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2025年を締めくくる「ポタフェス2025冬 秋葉原」で最新のポータブルとイヤホンを聴き比べ

2025.12.29

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

ポータブルオーディオの現在地を一望

ポタフェスは、ポータブルオーディオの“今”を一度に体験できる貴重なイベントである。DAP、USB DAC、完全ワイヤレス、ワイヤレス化アダプター、ヘッドホン、イヤホンと、ジャンルを超えた新製品・注目モデルが一堂に会して実際に試聴できる点が最大の魅力だ。

本記事では、価格帯や方式を問わず、実際に試聴して印象に残った製品をジャンル別に整理する。音の方向性や使いどころが伝わるよう、インプレッションを交えながら紹介していく。これから機材選びを考えている人にとって、指針となる内容を目指した。

■iPhone対応DAC/アンプ

●Chord Mojo 2

WATフィルターによる透明感の高い解像度と正確な定位は健在である。独自のトーンコントロールによる微調整が効き、音源やイヤホンに合わせた追い込みができる点が強みだ。小型ながら据え置き機的な情報量を感じさせる
4.4mmシングルエンド端子に対応。3.5mm端子と独立して音量などを記憶し、自動的に切り替わる。USB Type-C端子は充電にも対応する

●iFi GO link Maxi

GO linkシリーズらしいナチュラルな音作りをベースに、出力とレンジ感を強化。スマートフォン直結でも音場が狭くならず、入門機以上・本格機未満という立ち位置が明確である

●FiiO QX13

フラットでクセのない音色。低域はパワフルで、小型機とは思えない量感を持つ。ジャンルを選ばない万能型で、携帯性と音質のバランスが良く、実用性重視のユーザーに向く
オプションのモバイルバッテリー「E-Stick」を装着すれば、スマートフォン側の電力消費を抑えつつ、本機の音質向上も狙える

●A&K HC5

Astell&Kernらしい粒立ちの良さと透明感を備えた音が特徴。USB DACながら音の密度が高く、繊細な表現を得意とする
DACにはAKMのAK4191EQとAK4499EXを採用。PCM 768kHz/32bit、DSD512に対応し、アップサンプリング機能も備える

●SHANLING UA7

真空管を使用したウォームで滑らかな音色。駆動力が高く、音に力感がある。低域の量感と押し出しが強く、ライブ音源やロック系と好相性である

■DAP/デスクトップ

●FiiO M27(チタン/アルミ)

FiiOのフラッグシップモデル。ES9039SPROをデュアルで搭載し、最大5000mWのバランス出力を実現している。チタンモデルは音像が引き締まりフォーカスが鋭い。一方、アルミモデルは響きが自然で、ボーカルの表情が豊かだ。素材による音の違いが明確に感じられる点が興味深い
microSDカードスロットをデュアルで搭載し、最大4TBまで対応する

●FiiO DM15 R2R

R2R方式DACを搭載したポータブルCDプレーヤーで、USB DAC機能も利用可能。R2Rらしい滑らかさと密度感が魅力で、音の輪郭を過度に強調しないため、長時間聴いても疲れにくい。アコースティックやボーカル系で真価を発揮する
4.4mmバランス接続に対応し、BluetoothはaptX HDに加えaptX Adaptiveも使用可能。赤外線リモコンも付属する
4色の本体カラーに加え、3色の専用ケースが別売で用意されている

●iBasso KUNLUN

同社初のデスクトップヘッドホンアンプ。GaN FET(窒化ガリウムトランジスタ)を採用し、バランス出力で最大7400mWという大出力を実現している。スケール感の大きな音作りで、厚みのある低音と豊富な情報量を両立。ヘッドホンでも余裕のある鳴り方をする

■ワイヤレス化アダプター/Bluetooth関連

●iFi GO pod Max/GO pod Air

有線イヤホンを高音質でワイヤレス化するアダプター。「GO pod Max」はJVCケンウッドのK2HD技術を採用し、CDを超える高音質を再現する。Maxは情報量と音場の広さが際立ち、Airは軽快で扱いやすく、音質と携帯性のバランスに優れる。イヤホンの個性を活かす方向性は共通だ。

GO pod MaxはaptX Lossless/Adaptive、LDAC、LHDC/HWAに対応。
GO pod AirはaptX Adaptive、LDAC、LHDC/HWAに対応し、IPX5防水、最大15時間再生が可能。本体重量は片側10gである

●iFi xDSD Gryphon Black

ワイヤレス/有線両対応のDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプがブラック仕様で登場。バランス接続時はワイドレンジで解像度が高く、低域の厚みも十分。音場も立体的で、幅広い用途に対応できる完成度を備える

■イヤホン/完全ワイヤレス

●FitEar Lilior(仮)

FitEarが開発中のユニバーサル型IEM。アンビエントフィルターの採用により、鼓膜にかかる圧力を適正化し、自然な音場感を実現するという。クリアな音で中高域の美しさが際立ち、ボーカルの存在感が非常にリアル。定位も正確で、音楽制作寄りのリスニングにも向く
付属ケーブルは「FitEar cable 007」の4.4mm版が採用される予定だ

●Astell&Kern STELLA VOLK

Astell&KernとVOLK AUDIOのコラボモデル。12ドライバー構成のハイブリッド型ユニバーサルIEMで、世界初展示の限定生産モデルである。ワイドレンジ志向で、特に低域の伸びが圧巻。余分な響きを抑えたメリハリのある音で、マルチドライバーでありながら、つながりの良さも印象的だ

●Maestraudio STAGEAR

Maestraudio初のライブ用ステージモニター・ユニバーサルIEM。FitEar須山氏のアドバイスを受けて開発され、ケーブルコネクターもFitEarと同型を採用。定位感に優れたモニターライクな音作りで、予想実勢価格は約3万円。2025年1~2月発売予定

●Maestraudio MA910SR DC

弦楽器再生をテーマに開発されたモデルで、フェイスプレート素材に「道南杉」を採用。解像度とパワー感を両立し、クラシックとの相性が良い

●Maestraudio MAPro1000 II Frost Mint

同社独自のパッシブ型ツイーター「RTS」とグラフェンコート・ダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッドモデル。小型軽量でリケーブル対応、実勢価格1万3200円という高いコストパフォーマンスを実現する。シャープで抜けの良い音に、タイトでスピード感のある低域が印象的だ

●final TONALITE

パーソナライズを前提とした新提案で、finalのワイヤレスフラッグシップモデル。今回は2時間貸し出しキャンペーンを利用してパーソナライズを体験した。「DTAS」を利用するために必要なのはスマートフォンと専用アプリのみ。アプリの指示に従って身体形状スキャンと耳道測定を行い、3Dモデルを生成して音への影響をシミュレーションする。測定は静かな環境で、スマホはWi-Fi接続が望ましい
キャンペーン用紙には、final代表取締役・細尾氏のメッセージが添えられていた
リストバンドの両耳位置にシールを貼り、スマートフォンで自撮りする
待ち時間を含め約30分でDTASが完了。LDAC接続では解像度が高く、透明感のある音で、ワイヤレスとは思えないクオリティだ。未パーソナライズ状態では音像が大きくなり、音場感がややあいまいになる傾向があり、低域の解像度も低下してしまった

●Victor HA-FW5000T

ビクター完全ワイヤレスのフラッグシップモデル「WOOD master」。ハイブリッドWOODドライバーならではの温かみと艶感が魅力で、音楽性を重視した仕上がりである。さらにビクタースタジオのプロエンジニアによる5種類のPROFESSIONALモードを搭載し、音の魅力を自然に引き出してくれた
専用アプリから5種類のサウンドモードを選択可能

■ヘッドホン

●FiiO JT7

FiiOのサブブランド「Jade Audio」から登場した平面磁界型ドライバー搭載の開放型ヘッドホン。予想実勢価格約1万9800円ながら、高い解像度と広い音場を備える。低域はややタイトだが、バランスが良く、平面型入門としてベストバイと言える

●Meze Audio 99 Classic 2nd Gen

Mezeの定番モデルが約10年を経て進化。ウォームで厚みのあるサウンドと高いデザイン性を両立し、完成度の高い定番機として健在だ
アブソーバーを装着すると、より滑らかな音が楽しめる

●FitEar Origin-1

スタジオ用ミックス/マスタリングヘッドホンの量産版を参考展示。「Monitor-1」とは異なるドライバーユニットを採用し、ニュートラルで輪郭の明瞭な音像を描く。予想実勢価格は約9万円

●EDIFIER WH950NB Gen2

ANC搭載ワイヤレスヘッドホン。ノイズキャンセリング性能と音質の両立が印象的で、LDAC接続時は解像度が高く、ボーカルのニュアンスも丁寧に描写する。実勢価格は約1万9800円

写真・文/ゴン川野

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