対友人・知人での金銭授受で「現金派」が選ぶ理由は?
現金とキャッシュレスのどちらも使える場合に、友人や知人など対人間での金銭授受で「現金派」と回答した人は、「現金の方が安心だから」が理由のトップだった。
年代別では、30代から50代は「現金の方が安心だから」と「自分はキャッシュレスで良くても相手が使っていないことがあるから」という回答が3割から4割程度で、相手の環境が整えばキャッシュレスを利用したいと考えている人もいた。
どちらも使える場合の利用意向で「キャッシュレス派」と回答した理由では、約半数が「キャッシュレスの方が楽・スムーズだから」と答えており、時短と利便性でキャッシュレスの利用意向が高いようだ。
20代では、現金とキャッシュレスのどちらも使える場合に「キャッシュレス派」を選ぶ人の割合は、「飲み会の幹事に会費を支払うとき」(73.0%)、「友人、知人とランチの割り勘をしてお金を精算するとき」(72.0%)、「友人が立て替えてくれていた旅行代金を支払うとき」(69.0%)で他世代よりも友人や知人との金銭授受のシーンでキャッシュレス利用を望む人が多かった。
今回の調査について、国際金融論、ヨーロッパ経済論、金融政策、宝石学を専門とする東洋大学の川野祐司教授は次のようにコメントしている。
「結婚式のような儀礼的なイベントで効率性よりも慣習を重視する人が多いのは、お金の受け渡しが単なる価値の移動ではないことを示しています。同時に年代別の数字からは私たちの「慣習」が時とともに変化することも読み取れます。キャッシュレスは時間をかけて日常生活に浸透していくのでしょう。
キャッシュレス化は世界のほとんどの地域で50%に達しつつあり、日本を含む東アジアでは80%に近づいています。世界のキャッシュレスの機能も進化しつつあります。
中国の『WeChat』には「赤い封筒」という機能があり、お祝いやお年玉を送ることができます。お金だけでなく、音声の録音、選べるギフトを贈る機能があり、コミュニケーションにも役立っているのです。
EU(欧州連合)では、「デジタルユーロ」の取り組みが進んでいます。2029年に発行される予定となっており、ビジネスや生活が効率的になると予想されています。さまざまな事情を抱えた人にも使いやすく、教育しやすい設計を目指しています。特にお金の使い過ぎや借金を抑える教育が欠かせません。この取り組みを金融包摂といいます。
一方で私は現金が今後も長く残ると予想しています。現金は手元にあると安心感があったり、手渡しには気持ちを伝えやすいメリットがあります。私たちの生活は効率性だけでは測れません。
今後も現金とキャッシュレスは互いに支え合いながら社会を支えていくでしょう」
今回の調査結果は、実生活での利用実態でキャッシュレスが自然な選択肢になっていることがわかった。まだ現金しか使えないシーンでもキャッシュレスの利用意向は半数近くあり、国が目指すキャッシュレス比率の8割も実現可能性を期待できる。
だが、すべてキャッシュレスになる訳ではなく、冠婚葬祭では2割は「現金の方が気持ちが伝わる」と回答しており、現金を渡すことに情緒的な価値があると感じている人も存在する。年代で現金とキャッシュレスの感じ方は異なるので、選択肢を持てることが重要だろう。
「令和の“キャッシュレスVS現金”調査」概要
調査対象者:全国の15歳から69歳の男女。計600名
調査期間:2025年9月10日~2025年9月11日
調査手法:インターネット調査
https://www.tis.co.jp/news/2025/tis_news/20251211_1.html
構成/KUMU







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