小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【NIKKIのKINIなる世界】キダルト…子供返りしたい大人たちが急増中?

2026.01.01

2025年、最も人気を博したぬいぐるみ『ラブブ』。中国のアートトイメーカーのポップマートから世界に送り出され、あっという間に世界中で爆発的な熱狂を生み出しました。当初は、すでにキャラクターグッズで溢れかえっている日本ではあまり流行らないかなと思っていたら、英語圏より数ヶ月遅れて無事に(?)日本でも大ヒットとなりました。

『ラブブ』フィーバーで童心に帰る大人世代

『ラブブ』を求める人々の長蛇の列ができたり、世界に一体しかない大型の『ラブブ』が2200万円という破格で売れたりと、連日『ラブブ』のフィーバーが報道され、東京でも誰かのバッグからぶら下がった『ラブブ』を1日に一回は目にするようになりました。

興味深いのは、この『ラブブ』のトレンドに最初に火をつけたのはキム・カーダシアンやBLACKPINKのリサのような成人した芸能人たちであり、ポップマートは「個性やスタイルを表現することに価値観を見出す15歳から40歳までの若年層の成人」をターゲットにしていると公表している点です。

『ハローキティ』や『ポケモン』など、世界に先駆けて無数の「かわいい」キャラクターを世に出してきた日本では、大人がキャラクターグッズを持っていることに対してそこまで意外性はないかもしれませんが、欧米諸国では「いい歳した大人がぬいぐるみに夢中になるなんて」と不思議に思われる節があります。

ぬいぐるみや玩具に限らず、コミック関連グッズやゲームなどの趣味にハマる大人たちは、キッズとアダルトをかけあわせた「キダルト(kidult)」と呼ばれ、マーケティング用語から一般用語になりつつあります。

もともとは子ども向けの番組を好んで鑑賞する大人を指すテレビ業界用語として1950年代に発祥した言葉で、60年代の人形劇ドラマ『サンダーバード』も当初からこのキダルト層を考慮して夜間にテレビ放映されたそうです。70年代から80年代にかけて映画『スター・ウォーズ』の関連グッズが次々と世に出る頃には、キダルト層は玩具業界にとって忘れてはならない存在でありながらも、世間からは「大人になれない大人」として嘲笑の対象であることが多かったです。

時代は変わり、今では18歳以上の消費者は世界の玩具の売り上げの4分の1(およそ90億ドル)に貢献しており、幼少期世代よりも大人世代のための売り上げが多くなっているそうです。玩具業界の市場調査グループの関係者によると、「子ども時代のノスタルジアを刺激し、混沌とした世界情勢からの逃避を可能にする」ことから、大人による大人のためのおもちゃ需要が高まっているのです。

玩具のヒーリング効果を求める大人たち

ストレスが蔓延し、メンタル疾患が話題になりがちな昨今、現実からしばらく逃避するためにフワフワのぬいぐるみやパズルゲームに没頭する事自体は悪いことではないでしょう。少子化や晩婚化なども相まって、自分の好きなものに自由にお金を使える人が増えているのも納得が行きます。何歳になったら好きなものは卒業しなければならない、という世間的な基準に縛られずに趣味を謳歌できる人が増えるのも全く悪いことではないと思います。

その一方で、『ラブブ』のように何百種類もバリエーションが存在する上に、箱を開けるまで中身が分からない「ブラインドボックス」型の売り方は消費者の爆買いを促進させ、ギャンブル依存につながると懸念する声もあります。英国ガーディアン紙の取材では生活費を切り崩してまでレアバージョンのラブブを探し求めたり、オンラインゲームのミステリーボックスに短期間で何千ドルも課金したりと、危うい浪費や依存は実際に起きているようです。

おこづかいに限度があり、親の了承がないと高額な買い物はできなかった子ども時代に比べると爆買いは大人の特権であり喜びでもありますが、心は純粋無垢な子どものままでも、お金や衝動の管理に関しては大人でありたいな……と、自戒を込めて思うのでした。

文/キニマンス塚本ニキ
ラジオパーソナリティ、翻訳家。1985年、東京都生まれ。9歳まで日本で育ち、その後15年間をニュージーランドで生活。現在は英語通訳・翻訳や執筆のほか、ラジオパーソナリティ、コメンテーターとして活躍している。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年12月16日(火) 発売

来年末は、DIME本誌で答え合わせ!?来る2026年、盛り上がるだろう意外なブームを各ジャンルの識者・編集部員が大予言! IT、マネーから旅行にファッション、グルメまで……”一年の計”を先取りできる最新号!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。