利用者はAIにスピードだけでなく確かな答えを求めていることもわかった。
「情報や選択肢を素早く提示してくれる相手」としてのAIと「気持ちを受け止め、状況を理解したうえで寄り添ってくれる相手」としての人という役割分担が自然と形成されつつあるようだ。
全体の傾向としては「共感は人」が優勢だったが、AIに寄り添いや励ましを感じて救われたという意見も一定数あり、AIの役割が情報提供だけでなく情緒的な領域にも広がりつつあるようだ。2026年もAIとの向き合い方が大切になりそうだ。
『AI利用に関する実態調査2025』概要
調査対象:AI(ChatGPT、Gemini、Copilot、Siri、Alexa、Google Assistantなど)を使ったことがある全国20代以上の男⼥
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:1203名
https://corp.helpfeel.com/news/pressrelease-20251209
構成/KUMU







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