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雪道でも怖くない!モンベル担当者に聞く「雪の防災」と「雪道で転ばない歩き方」

2025.12.28

子どもの頃、雪が降ると無性にワクワクした。ところが大人になると、寒さが厳しくなる、雪かきが大変、交通が麻痺する、滑って転ぶ……などといったふうに、ネガティブなイメージに変わってしまう人が多いのはなぜだろう。

「きちんと対策をすれば、雪は冬場の楽しみになる」とは、日本を誇るアウトドアメーカー『mont-bell(モンベル)』広報部の宮畑周平さんだ。北海道出身の宮畑さんは、大人になった今も雪が大好きだという。

宮畑さん、雪が大好きになる方法を伝授してください!

そもそも、なぜ雪は怖いのか?雪を理解する

地域によっては豪雪に見舞われ、その雪によってさまざまな被害が出る場合もある。

人間は、自然の力には敵わない。その一つが「豪雪(ごうせつ)」といわれる大雪だ。

2014年2月には、関東・甲信・東北地方を中心に豪雪が発生。内閣府の発表によると、2月14日から16日の3日間で、全国で死者26名、負傷者701名、家屋被害679棟の被害が生じた。

また2013年には、北海道で暴風雪から娘をかばって父親が凍死するという痛ましい事故も起こっている。さらに、屋根の雪下ろし中の転落や落雪、自動車内での一酸化炭素中毒、低体温症など。冬の大雪には様々なリスクがある。

でも、むやみやたらに恐れるなかれ。こうした一面があることを理解して、きちんと対策をすれば、宮畑さんが言うように雪は冬場の楽しみになるはずだ。

雪への備えは日常的な防災と同じ

『mont-bell(モンベル)』広報部・宮畑周平さん

「地震や水害のように、冬場は雪への備えも日常的にしておくと安心です」と宮畑さん。

「とくに都心部は、雪が降ると交通が麻痺することがあります。電車やバスが止まって、歩いて帰らなければならないことも想定して備えておくといいでしょう。

基本の防災は、ヘッドランプ、ホイッスル、非常用の食料をまとめたポーチを持ち歩くこと。これは普段の防災にも役立ちますね。このほか、積雪や寒さに備えて、日常的にできることはたくさんあります」

雪への備え(1)ウインターブーツを履く

都心部は、除雪車が入らない道もある。こうした雪がカチカチに冷え固まると、ツルッと滑ってしまう。

地域を問わず、雪の怖さといえば雪道で滑ること。積雪後、寒さで凍った路面はツルッと滑りやすく、転ぶとケガのリスクもある。

「積雪量に限らず、雪への備えとして、温かくて安全に歩行できるウインターブーツを履くことをおすすめします。『モンベル』では、凍結路でもすぐれたグリップ力を発揮するオリジナルソールのウインターブーツをバリエーション豊富にラインアップしていますよ」

おすすめアイテム「足首まで温かいショートブーツ」

「コルチナブーツ Men’s」(税込19,800円)は、ブラックとカーキの2色、24~29cmまでラインナップ。

「保湿剤入りで温かく、防水性があり、滑りにくいブーツは一つ持っていると便利です。足首までのショート丈は、合わせるボトムスを選びにくく、足さばきもいいです。

『コルチナブーツ』は軽量で、アッパーには雪が付着しにくい生地を使用し、耐久性に優れた素材で補強しています。防水透湿性素材なので、雨や雪でも足元が濡れず、汗ムレなども防いでくれます。また、足を包み込むようにフィットするので、雪や水の浸入も防ぎ、タウンユースでも外遊びでも活躍しますよ」

おすすめアイテム「シンプルな防水シューズ」

TPOを選びにくいブラックの「フロストウォーカー Men’s」(税込20,460円)。サイズは24~29cmまで。

「スニーカー感覚で履きやすい、シンプルな防水性のローカットシューズは、雨の日にも活躍します。一足持っていると、冬場の冷たい雨の日も快適に過ごせるでしょう。

『フロストウォーカー』も『コルチナブーツ』と同じ、滑りにくいソールです。アウトソールには、雪国や凍結した路面でグリップ力を発揮するアイスグリッパーを使用しています。薄くても高い保温性を発揮する保湿剤入りなので、冬場の足元の冷えも防いでくれます」

おすすめアイテム「軽量でコンパクトに持ち運べる雪道用スパイク」

旅行やタウンユースに考えられた雪道用の「イージースパイク」(税込2,420円)。

「どうしても革靴を履かなければならない方は、着脱可能なスノースパイクを着けるのも手です。

旅行や日常生活での雪道を想定した『イージースパイク』は、バンドを靴にかけるだけでOK。ほとんどの靴に対応するサイズ設定です。携帯に便利な専用の収納袋付きで、軽量でコンパクトに収納できます。滑り止めやスパイクは建物のフロアを傷つける可能性があるので、屋外での使用が望ましいでしょう」

雪への備え(2)帽子や手袋を身につける

頭が冷えると体温がどんどん奪われてしまう。

温かい帽子や手袋を身につけることも、雪への防災だ。

「寒さを和らげるだけでなく、転んだ時に頭や手をケガから守ってくれます。それに万が一、交通が麻痺して長時間歩かなければならない際にも、頭や手が温かいと体温が奪われて体が冷えることを防いでくれますよ」

おすすめアイテム「温かい素材の帽子」

写真左「クリマプラス200 O.D.イヤーウォーマーキャップ #1」(税込3,080円)、右「メリノウールプラス ライトワッチキャップ」(税込3,100円)。

「お好みのものでよいので、フリースやウールなどの、温かい素材の帽子をかぶることをおすすめします。万が一、転んだ場合も頭をケガするリスクが下がりますよ。

ちなみに自転車通勤をされる方は、『メリノウールプラス ライトワッチキャップ』のように薄手のものなら、ヘルメットの下にかぶることもできます」

おすすめアイテム「温かく、機能性が高いグローブ」

写真左「クリマバリア サーマルグローブ Men’s」(税込3,300円)、右「アルパイン ライトグローブ Men’s」(税込8,900円)。

「転倒時の手元を守る温かいグローブも、身につけておきましょう。

『クリマバリア サーマルグローブ Men’s』は、防風性があり、ビジネスシーンにもマッチしやすい色合いです。はめたまま、スマホの操作もできます。『アルパイン ライトグローブ Men’s』は防水性があるので、雪遊びにも活用できます」

雪への備え(3)薄手ながら温かいアンダーウェアやソックスを身につける

ビジネスシーンでは、フォーマルな着こなしを求められたり、厚手のダウンジャケットなどで防寒しづらい場合もあったりする。そういった時の味方が、薄手ながら温かいアンダーウェアやソックスだ。

「特に下半身は冷えやすく、寒いと体も縮こまってしまいます。万が一、雪で交通が麻痺した際に体が冷え切ってしまうと辛いでしょう。日頃から、薄手の温かいアンダーウェアやソックスなどを身につけておくと、冬場の通勤や外回りも一層快適になるはずですよ」

おすすめアイテム「重ね着しやすいアンダーウェア」

「ジオライン L.W.Vネックシャツ Men’s」(税込3,850円)、「ジオライン L.W.ニーロングタイツ Men’s」(税込2,750円)。

「ワイシャツの下に身につけても見えにくいアンダーシャツや、重ね着しやすい膝丈のタイツなどもあります。『モンベル』オリジナル素材の『ジオライン』は、軽量で乾きやすいポリエステル100%。お店でも手頃な価格と使いやすさで人気のシリーズです。どちらも防臭機能も備えています」

おすすめアイテム「冷えやすい部分を温めるアイテム」

男性にも人気だという「ジオライン EXP.サイドジップ ウエストウォーマー」(税込2,750円)。

「おなか周りや腰回りが冷えるという方に人気なのが、サイドジッパー付きのウエストウォーマーです。58gと軽量で薄手ながら、極寒地で身につけることも考えて開発しているので、しっかりと温かいですよ。サイドジッパーで簡単に着脱できるので、屋外と屋内の出入りが多いシチュエーションでも便利です」

おすすめアイテム「メリノウールのソックス」

保温性が高くムレにくいメリノウールを58%使用した「メリノウール トレッキングソックス」Men’s(税込2,090円)。

「温かくてムレにくい天然素材のメリノウールを使った登山用ソックスは、積雪時はもちろん、冬場におすすめです。ウールの防臭効果もあるので、足のにおいが気になるという方にもぴったり。

ちなみに、寒い時期にしもやけになるという方は、かいた汗が冷えてしまうことも原因かもしれません。メリノウールを使ったソックスなら、こうした汗冷えも防いでくれます」

雪道で転ばない歩き方とは?

よく「ペンギン歩き」などといって、歩幅を小さく、足の裏全体を地面につけて歩く方法が転びにくいと聞く。しかし、雪国生まれの宮畑さんのアドバイスはちがった。

「あくまでも僕の体験談ですが、雪面につく面積は大きいほうがいいです。だから歩く時は、踵からではなく、足裏全体をつけるイメージで。歩幅は大股でも、そっと歩けば大丈夫です。そのうえで、ソールのグリップ力の高いウインターブーツを履けば、ツルツルと滑りやすい路面でも安心できると思います。

ちなみに、横断歩道や路面が斜めになっているところはツルンと滑りやすいので、注意してくださいね」

備えれば、雪は楽しい!

『モンベル』では、全国各地で、四季折々の自然をたのしみ尽くすツアーを開催している。こちらは『入笠山 スノーシューハイク』の様子。

「寒いとか滑るとかいった雪のマイナス面に備えておけば、冬場がもっと快適になるはずです。そして、せっかくなら快適なアイテムを身につけて、雪遊びをしていただきたいですね。

近所の公園でお子さんと雪だるまを作ったり、ウインターブーツや手袋の性能を試してみるために雪道を歩いてみたりするだけでもいい。ネガティブに感じていた雪の魅力を再確認していただけるのではないでしょうか。

わたしたちは、雪に備えるアイテムはもちろん、スノーシューやスノーハイク、雪山登山など、初心者から上級者まで楽しめる雪山遊びも提案しています。よければ遊びにいらしてくださいね」

『モンベル』の雪遊び情報はこちら

取材・文/ニイミユカ

1983年、兵庫県生まれ、東京・浅草在住。朝ランが日課の編集者・ライター。女児の母。大阪の大学を卒業後に上京。編集プロダクション勤務を経て、フリーランスに。「衣食住子」と地に足のついた企画を編集・取材・執筆しています。Instagram @yuknote

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