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お墓はネットで買う時代へ、現代に蘇った古墳墓が示す新たな弔いの形

2026.02.04

バスツアーは全部満席!『古墳の窓口』も誕生

 本合は「まず売りたい」という竹田の要望を受け、ECサイトの準備に先がけてGoogleフォームで会員募集と購入申し込みの受け付けを始めた。その上で竹田の壮大な思いを形にした。竹田が話す。

「私は霊園さんと話すうち、あまりDXが進んでいない業界だと気づいたんです。例えばお墓の権利者が引っ越しをすると、ユーザーは紙に新住所を書いて郵送し、受け取った霊園さんがパソコンに入力する、という具合です」

 その思いを本合が受け継いだ。

「もし当社が顧客募集から管理までネットで完結するシステムをつくれば、これを霊園様向けに販売することも可能になります。それが私のミッションだったのです」

 また若山は千葉県野田市で1つ目の古墳墓が着工されるとすぐ竹田発案のバスツアーを形にした。

「まだ現地には造成中の土地しかなかったのですが(笑)、東京駅の近くに集合し、バスで野田に向かう参加費無料のツアーを企画しました。最初は竹田のファン、次第に構想を知った方にご参加頂いたのですが、計4回、全席満席でしたよ。竹田も野田に着くまでの1時間しゃべりっぱなしでした」

 本合は、竹田の仕事の振り方をこう話す。

「竹田はやりたいことをストレートに言ってくれるんです。例えば、古墳を売りたい、こういう状況だから顧客管理システムも作りたい、システムにうまく落としてね、と。そして、ここから先の裁量は私に任せてくれるんです」

 よくいる、適当な指示を出し、後で文句を言うダメな上司とどこが違うのか? 丸茂が話す。

「竹田の場合は、タスクではなく『お題』が降ってくるんです。そして目的達成の手段は任されます。だから考えさせられますし、試行錯誤もする一方で、やりがいもありますよね」

宗教の垣根を越えた記念すべき瞬間も

古墳墓にはやっぱり日本人らしさがあると感じます

若山氏
神道と仏教が出合う

神道と仏教が出合う
野田ほたるローズガーデンの古墳墓建設工事が無事に完了したことを祝う竣工祭の様子。祭祀を担当する櫻木神社の宮司(左)と、寺の住職(中央)と竹田氏。

竹田こだわりの永年供養

竹田こだわりの永年供養
春と秋の年2回、古墳墓で行われる神道式の祭典「御霊祭(みたままつり)」の様子。契約者や遺族も参列でき、宮司が名前を読み上げて故人を祀る。

〝墓友〟イベントで気づいた新たな可能性

 三種の神器は考古学の資料を基に世界的に知られる刀匠らが忠実に再現した。前方後円墳は、考古学者と設計士と建設会社が連絡を取り合い、所々で竹田が顔を出してこだわりを伝え完成させた。

竹田は幾度も声を上げたと言う。

「前方後円墳を見に行ったのは、よく晴れた日でした。見上げるとおおお……これが千数百年ぶりに蘇った日本古来の古墳墓!となりましたよ」

 永代祭祀を担当する神主さんと、霊園のお坊さんが仲良く記念撮影をした。竹田は意図せず、宗教史に残る神仏習合を成し遂げたのかもしれない。次に刀匠の元を訪ね、御剣を鞘から抜くと、玉のような光が散った。やはり竹田は、おおおと声を上げた。自分の挑戦が次々とまだ見ぬ何かをつくっていく。感激でなくて何であろう。

 竹田は一見、矛盾したセリフを口にしていた。「根っからの経営者」だが「お金のためではない」と話すのだ。しかしこれまでの経緯を聞くと矛盾がないことがわかる。文化人として世を憂え、経済活動で世直しをする、そんな経営者がいてもいいではないか。

 売れ行きは驚異的だった。バスツアーを開催した頃こそ、若山が「前日、ご参加者全員に私がお電話したんです」という大変な状況だったが、本合がサイト『古墳の窓口』を立ち上げ顧客管理を行なうと古墳の完成を待つ人のリストが連日増えていく。その後、丸茂が独自の広報戦略を実現した。

「通常は広告を打つのでしょうが、今回は話題性があると感じたので、私がメディアに1件ずつ声をかけ、アプローチしたんですよ」

 現在の待ち人数は約6000人。日本で一番売れているお墓になると、今度は様々な霊園が提携を求めてくれるようになった。その一方で若山は顧客との接点を増やすための施策を実現した。

「お客様の多くは、将来、自分が入るお墓をご購入されます。とすると、実際にご利用になるまで時間が空きますよね。そこで年に1回、同じお墓に入る方たちで同窓会のような集まりを開催することにしたのです。毎回盛り上がるんですよ。皆さん〝墓友〟ができた、と喜んでくれます」

 これを受け、竹田が話す。

「60代くらいのお客様が、いい笑顔で『私、死ぬのが楽しみになりましたよ』と仰るのです。

 この時に気づきました。私たちはただお墓を販売するだけでなく、死ぬまでの間を有意義に生きるお手伝いをしているのだと」

 いい話だが、そこは軽妙な語り口でも人気の竹田だけに、ユーモアも忘れてなかった。

「まあそんなわけで、父や私が入るお墓は後回しになっているのですけどね」

挑んだのは日本初のECサイトと〝古墳を所有する喜び〟

我々は古墳を売りっぱなしにはしないんです

本合氏
『古墳の窓口』
『古墳の窓口』

日本初・古墳が買えるECサイト『古墳の窓口』。「詳細な写真や動画を掲載し、現地に行かずともしっかり魅力が伝わるよう工夫しました」(本合)

「永代使用承諾証」

古墳購入者は「永代使用承諾証」を受け取ることができ、将来同じ古墳に入る方たちの交流会に参加することができる。

取材・文/夏目幸明 撮影/小倉雄一郎

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