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ハンドラーに聞いた、トコジラミ探知犬エルの魅力と可能性

2025.01.03

シロアリ対策をはじめとした総合ハウスメンテナンスサービスを提供するアサンテ(東京都新宿区)は、「トコジラミ探知犬」を育成。今月、ビーグル犬の女の子エルがトコジラミ探知犬としてデビューした。今回は新人女性ハンドラー村上奈美さんに、エルの魅力やハンドラーの仕事について聞いてみた。

いつも新鮮な魅力を振りまくエルに期待

――今回、ビーグル犬のエルが、川崎フロンターレ青玄寮で、トコジラミ探知犬としてデビューする様子が公開されました。村上さんから見たエルの魅力について教えてください。

村上さん 基本フードが大好きで無邪気で元気いっぱいな感じがとても魅力的です。歩いている時の後ろ姿も、お尻をフリフリ揺らしていて、とてもかわいいなと思います。

探知中も元気いっぱいにルンルンで探していて、見つけた時、毎回、首がとれるんじゃないかと思うほど大きく振るところも、元気ハツラツで、とってもかわいいです。

色々なものや人に興味津々なので、興味を持ったものに一直線に行きますが、その反面、ちょっとビビリな面もあるので、驚くと一目散に一番信頼できる人のところに助けを求めてきます。

警戒心も強いので、信頼関係がまだ深く築けていない状態で、フードを与えようとすると、恐る恐る近づいてきます。そして、少しでも身の危険を感じると、すぐにパッと逃げてしまいます。逆に、エルが信頼している人にはすごくデレデレで、テンションが高く、自由に遊んでいい時間の時などは、ずっとくっついて離れません。

また、エルは少し変なところで肝が据わっているところもあって、よく先輩探知犬に突っ込んでいったり、ちょっかいを出したり、道路のど真ん中でいきなりうんちし始めたり、歩いていたら急に立ち止まって座って耳を搔き始めたりして、「ここでそれをする?」と毎回のように面白い行動をしてくれます。そんなエルを見るのがすごく楽しくて、これからどんな姿をたくさん見せてくれるんだろうと思うと、ものすごく楽しみでなりません。

――ワンコ大好きな感じが伝わってきますが、村上さんはなぜ、ハンドラーの仕事を選んだのですか?

村上さん 小さい時から動物とかかわる仕事がしたいという夢がありました。そうした幼い頃からの夢をかなえるために選んだのと、動物と一緒にいるときの自分が、一番生き生きしていると感じ、仕事に生かしたいと考えたからです。

探知犬はターゲットを見つけるのが大好き

――飼育してきたペットについてご紹介ください。

村上さん 柴犬の女の子を祖父が飼育しており、祖父の家に行った時には私がずっとべったりくっついていました。その子の性格は私が幼少期の時にすでに老犬だったため、とても貫禄があり優しい子で心を開いた人にはずっと寄り添ってくれ、甘々だったと感じています。その子との思い出はよく話しかけたりブラッシングしたり、散歩に行ってコミュニケーションをとって過ごしていました。とてもかけがいのない子です。現在はチワワの男の子を飼育しています。その子は警戒心が高くとても臆病で私がこの子を守らなければいけないと常々感じるかわいい子です。今はその子とたくさん思い出を作っている最中です。

――探知犬のハンドラーとしてどんな点が大変ですか?

村上さん やはり、体力面が一番大変です。基本的にずっと歩きっぱなし&立ちっぱなしであったり、散歩中は息が切れるぐらい走ったりするので、全く体力がなかったはじめのころは、毎日ヘロヘロでした。

探知中の苦労ですが、探知犬も毎日体調や情緒が違うので、探知犬がやりたくないという意思を示している時に、原因を見つけ出して解決し、やる気を奮い立たせて探知活動を継続することが、とても難しく苦労しています。

また、犬の個性ごとの対応も大変です。同じ探知犬でも性格や体格差などがバラバラなので、それぞれの探知犬と訓練をするごとに、その子が苦手なことや得意なこと、どういう接し方をしたらいいのかなど頭の素早い回転や身体の瞬発力が必要になります。

――その子に会った訓練や探知の仕方があるのですね!逆にハンドラーとしてどんな点が一番楽しく、やりがいがありますか?

村上さん まず、主な仕事であるターゲット(シロアリorトコジラミ)を見つけた時ですが、探知犬が楽しそうで生き生きとしていると感じるのがこの「見つけた時」なので、この瞬間を見ると自分も楽しくなりやりがいを感じます。

また、探知犬が楽しそうにしている姿を見るのも、楽しいです。探知中に限らず、散歩するときやおもちゃで遊んでいるときに楽しそうな姿を見ると、自分も楽しく、癒されていると感じます。

仕事の中でのやりがいや楽しさですが、日々の訓練で苦戦していたことが、実際の現場で解決した時や、トレーナーさんに褒められた時に感じます。ひたすら試行錯誤をして結果が出た時に、自分が成長したと感じ、頑張ってよかったとやりがいを感じます。

探知犬の「やる気」を引き出すのもハンドラーの役目

――ベテランハンドラーの下山さんは、デモンストレーションの中で、犬の気持ちに寄り添うことが大切だと言っていました。具体的にどう寄り添っていくのでしょうか?

村上さん 探知犬のやりたくないというサインを読み取り、その度合いに合わせて少し遊びを取り入れて気持ちを切り替えやる気を引き出すということをしています。

また、動くのが好きな子が多いので、散歩中はその日の様子や探知犬によっては走ることを多めにしたりして気分転換の工夫をしながら寄り添っています。

――やりたくない時があるなんて、人間の仕事と同じですね!ちなみに、今回デビューしたエルをビジネスパーソンに例えたら?

村上さん 優秀で面白いムードメーカーです。

――ありがとうございました。

今回、川崎フロンターレの神田奏真選手がエルに応援メッセージを寄せてくれた。幸い、トコジラミは発見されなかったが、相談件数は増え続けている。

アサンテではこれまでエルなどトコジラミ探知犬を使って3万室以上のホテルなどの施設を調査してきた。狭い室内で、ベッドの隙間などを調べるには、犬の機動力が存分に発揮できる。

これからも活躍が期待されるアサンテの探知犬は、トコジラミ探知犬がエル、ビート、ララの3頭でシロアリ探知犬はサラとアリスの2頭。探知犬は「くんくんズ」というチーム名をもち、これからも害虫から私たちを守ってくれるはず。

文/柿川鮎子

Author
明治大学政経学部卒業後、経済系新聞社で自動車、ISOなどの担当記者に。退社後5年間、動物病院に勤務した経験から、飼い主さんの気持ちに寄り添ったペット記事を執筆中。 得意なテーマは 1)生産性向上などのマネジメント関連と、 2)犬猫やエキゾチックを含 めた飼育動物全般、の2つ。 作家として小説「犬にまたたび猫に骨」(講談社刊)、「極楽お不妊物語」(河出書房新社)を発刊。ノンフィクションでは小学館刊「全国から飼い 主が駆けつける!犬の名医さん100人データブック」、文春新書「動物病院119番」、ほか多数。趣味は野鳥観察、現在、2羽のオカメインコを溺愛中。

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