総務省が2025年3月に公開した調査※1で「生成AIサービス」の利用経験者が20代で44.7%、30代で23.8%にのぼり、若者の生成AI利用が拡大している。では、恋愛シーンにおいて生成AIはどのように活用されているのだろう。
※1 総務省「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」の「生成AIサービス利用経験(年代別、日本)」から抜粋
また、アプリを何度も削除・再利用する「マッチングアプリ出戻りユーザー」、いわゆる“マチアプ出戻り界隈”も増加している。
そこで恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」を運営するエウレカは、恋愛可処分時間が短い令和の若者がマッチングアプリをどのように利用しているのか明らかにすべく、マッチングアプリの利用経験がある全国の20代~30代の男女1,022人を対象に、「マッチングアプリの出戻り※2」および「生成AIへの恋愛相談」に関する実態調査を実施した。
※2「出戻り」の定義は、「アプリの削除」または「退会」したことを1回の利用とし、同時期に複数アプリを利用している場合も1回の利用とカウントする。
アプリ経験者の平均利用回数は3.8回!マッチングアプリ出戻りユーザー、“マチアプ出戻り界隈”の実態
はじめに、マッチングアプリの利用回数について尋ねたところ、2回以上利用したことがあると回答した人の割合は89.8%で、回答者全体のアプリ平均利用回数は3.8回であった。
アプリの利用を一度やめて再び利用するまでのブランク期間についても尋ねたところ、TOP3は「1ヶ月~3ヶ月」(28.3%)、「3ヶ月~6ヶ月」(26.3%)、「6ヶ月~1年」(18.0%)という結果に。
続いて、マッチングアプリにおける交際経験の有無について尋ねたところ、交際や結婚に至った人の割合は64.3%(男性:64.8%、女性:63.7%)であった。
その中で、アプリを複数回利用して交際や結婚に至った人の割合は67.3%となり、一度だけ利用して交際や結婚に至った人の割合である37.5%の約1.8倍にのぼる。
交際・結婚に至る割合は男女差があまり存在しない一方で、利用経験数では初回利用から2回、3回、それ以上と、利用回数を重ねることで着実に交際・結婚に至ることがわかる。
次に、利用を再開した918人に初回利用時と比べてアプリ体験に変化があったのか「良くなった」から「悪くなった」まで4段階で尋ねたところ「マッチングする確率」が「良くなった」「どちらかというと良くなった」と回答した人は66.5%であった。
この回答をした人のうち、「メッセージのやり取りのスムーズさ(手応え)」が良くなったと回答した人の合計割合は84.6%、「交際に至るまでのスピード」が良くなったと回答した人の合計割合は75.9%。
マッチングする確率が上がったと感じた人は、続くステップのメッセージ、最終的な交際までアプリ体験が全体的に向上している。
再びアプリに戻ったきっかけについても質問したところ、TOP3の回答は「多様な人と出会える機会が多いと感じたから」(27.1%)、「好みや相性が良い相手と出会えそうと感じたから」(26.3%)、「効率よく出会えると感じたから」(22.9%)という結果に。
一方で、戻る際に懸念や不安がなかったか尋ねたところ、TOP3は「会うまでのメッセージのやり取りが面倒」(40.0%)、「時間や労力をかけても出会えないと感じる」(32.4%)、「好みや相性が良い相手が見つかるか」(30.9%)であった。
また、アプリの利用を再開して感じた、過去の利用経験が生きたメリットについて尋ねたところ、回答のTOP3は「自分に合わない人・NG行動が明確にわかるようになった」(31.2%)、「アプリに対する変な緊張や遠慮がなくなった」(27.5%)、「理想ばかりにとらわれなくなった」(25.7%)。
アプリに出戻ると、過去の利用体験を冷静に振り返り、自分自身を見つめ直す回答が比較的多く選択されている。
最後に、過去の利用経験を踏まえて具体的に気をつけた、工夫したポイントについて「マッチングするまで」「マッチングしてから実際に会うまで」「実際に会った後(デート時)」の3つのシーンに分けて尋ねたところ、最も気をつけた工夫したポイントは「プロフィール写真をこだわった」(37.4%)であった。
続く、実際に会うまでのシーンでは「連絡方法を無理せずマイペースにした」(26.9%)、デート時では「服装や身だしなみに気を遣った」(33.2%)がトップに。
マッチングアプリ利用経験者の過半数が生成AIに対する恋愛相談を経験
若年層の生成AI利用が進展していることを受けてペアーズは、生成AIに対して恋愛相談した経験の有無、相談した理由、相談内容を調査した。
はじめに、生成AIに恋愛相談をした経験があるか尋ねたところ、「よくある」(13.2%)、「何回かある」(30.3%)、「一度だけある」(9.6%)と、生成AIの利用経験者が過半数(53.1%)であった。
前述の総務省の調査では生成AI利用経験者が20代で44.7%、30代で23.8%となっており、マッチングアプリ利用者は、より積極的に生成AIを活用している実態が明らかに。とりわけ20代男性は7割弱(66.3%)が生成AIに対する恋愛相談を経験していた。
では、なぜ生成AIに恋愛相談するのだろうか。複数回答で理由を尋ねたところ「相談内容を人に知られることなく解決したかった」(42.4%)と「24時間いつでも相談できる」(39.6%)が多く回答を集めた。
以下「恥ずかしくて人には相談できなかった」(25.2%)、「友人・知人には恋愛相談がしにくい」(21.4%)、「相談相手がいなかった」(20.6%)と回答が並び、気軽に相談できる相手として生成AIを選ぶ実態が垣間見える。
最後に生成AIに対する相談内容を複数回答で尋ねたところ「マッチングアプリでのメッセージのやり取りの方法」が28.4%でトップであった。
以下「自分と相性のよい異性について」(26.9%)、「連絡に対する返信メッセージの作成」(26.5%)、「マッチングアプリに書くプロフィール文章の書き方」(26.3%)が僅差で続いており、これから関係を築く相手とのコミュニケーションに関する悩みを中心に相談しているようだ。
生成AIへの恋愛相談に関する実態調査では、恋愛に正解はないが故に、出会うことの難しさも含めて誰かに相談して正解を求めたいものの、気兼ねなく打ち明ける相手も見つけることが難しく、生成AIに頼る実情が明らかに。
相談内容は具体的な悩み(コミュニケーション方法、デート、告白)が中心で、恋活に頑張り続ける若者の“今”が映し出されている一方、「相性の良い異性」「自分の恋愛運」等の、自己診断のヒントをもらうために生成AIを利用しているケースも見られる。
ペアーズは、広義のAIを活用することでお相手をおすすめする機能におけるマッチ率が男性は約2.4倍、女性は約1.5倍向上するなど※5、マッチングパフォーマンスの向上と安心・安全な出会いを実現するためにアプリを絶えず進化させており、取り組みの結果として第三者機関であるMMD研究所の「2025年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」(2025年9月)において利用率と交際率でNo.1を獲得している※6。
※5 広義のAIは生成AIではなく、 ユーザーにお相手をおすすめする推薦AIです。詳細は「ペアーズのAIおすすめ機能が新テクノロジーで進化、マッチ率が男性は約2.4倍、女性は約1.5倍向上」をご覧ください。
※6 MMD研究所「2025年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」2025年9月時点。交際率においては利用上位5サービス・アプリが対象。
調査概要
調査名:「マッチングアプリの出戻り」および「生成AIへの恋愛相談」に関する実態調査
調査期間:2025 年11月21日~11月26日
調査方法:インターネット調査
調査対象:1,022人(20代~30代、男女)
調査機関:PRIZMAリサーチ
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある。
構成/Ara







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