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2026年は消費の二極化で企業優劣が明確に!? シュローダーが示す市場見通し

2026.01.08

多彩なアクティブ運用サービスをグローバルに展開するシュローダー・インベストメント・マネジメントから、「2026年市場見通し:日本株式」が発表された。

1月6日の東京市場の日経平均株価の終値は前日より685円高の5万2518円と、昨年10月末の5万2411円を超えて最高値を更新。2026年も好調なスタートを切った日本株だが、アメリカによるベネズエラ侵攻など国際情勢に不透明感が強まる中、この勢いは持続されるのか。

本稿では同社 日本株式運用総責任者・豊田一弘 氏によるリポートの概要を同社発表リリースをベースにお伝えする。

来年度の2桁増益は織り込まれたものの堅調な推移を予想

今年度の日本企業の業績は、昨年度比で概ね横ばい圏での着地が見通される中、2025年のTOPIX(東証株価指数)は20%を超える上昇となった。今年度はトランプ関税など利益に対するインパクトが大きなスイング・ファクターが存在したため、市場は来年度の業績をベースにした株価形成を進めたものと判断している。

2026年度の日本企業は2桁の増益がコンセンサスとなっており、この水準の増益は既に株価に織り込まれたと見られるものの、日本企業における資本効率の改善から下値は限定的と見ている。

向こう1年のスパンで見た場合、今年よりもマイルドな上昇になると思われるが、引き続き堅調な相場を想定する。

■マクロ的な視点:日本企業の活発なリスクテイクが全体として将来利益への期待を高める方向に作用

まず、マクロ的な視点では、企業の成長投資に注目したい。企業が持ち合い株の売却などに伴うキャッシュを成長投資に振り向ける動きが加速するものと見ている。

高市政権では企業の設備投資促進税制の導入が予定されていることに加え、来年改訂予定でのコーポレートガバナンス・コードではバランスシート上のキャッシュの活用に焦点を当てる内容が盛り込まれるようだ。

企業の生産性向上に資する設備投資やシナジー創出を狙ったM&Aなど日本企業の活発なリスクテイクが全体として将来利益への期待を高める方向に作用すると見ている。

一方、ボトムアップのアクティブ投資の観点ではやや注意が必要だろう。企業の積極的な投資の果実は中長期での企業価値に大きな影響を与える。従って、適切なゴールを設定し、成長機会をとらえ、ディシプリン(投資規律)の効いた投資を実施した企業は中長期で企業価値の大幅な向上を実現できるものの、それができなかった企業は逆に企業価値を毀損することになる。

その意味で、2026年は今後の日本企業の企業価値を占う上で非常に重要な局面を迎えるものと見ている。

また、個人消費の動向も重要なポイントの一つと言える。2026年はインフレ率がやや鈍化すると予想される中、遅れていた実質賃金のプラス転換がいよいよ実現するものと予想される。賃金上昇の定着で消費者の「インフレマインド」が消費の活性化につながる可能性がある。

マクロ面で見ると、日本の実質消費はコロナ前の水準に依然として戻っておらず主要先進国において稀な状況となっており、十分なアップサイド余地を有していると言える。

■ミクロ的な視点:消費の二極化により企業の優勝劣敗が進む

一方、ミクロで見ると、消費の二極化により(個人レベルでも二極化の動きがある)、企業の優勝劣敗が進むと見られる。

資産効果を背景とした高額消費が一つの極だとすれば、価格センシティブな商品群でのディスカウンターの活況はもう一つの極と言えるだろう。このような難しい事業環境に対応できる企業は、消費者から大きな支持を得られる可能性がある。

外的な要因として、国内の政治情勢にも注意が必要だ。最大の争点は衆議院の解散、総選挙だ。総選挙の結果次第では市場に大きなインパクトを与える可能性があると見ている。

例えば、高市政権の信任が得られた場合、政治の安定性が増すという観点で市場はポジティブに受け止める可能性があるが、一方で、積極財政に対するマーケットの懸念が高まるネガティブなシナリオも想定される。

従って、金利、為替、株式それぞれのマーケットに大きな影響を及ぼすことが想定されるため、来年の最も大きなイベントの一つとなり得ると判断している。

日本銀行の金融政策とターミナルレート

「金利のある世界」に戻った日本経済において、注目されるのが日銀の決定する政策金利のターミナルレートだ。

2025年、日銀は1月、12月とそれぞれ25bps(ベーシスポイント)の利上げを決定し、政策金利は75bpsまで引き上げられた。現在、日銀は中立金利を1%から2.5%のレンジで示しているが、次の利上げ以降は政策金利がいよいよその中立金利ゾーンに入ることになり、マーケットでは今回の利上げサイクルにおけるターミナルレートが意識されることになる。

株式市場では現在1.25%-1.5%のターミナルレートがコンセンサスになっていると思われるが、来年の後半に25bpsの利上げを行い政策金利は1%まで引き上げられると予想する。

12月の金融政策決定会合後の記者会見で植田総裁は中立金利に関する追加的な情報を提供しなかったが、2026年は何らかの情報が提供される可能性があるため、注意深くフォローしていきたいと考えている。

「東証要請」が日本企業にもたらしたもの

2023年3月に東証から上場企業に対して出された「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請がもたらした最も大きな成果の一つは企業の「キャッシュアロケーション」の開示にあると思われる。キャッシュ・インフローとその使い道であるキャッシュアウトフローが多くの企業で開示され、投資家との議論に活用されている。

インフローの観点では、複数年度の営業キャッシュフロー予想に加え、持ち合い株の売却資金などバランスシートの効率化がどのように進められるかに注目したい。

一方、キャッシュ・アウトフローの観点で最も注目するのは投資と還元のバランスだ。投資に関してはその意思決定においてディシプリンが保たれているかという点が最も重要となる。

この点、マネジメントの重要な投資計画に関して社外取締役の適切なチェックが働いているかどうか、というガバナンスの観点も検証ポイントとなる。

また、株主還元という点では大きな進展がみられていいる。上場企業の自社株取得枠は2024年度に大幅拡大し、20兆円弱の水準に達した。

2025年度についても前年度同様に高水準を維持している。企業の余剰資本が投資家に返還され、その資金が成長機会を捉えようとする企業の成長投資へ供給される、という好循環を継続することが重要だ。

資本の効率性をより意識した経営姿勢は日本の株式市場の魅力度を高めることに寄与すると見ている。この観点では、昨今、日本企業が「ベストオーナー」の観点で事業売却などの意思決定を行なっていることは注目に値する。

バランスシートを拡大させずにいかにボトムラインの利益を増やすかという姿勢は重要で、このような日本企業のポジティブな変化はさらに加速するのではないかと考える。

本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。
本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。

関連情報
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/insights/
https://schro.link/schroders.outlook2026

構成/清水眞希

@DIMEはサイトローンチ時より編集業務に携わる。現在は雑貨や家電、オーディオなどの新製品に加え、各種の社会調査・統計、話題の新スポットからイベント情報などを担当。信条は正確さとわかりやすさ。最近の趣味は日付が変わる時刻のウオーキング。

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