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スキンケア商品やエナジードリンクにも入っている!?いま注目の成分「イノシトール」とは何か?

2026.01.02

栄養ドリンク剤やサプリメントだけでなく、スキンケアアイテムにも採用されている「イノシトール」をご存じだろうか。イノシトールは、カラダの内側、外側両方からアプローチできる素材であるため、今後も他の分野での活用も広がりそうな素材だ。

このイノシトールとは、一体どのようなものなのか、米ぬか由来のイノシトールを1972年から製造している「築野食品工業」主催のイノシトールについてのセミナーに参加し、その働きについて聞いてきた。

「イノシトール」はいつ頃から活用されているのか

玄米から抽出される成分。左から白米、玄米、米ぬか、脱脂ぬか、米原油、こめ油、イノシトール、ライスマグネシウム。

「イノシトール」は、1836年にドイツで発見されたが、当時は、まだイノシトールという名前は存在せず、1900~1910年代にヒト体内の代謝研究の進展に伴い生化学上の重要性が認識され始めたのだそう。

その後、ビタミンB群(ビタミンB?)として分類されていた時期を経て、人体が合成できることが明らかになり、現在は、必須ビタミンには分類されずビタミンB様物質に分類されている。

ビタミンBのようなものなら、そこまで注目すべきものでもないのでは思ってしまいそうだが、その後、分子生物学の進展により、イノシトールと細胞機能との関係が明らかになると、細胞内シグナル伝達や膜構造に不可欠な成分であることが立証され、さらに、イノシトール誘導体が細胞内の情報伝達に重要であることが明らかにされた。

2000年代からは、医療や臨床研究の現場で、糖代謝やインスリン感受性への関与、神経伝達物質との関連、精神領域、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などについての研究が進んでいるという。

生理的効果のみならず、メンタル面での研究も進んでいる素材がイノシトールだ。「築野食品工業」では、米ぬか由来のイノシトールを、1972年から製造している。

イノシトールについて説明する築野グループ株式会社取締役の築野靖子さん。

築野食品工業では、米ぬかに含まれる栄養成分が多いことから、米ぬかを使いこなそうと、事業を展開している。そのひとつが、イノシトールだ。イノシトールは、米ぬかのほかにも、トウモロコシや大豆などの豆類、じゃがいもや果物、肉や魚のほか、母乳にも含まれている成分だ。

米ぬかに含まれる成分表。オレンジに塗られている成分は、築野グループで現在製品化している。

現在、流通しているイノシトールのうち、米ぬか由来のイノシトールは、築野食品工業のみ。

米ぬか由来のイノシトールには、どのようなメリットがあるのか聞いてみると、
「国産米ぬかを使用していることから、原料のトレーサビリティが明確です。国産原料であること、遺伝子組み換え作物を使用していないこと、アレルギーの心配が少ないお米由来のため、アレルギーリスクが低いことがあげられます。」(築野さん)

ただ、米ぬか由来の場合、原料に微量しか含まれないため、抽出コストが高く、一般的に中国で大量生産されるトウモロコシ由来のイノシトールと比較すると価格が高くなることがデメリットだという。

とはいえ、医療機関でも研究が進む素材だけに、遺伝子組み換えの心配や輸入に頼らない原料から製造されているのは、安心でもある。

イノシトールの効果や効能について

医療や臨床研究も進んでいるが、我々消費者の身近なところにもイノシトールが使用されている。築野食品工業のイノシトールを採用している製品だけでも、食品、化粧品、健康食品、飲料と多岐にわたっている。

例えば、イノシトールは、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの活性化をおこなうことで、細胞の機能を高めることがわかっていることから、エナジードリンクやサプリメント、肝臓ケアドリンクや妊活サプリにも使用されている。

インナーケアに関するデータとしては、脂肪肝の抑制、肝機能の改善、メンタルケア(抗うつ効果)、集中力強化、月経随伴症状改善、排卵障害への有効性が認められている。

臓器だけでなく、神経突起伸長を促すなど、伝達能力にまで影響をもたらすのは興味深い。また、トレイル・メイキング・テスト(広範な注意力、作業記憶、空間探索、処理速度、持続性、衝動性を総合的に測定する記述テスト)において、摂取15分後に集中力が強化されたというデータもある。

エナジードリンクを飲んだ時に、集中できパフォーマンスが上がったと感じられる原因の一つは、イノシトールにあったようだ。今度、エナジードリンクを飲むことがあれば、ぜひ、成分もチェックしてもらいたい。

イノシトール配合のローションを塗った結果、脂っぽさ、乾燥、それぞれが改善していることがわかる。

また、外側からのアプローチとして塗布した場合には、皮脂分泌量の調整やコラーゲン、ヒアルロン酸の産生促進、ターンオーバー促進、保湿効果、肌のハリや弾力の向上のほか、育毛促進にも効果を発揮している。

育毛効果にも驚かされるが、スキンケアとして、最高の素材と言えるのではないだろうか。というのも、皮脂の分泌量を調整するということは、脂性肌の場合、皮脂の量を抑えてくれるが、乾燥肌の場合、分泌を促してくれることになる。

どちらの肌タイプも、バランスのいい肌に導いてくれるということだ。肌トラブルの救世主になってくれるかもしれない。筆者は、築野食品工業のイノシトールが配合されている「Kruhi」のセラムを使用しているが、使い始めて2週目あたりから、保湿されていることが実感できた。インナーケアよりも塗布する方が、実感するのは早いかもしれない。

イノシトールは、免疫細胞にエネルギーを供給するなどエネルギーの源であるミトコンドリア活性に効果を発揮し、何に入れても、その効果が阻害されないというメリットもある。

パウダー状やカプセルタイプなど、様々なタイプで販売されていて、手軽に手に入れることができる。パウダー状のイノシトールを食べてみると、ほんのり甘く、甘味料として使用することも可能だ。

意外に多くの商品に採用されているイノシトール。大人気のリカバリーウェアが、着用して疲労回復をサポートするなら、イノシトールは、食べて、塗って、カラダだけでなく、メンタルまでリカバリーしてくれる成分だといえるだろう。

取材協力:築野グループカビ式会社 https://www.tsuno.co.jp/
取材・文/林ゆり

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