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若者の間でフィルムカメラの人気が再燃、低予算で楽しめる「ILFORD PIXIE 35-II」の魅力とは

2026.01.01

スマホカメラやデジタルカメラの進歩と相反するように、フィルムカメラへの注目が高まっている。理由はいくつか考えられるが、高精細ではないレトロな写りが、かえって新鮮味を感じさせるのが理由の1つだろう。ニーズに応えるように、各メーカーから新製品が矢継ぎ早に発売されている。

今回はその1つ、「PIXIE 35-II(ピクシー 35-II)」を紹介しよう。

軽量ながら高級感のあるボディー

本製品のメーカーは、イルフォード・ジャパン(株)。145年以上続くアナログ写真ブランドを、いまもフォトマーケットへ提供。

近年は、「イルフォカラー ラピッドレトロ」や「SPRITE 35-II」など魅力的なフィルムカメラも展開し、アナログ写真の楽しさをさらに広げている。「PIXIE 35-II」は、10月発売の新作となる。

「手頃な価格でありながら、絞りやピントを手動で操作でき、フィルム撮影をより自由に楽しめる」というコンセプトで、実勢価格は5940円。複雑な機能はなく、直感的に撮影できるものとなっている。

まずは外観から見ていこう。黒一色のボディーはABS樹脂製。高級感とともに重量感を醸し出しているが、自重は141グラムと軽量。幅131mm、高さ90mm、レンズ部分を加えた厚みは54 mmと、持ちやすくてかさばらないサイズ感。

3段階の絞りなど要点を押さえた機能

次に細かい部位をチェック。レンズの周囲には3つのレバーがある。下のレバーは絞りで、F6.4、F16、F100のいずれかに切り替えできる。

絞りのレバーでF値を3段階切り替え(左にある穴は三脚用のネジ穴)

上にあるレバーの左のほうは、シャッターレバー。つまりシャッターのことで、軽く押し下げると撮影する。その右にあるのは、チャージレバーで、押し下げるとシャッターレバーが元の位置に戻り、またシャッターが切れる状態になる。

レンズは32mm固定焦点でズーム機能はないが、レンズ枠を回転させてピントを合わせることができる。

上部の右側に見えるのは巻き上げノブで、シャッターを切るたびに矢印の方向に回す。巻き上げ目盛を180度回転させると、フィルムが1枚分巻き上がる。

左側は巻き戻しノブで、フィルムを使い切ったら矢印の方向に回して、フィルムを巻き戻す。これで現像に出せる。

中央のダイヤルはフィルムカウンターで今、何枚目までのフィルムを使ったかをこれで記録する。でっぱりは、素通しの光学ファインダーだ。

本製品には付属品が1つある。これはハーフフレームアダプターといって、ハーフフレームで撮影する場合、ボディーの裏ぶたを開けて暗箱にはめこむ。

ハーフフレームだと、1枚のフィルムで2枚写せ、仕上がりは1枚のプリントが縦に2分割されたものとなる。(ハーフフレームの場合は、巻き上げノブで巻き上げ目盛を90度回転させると1枚分となる)そうしない通常の写真はフルフレームといい、アダプターを使わなければそのように撮れる。

付属のアダプターを装着すればハーフフレームを撮れる

忘れてはいけないのがフィルム。別途購入する必要がある。市販の35mmフィルムでOKだが、メーカーはISO400、24~36枚撮り、ネガフィルムを推奨している。

イルフォードは、これに適したフィルムを出しており、今回のレビューではそれを使う。

イルフォードが販売するISO400、36枚撮りのフィルム(左がカラー、右がモノクロ)

撮影前の段取りをチェック

それでは、実際に使ってみよう。スマホカメラに慣れている方には、難しいと思われるかもしれないので、まずはフィルムを入れるところから。

裏ぶたを開けて、巻き戻しノブを上に引き上げる。その空間にフィルムを入れノブを戻す。それからフィルムを引き出し、右側のスプール(軸)の縦長の穴に差し込み、フィルムの2~3番目の穴を突起部に引っかける。巻き上げノブを矢印方向に2回転させて、フィルムを巻き込む。

裏ぶたを閉めたら、巻き上げノブの左隣にある巻き上げ目盛に注目。切り欠きがあるが、それに巻き上げノブの矢印先端が来るように、ノブを回す。

さらにノブを回して、巻き上げ目盛が同調して1周回ったところでストップ。面倒くさく感じたかもしれないが、あと1つだけ。フィルムカウンターを指で回して赤字のS(スタート)を、小さな三角形の突起のところに合わせる。これで撮影準備完了だ。

絞りごとの特徴を踏まえておこう

「PIXIE 35-II」の撮り方は、スマホカメラやデジタルカメラと基本的には同じ。そう、被写体に向かってシャッターを切ればいい。しかし、アナログゆえのコツがある―それは、ピントの調整。

これが甘いと、ピンボケの写真になってしまう。とはいえ、あえてボカした撮り方もありなので、どんな設定をすれば、どんな写りになるのかを理解するほうがむしろ大事。

ここではすべてのテクニックは述べないが、おさえておきたいのが「絞り」。これは、レンズから入る光量のことで、F6.4、F16、F100と3種類の設定がある。

数字が大きいほど光量は少なくなる反面、ピントの合う範囲(距離)が長くなる。つまり、F6.4だと被写体(のある距離のもの)ははっきり写るが、それより近い・遠い距離にあるものはぶれる。

それがF16では、より長い範囲をはっきり撮れ、F100だとほぼ全体的にピントが合う。その代わり、光量が減るので、仕上がりは暗くなる。

また、被写体までの距離は、レンズ枠を回して設定する。撮りたいものがだいたい2メートルのところにあれば、レンズ枠の「2」が真上に来るように回す。

それより遠い場合、「∞」と設定すればOK。ちなみにシャッタースピードは、通常の撮影では1/100秒の一択だが、バルブ撮影で任意の秒数で撮ることも可能だ。

液晶画面で写り具合を都度確認できない不便さはあるが、それがフィルムカメラの醍醐味であったりする。最初は、いろいろなものを撮って試行錯誤するのも一興。

実際に撮影してみて

さて、参考までに試し撮りしたものをお見せしたい。下の1枚は、室内のテーブルに置かれた観葉植物とレモン。設定はF6.4、1mで、実際に約1mの距離から撮った。

左端の縦と右下の隅が黒くなっているのが目立つ。これは、右側から冬の弱い太陽光が射しこみ、人工照明はつけていないことが影響していると思われる。

被写体そのものは比較的はっきり撮れているが、レモンの一部がいわゆる「流れ」ている。そして、どことなくレトロな写り具合になっているのが印象的。

距離は変えずに、絞りをF16に変えたのが、以下の写真。レンズが取り込む光量は減るので、全体的に暗くなる。代わりにレモンは流れず、全体的にピントが合っている。

外に出て、距離を無限大に設定して数十m先の林を撮った。F16で、ピントの合う範囲は広くなっているが、左右の端ははっきりと流れているのがわかる。

今度は逆に、距離をぐっと詰めて間近にある紅葉を撮った(距離設定は0.5m)。絞りはF6としたため、周辺の「流れ」がかなり強調されている。

最後にバルブ撮影にチャレンジした。被写体は、一面に曇った空と街並み。取扱説明書には、露出時間の目安として晴天時は0.5秒、曇天時は2秒と書かれているので、2秒とした。

この秒数だと、手持ちではブレは避けられない。そのため三脚に固定しての撮影となる。仕上がったのが以下の写真。空は露出オーバーとなって白飛びしているが、下界の建物の群れは割と鮮明に写っている。

このほかにも多くの写真を撮ったが、2割は明らかな失敗であった。太陽光の強さと設定がミスマッチだったり、巻き上げノブを回し忘れ、意図しない二重露光となってしまったり……。

高性能ミラーレスカメラに慣れてしまった筆者にとって、20年ぶりのフィルムカメラの扱いは少々手に余ったが、それでも懐かしさと新鮮さがないまぜになった満足感をおぼえた。

スマホ1台で誰でも当たり前に写真が撮れる今、試行錯誤しながら会心の1枚を追求するのも悪くはなく、むしろ意義のある体験となりうる。フィルムカメラにちょっとでも興味があるのなら、本製品を検討する価値は大きい。

なお、「PIXIE 35-II」は、販売総代理店のジェットグラフ(株)を通じて、全国の販売店およびネット通販にて販売中だ。

イルフォード・ジャパン公式サイト:https://ilford.co.jp/photo
ジェットグラフ公式サイト:https://www.jetgraph.jp

撮影・文/鈴木拓也

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老舗翻訳会社役員を退任後、フリーランスの仕事人となる。ライターとして手掛けるテーマは、トラベル、ガジェット、著名人取材、アートなど幅広い。また、クリエイターとしての活動にも力を入れている。ライフワークは秘境と神社仏閣めぐりで、撮った写真をInstagramに掲載している。 https://www.instagram.com/happysuzuki

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