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Visaグループのトップが予測する2026年決済業界のトレンド

2026.01.02

ビザ・ワールドワイドは、Visaグループのプレジデントであるオリバー・ジェンキンによる2026年の予測を公開した。

2025年は決済の変革期。2026年にはそれを凌ぐ変化が。

オリバー・ジェンキンによると、「2025 年は決済にとって変革の年であったが、2026 年はそれを上回る年になる」とのこと。ここでは、そんなオリバー・ジェンキンによる、「2026年における決済分野を形作る主な予測」を紹介する。

■エージェンティックコマースが主流となる

対面式コマースから、eコマース、モバイルコマースを経て、今や、消費者や企業の代わりにエージェントが取引を行うエージェンティックコマースへと移行しています。そして2026年には、AIのサポートによるショッピングが一層現実的なものとなり、エージェンティックコマースは自然に広がっていくでしょう。

ChatGPTアプリを開くと、新たに「購入を代行」というボタンが表示されることを想像してください。そのボタンをクリックして、エージェントをプログラムすると、次の3つの処理が行なわれます。

1. 決済の有効化:よく使用するクレジットカードを読み込みます。カードが認証されると、トークン化され、セキュリティで保護されます。これでエージェントがお客様に代わって安全に買い物ができます。

2. 個人の嗜好にあわせたカスタマイズ:安全なデータトークンを通じて、買い物履歴や好みに関する情報を共有します。これで、エージェントは「オリバーさんなら、これらの購入オプションのうち、どれを選ぶだろう?」と考えながら、代わりに買い物をすることができます。

3. 支出の管理:条件を設定して、エージェントに買い物をさせることができます。例えば、旅行や食事の場合は許可して医療機関の受診については許可しない、といった設定が可能です。また支払い金額が100ドル未満の場合は許可し、それ以上の場合は許可しないこともできます。

これにより、エージェントが自分専属のパーソナルショッパーになってくれるのです。お気に入りのeコマースサイトを閲覧するだけでなく、自分の嗜好を理解した上で、自分らしい意思決定ができるLLM(大規模言語モデル)になるわけです。

大手ブランドがAIを利用したショッピング体験の主流化に注力する中、次のステップである、完全なエージェンティックコマースへの移行は2026年にさらに加速するでしょう。そこでVisaは、こうした進化の実現を目指して、エコシステムパートナーと協力して、重要なインフラとツールを提供しています。これは未来の話のように思われるかもしれませんが、それほど先のことではありません。今日起こっているイノベーションは、明日には当たり前のものとなるのです。

■アイデンティティをめぐる戦いはAI時代に突入

AIコマースには大いに期待していますが、懸念もあります。それは、犯罪者も同様のイノベーションを悪用できるということです。彼らはAIを活用したディープフェイクやエージェント詐欺、合成IDを用いて、「アイデンティティ」を狙っています。

これまでの詐欺は、トランザクションレベルで発生していました。攻撃者が一度に盗めるトランザクションは1つだけでした。それがAI技術の進歩に伴い、今では攻撃者はより高度な手口で、非常に精巧な詐欺やなりすましを使って消費者のアイデンティティ全体を盗むことができます。一度アイデンティティが盗まれると、その情報によるすべてのトランザクションは攻撃者のものとなります。これは大規模な詐欺であり、その被害は甚大なものとなる可能性があります。

残念ながら2026年には、このようなAIを利用したアイデンティティ攻撃はさらに高度化し、発生件数が大幅に増加することが予測されます。こうした事態の悪化は、アイデンティティをめぐる新たなAIの戦いの幕開けとなり、より多くの投資、注力、パートナーシップが必要になります。

この戦いは、銀行、加盟店、フィンテック企業、政府が単独で取り組んでも勝利を収めることはできません。2026年には決済サービス業界は、協力してアイデンティティ詐欺と戦い、共にリスクを管理するための共通の機能や技術を開発することが求められます。そしてVisaは、この戦いにおいて中心的な役割を担います。

■ステーブルコインの躍進

法定通貨によって担保された暗号通貨であるステーブルコインは、これまで投機的な資産と見なされていたものを、信頼できるグローバル決済インフラへと変革しています。

ステーブルコインが既存の国際決済エコシステムに加わり、その役割を補完していく可能性は、特に新興市場やクロスボーダー決済において非常に大きいでしょう。米国のGENIUS法や世界各国で同様の法律が成立し、規制の枠組みが整備されたことで、2026年には飛躍的な成長が期待できます。

次の分野でステーブルコインの大幅な成長が見込まれます。

・現地通貨が不安定であり、安定した米ドルの利用が限られている新興市場で、ステーブルコインが価値の保存手段として機能(アルゼンチンなど)

・B2B決済、B2C決済、P2P送金などのクロスボーダー決済において、ステーブルコイン技術を活用することで現在のソリューションをより効率化

・Visaのインフラを活用し、法定通貨と暗号通貨の世界をシームレスに移動できる。Visaカードと連携した暗号通貨ウォレットには無制限の決済範囲が与えられているので、消費者はステーブルコインと暗号資産を担保にスターバックスでコーヒーを購入できる(Visaは現在、40か国以上の国と地域で、130を超えるステーブルコインと連携したカードプログラムを提供)

・Visaネットワークでの決済。ステーブルコインネイティブのお客様も、他の通貨と同じように、米ドルやユーロのステーブルコインでVisaネットワーク上の決済ができ、今後もその規模は拡大する

2026年において一つ確かなことは、ステーブルコインの潜在的な活用法は、最も議論されるテーマの一つになるだろうということです。というのも、ステーブルコイン市場は、2030年までに最大4兆ドルに達する可能性があると言われているからです。私の見解ではやや強気すぎるように感じますが、2026年が本格的な飛躍の年になるというのは間違いないでしょう。

■消えゆく手動入力によるゲストチェックアウト

財布からクレジットカードを取り出し、16桁のカード番号、配送先住所、カードの有効期限、そしてカードに記載されているセキュリティコードを入力した経験を覚えているでしょうか。そんな時代は、いよいよ過去の遺物になろうとしています。

スマートフォンの登場で、電話番号を覚える必要がなくなり、検索エンジンを使えばURLを覚える必要がなくなったのと同じように、カード情報をより簡単な方法で記憶できるようになりつつあります。いくつもの手順を踏まなければならない面倒なゲストチェックアウトは、ワンクリック決済に代わりつつあります。

Apple Payのようなデジタルウォレットでも、Shopifyのようなeコマースプラットフォームでも、購入ボタンがオンラインに組み込まれるようになりました。これにより、決済が速くなり、カゴ落ち率が低下し、不正利用も減少します。2026年には、手動入力のゲストチェックアウトは、モデムと同じように過去のものとなるでしょう。

実際、手動入力のゲストチェックアウトを利用したVisaのeコマース取引件数は、2019年の約半数から2025年にはわずか16%にまで減少しました。Visaのeコマース販売店上位25社を見ると、既に1桁台前半になっています。

多くの市場では、手動入力によるゲストチェックアウトは間もなく完全に姿を消すでしょう。このような変化を実現している要因の1つが、160億ものVisaトークンです。

■現金の時代に終わりが訪れるのか

いいえ。2026年でも、近い将来でも、そのようなことはありません。マーク・トウェインに、「私が死んだと、大げさに言いふらされている」という名言がありますが、現金についても同じことが言えます。世界中には大量の紙幣(約11兆米ドル)が流通しているため、今すぐになくなることはないでしょう。そのため、これから何年にもわたって、多くの国でデジタル決済のイノベーションと成長が促進されるでしょう。

しかし、世界における現金の利用は変化しつつあります。2026年は、世界の消費者決済の半分がカード情報を使って行われる、史上初の年となるでしょう。ここまで来るのに時間はかかりましたが、大きな節目となります。

こうした変化を促しているのは、カードやモバイル端末によるタッチ決済などのイノベーションです。これまでは現金が唯一の選択肢であった少額取引も、こうしたイノベーションによりデジタル化が可能となりました。

1ドルのバス料金の支払いにスマートフォンをタッチしたり、農家の直売所で2ドルのコーヒーの支払いにカードをタッチしたりするようになって、現金に残された最後の安全地帯が失われようとしています。

現金のデジタル化をさらに進めるため、VisaはWeChat Pay(中国)、M-Pesa(ケニア)、Mercado Pago(ラテンアメリカ)など、世界中のフィンテック企業やデジタルアプリと提携しています。

Visaは各地域のイノベーションと、Visaが持つ最高水準のセキュリティや、不正行為、リスク、紛争解決、ブランド、信頼、アクセプタンス、他にはない規模のグローバルネットワークを組み合わせることで、デジタルコマースの安全かつ包括的な成長を実現しています。

「現金は王様だ」という声もありますが、その玉座は奪われつつあります。

■未来を予測するには正しい視点で見る必要がある

200以上の市場で事業を展開するVisaは、世界の決済市場がどれほど多様で、断片的で、ダイナミックであるかを示す、他に類を見ないグローバルな視点を持っています。一見すると、その状況は完全に無秩序で圧倒的に見えるかもしれません。しかし正しい視点で見れば、ノイズの中から兆候を見つけることができます。

Visaでは、「市場のアーキタイプ」という視点により、成長モデルが類似した国々をグループ化しています。発展段階、インフラ、消費者行動、イノベーション、規制に基づいて、類似した決済市場のグループを分類しています。この視点で見ると、地球の反対側にいる市場がしばしば双子のように見えることがあります。同じ大陸ではないかもしれないし、同じ言語を話さないかもしれませんが、多くの点で、同じ決済行動、リスク、機会を共有しています。そしてまさにこのアーキタイプの視点によって、明確なトレンドが浮き彫りになります。

例えば、オーストラリアとインドはいずれもアジア太平洋地域にありますが、決済に関しては共通点がほとんどありません。オーストラリアはデジタル化が進み、現金利用が少ないという点で、北欧、英国、カナダに似ています。逆にインドは、決済の面ではブラジルやナイジェリアと類似点が多く、いずれも、国家レベルのリアルタイム決済ネットワークに大きく依存しています。このレンズを通して見ると、意外かもしれませんが、日本、ドイツ、サウジアラビア、メキシコはお互いに、地理的に隣接する国々よりも共通点が多いこともわかってきます。なぜならこれらの国々は、デジタル決済が成長する可能性が高い、成熟した大国だからです。

この視点で分析すると、トレンドが明確になり、より正確な予測を立てることができます。2026年には、このアプローチによって新たなインサイトが得られ、お客様にとっての新たなつながりが実現するとともに、世界中でイノベーションと成長が促進するでしょう。

関連情報
https://corporate.visa.com/en/sites/visa-perspectives.html

構成/立原尚子

東京都出身。出版社勤務を経て、現在はフリーライターとして活動中。好きなジャンルは家電まわり。最新ガジェットから暮らしに役立つアイテムまで、読みやすくて、ちょっとためになる記事を目指して執筆中。

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