賞味期限10分のおかかで晩酌…だし料理専門店「節丸」
第二次出汁ブームを象徴するような店が2025年12月22日、新宿の「紀伊国屋書店」新宿本店ビルの地下1階にオープンした。その名もだし料理専門店 「節丸」。鹿児島県枕崎市産の最高品質の本枯鰹節を贅沢に使用し、日本の伝統的な“出汁文化”を現代に再構築した、新しい形の“だし料理専門店”だという。
看板商品は、“日本の朝ごはん”を現代のライフスタイルに合わせて再構築した「生削り鰹節御膳」(1,600円)。目の前で削ったばかりの香り高いフレッシュな生削り鰹節をお椀に山盛りで提供する定食で、削りたて特有の香りは失われやすいため、賞味期限は10分程度だという。
ご飯は青森県産ブランド米「青天の霹靂」、「たまごかけごはん祭り」で3年連続優勝し殿堂入りした高級ブランド卵「夢王(ゆめおう)」、味噌汁、香の物2種、焼き海苔が付く。これだけでも超豪華な夢の“おかかご飯”だが、これにご飯のお供4品がついた「プラチナセット」(2,950円)もある(しかし試食時には正直、削り節と卵だけでも充分すぎると感じた)。
朝食スタイルとはいえ、夜も生削り節付きの定食を食べることもでき、「順風屋」(富山県)の「イカ塩辛」、北海道の「天然紅鮭 筋子醤油漬け」、福島県の「青唐辛子味噌」といったご飯のお供を肴にお酒だけを楽しむことも可能(ただしワインは赤のみで、これは鰹節の味が白ワインと相性がよくないためだという)。
注目は、店内で3種類の出汁を無料でテイゥティングできること。つまり、朝食のご飯のお供を肴に、出汁をチェイサーとして「出汁飲み」ができるのだ。
「節丸」ブランドデザイナー、田仲亜希氏は同店の出発点を「日本一の朝ごはんってどういうものだろう」という問いから始まった、と語る。「それは最上級の卵かけごはんではないか」と考え、日本中から食材を集めて、最上級の朝ごはんをカスタマイズしたという。
ターゲットは、「忙しくて時間がないが、おいしいものを食べたいというマインドのある人」。新宿という場所柄、ランチタイムの飲食店は混み合うため、待ち時間が30分前後かかり、1時間の昼休み時間内にゆっくり食べることができない人が多い。その点、「節丸」は朝食の定食スタイルで、かつカウンター席のみなので、注文後1分程度で提供でき、その分、ゆっくり食べられることを狙っている。
場所柄、業態、価格ともに今回紹介した3店の中では最もハードルが低く、「出汁飲み」の入り口になりそうな店だと感じた。「新宿駅は1日あたりの乗降客数が約350万で、その2~3割は外国人とみており、外国人にもわかりやすいブランディングをしている」(田仲氏)というから、この店がきっかけで、海外にも「出汁飲み」が広がるかもしれない。
取材・文/桑原恵美子
取材協力/UMAMI DINING 和田久、出汁×BAR 飛鳥、だし料理専門店「節丸」







DIME MAGAZINE


















