【コウチワタルのMONO ZAKKA 探訪】
子どものクリスマスプレゼントやお年賀を選ぶ際、「喜んでもらえるものを贈りたいが、できれば記憶に残る体験も一緒に届けたい」と考える人は多いだろう。特に20~40代の男性にとっては、甥・姪、友人の子どもへのギフトを選ぶ機会が増える年末年始は、毎回同じような品を選びがちな時期でもある。そんな中でお薦めしたいのが、読み物でありながら“発掘遊び”のような体験ができる絵本『化石みっけ』である。
ブラックライトをページに照らすことで化石が浮かび上がる仕掛けは、子どもの好奇心を強力に刺激し、読むだけでは味わえない没入感を生む。恐竜に興味を持ち始めた子どもや、ワクワクする体験が好きな子どもに適した製品であり、2025年にはグッドデザイン賞を受賞している点からも、そのデザイン性の高さが伺える。冬のギフトシーズンに向けて、新鮮な体験を贈れる選択肢として一度検討したい一冊である。
『化石みっけ』とは
『化石みっけ』は株式会社日本ラベルが販売する体験型絵本である。絵本本体に加えて、ブラックライトと5枚の化石シールがセットになっており、ライトを当てることで本の中に隠された化石のシルエットが浮かび上がる体験を楽しめる。ちなみにこの絵本、表紙に何も書かれていない真っ白なデザインをしているが、この表紙もブラックライトを照らすと表紙のタイトルと絵が現れるのが面白い。
付属するブラックライトは子どもでも扱いやすいサイズで、ページの隅々まで照らしながら隠された化石を探すプロセスは、まるで発掘作業のような体験性を家の中にいながらもたらす。
絵本となっているが基本的にはストーリー性は限定的で、文字としては隠された化石に関する解説ページの部分にあるのみだ。本作の核となるのは「自分で探して見つける」という能動的な体験の方にある。文字を読むだけでは得られない驚きや発見が盛り込まれており、自然と観察力や集中力が引き出される構造になっている。また2025年グッドデザイン賞を受賞しており、遊びと学びを結びつけたデザインが評価されている点も特徴的である。
『化石みっけ』の特徴
◆ブラックライトで化石が浮かび上がる“発掘体験”
最大の魅力は、ブラックライトを当てることで絵本の中に隠れた化石が現れる仕掛けである。
通常の照明では見えないイラストが光によって浮かび上がり、子どもは「どこにあるのだろう?」とページを照らしながら読み進める。光を動かすという行為そのものが攻略要素となり、読むというより「探検する」感覚に近い没入感が生まれる。
恐竜を好きになり始めた子どもにとって化石は憧れの存在であり、手元のライトで“見つける”という体験は強い達成感をもたらす。さらに、読み手である大人も一緒にページを照らすことでコミュニケーションが生まれ、親子の読書時間が新しい形に変わる点も魅力と言える。
◆家中が“発掘ステージ”になる化石シール
基本セットには、絵本とブラックライトに加えて、化石シールが5枚付属している。このシールは一見するとただの透明なシールだが、ブラックライトを当てると化石のイラストが浮かび上がる特殊仕様になっている。
これにより、子ども部屋やリビングの壁、机の裏側など、家中のさまざまな場所が“発掘ステージ”に変わる。見つけた化石シールは絵本本体に貼るページが用意されているので、コレクションの要素も楽しめる点が大きな特徴である。
化石シールは別売りでも販売されており、全25種類の中から5種類ごとのセットで購入することが可能である。子どもの興味に合わせて種類を増やしたり、複数の場所に仕掛けを作ったりと、遊びの幅が広がる。絵本単体では完結しない“拡張性”がある点も、高い評価につながっているポイントだろう。
◆恐竜の世界へ自然に入り込める構成
ページは光を当てて探し回れるように余白と色調が調整され、イラストも子どもが直感的に楽しめるように描かれている。
また、見つけた化石の元になった恐竜の解説を大きさの比較と共に説明するページを設けるなど体験後に学びに繋げる構成になっているため、恐竜が好きになり始めたタイミングの子どもにとって理想的な“入口”となる。
◆クリスマス・お年賀のギフトに適した理由
冬のギフトとして選びやすい理由は、外出が減る時期でも家庭内で存分に楽しめる体験がセットになっている点である。ブラックライトを使った遊びは非日常感があり、開封したその日のうちに楽しめるため、プレゼントで重視される“即時性”が高い。さらに、付属のシールによって遊びが長続きするため、単なる絵本以上の価値を提供してくれる。大人の目が届く場所で遊んでくれる本作は、何かと忙しい年末年始の大人の事情にも即した製品と言えるかもしれない。
『化石みっけ』を購入するには
『化石みっけ』の基本セット(絵本、ブラックライト、化石シール5枚)は税込3,400円で販売されている。購入は日本ラベルのオンラインショップから可能であり、現在はオンライン購入が最も確実な入手方法となっているようだ。なお、別売りの化石シールは25種類がラインナップされており、5種類ごとのセットとして購入できるため、子どもの興味や遊びの広がりに合わせて追加できる点が嬉しい。ギフト用として購入する際にも、追加シールを添えることで“家中で探検できる絵本”に進化させることができ、贈り物としての満足度がさらに高まるだろう。
文/Wataru KOUCHI
趣味は合唱、読書、語学、旅行、美術館巡り、雑貨屋探索etc…。日本、海外の雑貨やガジェット、デザインコンセプトの中から思わず「それ、いただき!」と言ってしまうモノ達を紹介!







DIME MAGAZINE

















